つらら

断熱等級の最高等級が最高じゃない問題

分からないことが多い家づくり、頼りたくなるのは「等級」。ですが、その等級があてにならないとなったら・・・

断熱等級とは?

国が決めた断熱性能のレベルを表す等級。等級1~4まであって、等級4が最高等級。ま、ここまでだと、なんだかすごそう。

等級4はすごいのか?

等級4は、平成25年に見直された省エネ基準を満たすことが条件。UA値でいうと、0.87以下(地域区分5~7地域)を満たせばOK。

この0.87以下という条件が、かなり緩いから問題。余裕でクリアできるレベル。言い換えると、ここをクリアできないとさすがにやばいよ!というレベル。

等級3は平成4年基準をクリア、等級2は昭和55年基準をクリア、等級1はその他、という決め方なので、等級4の意味を正しく読み解くと「最近の最低限基準をクリアしている」ってことになりますね。

正しく改名するなら…

等級4→等級「最低限」
等級3→等級「時代遅れ」
等級2→等級「浦島太郎」
等級1→等級「無断熱住宅」

ですね。だから、「断熱等級最高等級取得!!!と」PRしている住宅会社は、この事実を本当に知らないのか、確信犯的に施主を騙しにいってるか、どっちか。

いずれにしてもやばいよねーとは思います。

他に、あてになる等級はないの?

UA値の基準っていろいろあります。()内は、地域区分6の数値を記載します。

・省エネ基準(UA値0.87以下)
国が定める最低基準。これをクリアしたら、断熱等級4(最高等級)。2020年に義務化になる予定だったけど、諸事情により延期。

「義務化しようと思ってたってことは、やっぱり最高じゃなくて最低限基準じゃん!」ってわかりますね。

・ZEH基準(UA値0.6以下)
国が推進するゼロエネルギーハウスの補助金が受けられる基準。

「おいおい、最高等級より上の国の基準があるじゃないか~」ってね。そうなんです。国だって、断熱等級4は最高じゃなく最低限だと分かっています。

・HEAT 20 G1/G2基準
民間企業がつくった基準。ZEH基準よりも厳しい基準で、G1/G2の2グレードがあります。

UA値

(出典:グッシン

で、結局断熱はどこまでやればいいの?

やればやるだけ断熱性能はあがるので、予算に応じて決めるほかなし。ですが、費用をさほどかけずにいける最高到達点は、ZEH基準あたり。

これ以上いくと、付加断熱(内外ダブル断熱)とか必要なので、割高になってきます。予算あればやってみてください。

せやま考案の新断熱等級

こうだと分かりやすいのにね。

断熱等級7→HEAT 20 G2基準クリア
断熱等級6→HEAT 20 G1基準クリア
断熱等級5→ZEH基準クリア ★ちょうどいい塩梅の推奨レベル
断熱等級4→平成25年基準クリア
断熱等級3→平成4年基準クリア
断熱等級2→昭和55年基準クリア
断熱等級1→その他

まとめ

ということで、言いたいのはこのへんです。

・最高等級をとれない会社(等級3以下)は、まじでやばい
25年以上前の断熱基準で家を建てているのは、奇跡。もとい化石。

・「断熱等級 最高等級4取得可能!!」とPRする会社はやばい
知らないのか?確信犯的に騙しているのか?どっちでもやばい。会社を見分ける方法になるかも。

・断熱性能のちょうどいい塩梅はZEH基準クリア
マニアみたいな住宅会社もいるけど、施主的にはそこそこ80点くらいでいいと思いますよ。ちょうどいい塩梅は、UA値0.6以下くらい。

・国の基準は背景を踏まえてね
国と住宅業界は密接に関係していますから、互いに配慮し、不利になることはしません。国の基準と、施主にとってのメリットは、ずれることが多いよってことです。

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