ロヒリーノ・和樂

ロヒリーノ・和樂

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うず

今すぐ 飛んでいきたい 直接この目で確かめたい 直接ぬくもりに触れたい 抱きしめたい どんな言葉をなげかけても 不安を追っ払うことはできない アナウンサーの避難を呼びかける声が 部屋の宙でカラカラ音を立てて回り続ける わたしは 無力だ 願いよ とどけ とどけ

    • ダンサー

      太陽は まぶしくて キライ カーテンをしめきった部屋で じっと息をひそめる 補食されないように 日が沈み 人の気配がうすらぎ 街のほてりが冷えたころ わたしは飛び立つ 等間隔にあしもとを照らす白色灯 出入りが封じられた駅の改札口 ロータリーにとどまるタクシーの行灯の列 ここがわたしの舞台 毒虫に犯され ズタズタに切り裂かれた内臓から 血が噴き出すことも厭わず 月あかりに照らされ わたしは踊る 萎縮していた肩甲骨から指先までが 一直線とな

      • 今日も天気は

        今日も 天気は晴れ きのうは どうだったかな あしたは 起きてから確認すればいい 24分後に 検温 4時間24分後に 晩ごはん 8時間24分後に 消灯 16時間24分後に 起床 そして あしたが今日になる 尿意があれば 便器に座れる 便意があれば 便器に座れる 外に出たければ あしたの数を 指折り たしかめる わたしは 自由を夢見る かごのとり