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注文住宅の土地の探し方 完全攻略マニュアル【保存版】

注文住宅の土地探しは大変ですよね。楽に良い土地を見つける裏技はありませんが、やるべきことを漏れなくやっていくことで、良い土地が見つかる確率をグンと上げることができます。

では、順を追って解説していきますね。

本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!

①土地重視か建物重視か決める

家づくりの基本方針が、土地重視か建物重視かによって、土地探しの方法は全く異なりますので、まず夫婦で方向性を決めることが大切です。

これをやらずに土地探しを始めてしまうと、時間だけが経過して迷宮入りするリスクが高まります。

土地重視とは?

土地重視とは、とにかく立地を重視して家を建てる事です。家の質はさほど気にせず、とにかく駅近で便利な場所に家を建てたい人がこれに該当。

土地重視の場合は、建築条件付きの土地を探しましょう。建築条件付きの土地とは、家を建てる住宅会社が決まっている(紐づいている)土地のこと。

土地重視で、建てる会社はどこでも良いわけなので、とにかく立地優先に建築条件付きの土地を検索しまくればOK。非常にシンプルな土地探しとなります。

私は、質を担保しない家なら建てない方がましだと考えているので、この家づくりを推奨はしていませんが、個人の価値観は人それぞれなので、土地重視の家づくりもあって良いと思います。

建物重視とは?

建物重視とは、家の質にこだわって家を建てる事です。土地もそりゃ大事だけど、やっぱり住環境を優先すべきでしょと考える人がこれに該当します。

建物重視の方は、建築条件無し(どの工務店で家を建ててもOK)の土地を探すか、建築条件付きの土地の建築条件を外すことが必要になります。

これが結構大変なんですよね。良さそうな土地は、たいてい建築条件付きの土地なので。ただ、土地探しは、良い家を建てるためには避けて通れない道なので、効率的な探し方を学んで乗り越えていきましょう。

ここからは、建物重視の場合の土地探しについて解説していきます。

②土地探しの前に住宅会社を決める

土地を探す前に、住宅会社を決めましょう。施主だけで土地を探し、不動産会社とやりとりして購入してしまうのは、リスクが高すぎます。絶対にやめましょう。以下のようなリスクがあります。

■希望の間取りが入らないリスク
土地には、建ぺい率、容積率、斜線規制、外壁後退、防火地域、風致地区…など、地域ごとに細かい建築規制が設定されており、施主がすべて理解するのは不可能。

建築規制を理解せずに土地を購入してしまい、希望の間取りが入らない…となっても、もう後戻りできません。

■思った以上に造成費用がかかるリスク
割安で買えた!と思っていても、水道市納金、水道引き込み工事、高低差処理費用、解体費など、家を建てるための造成費用が想定上にかかり、全然お得な土地ではなかった…という事態になります。

不動産会社は、契約前に重要事項を説明する義務がありますが、説明されたところで、施主がすべて理解することは難しいので、実質意味をなしていないと言えます。

■割高なままで買ってしまうリスク
業界内では、土地の価格交渉は当たり前のように行われていますが、施主からすると、日常の生活で価格交渉する事はほぼないため、満額のまま購入してしまう事があります。

不動産会社の「価格交渉は難しいですね~」の言葉を鵜呑みにしてしまい、気づいたときには手遅れ…となってしまうわけです。

■良い物件をスピード判断できないリスク
良い土地は、他の施主もみんな狙っているので、すぐに売れてしまいます。

本当に良い土地は、水曜休みの不動産屋が、木金あたりに情報を出すと、土日で売れてしまいます。この短期間に、施主だけで建築規制(間取り検討)造成費用を検証するのは不可能ですよね。

その結果、良い物件を抑えられないか、おかしな土地を購入してしまう事態に陥ってしまいます。

■無意識に土地重視の家づくりになるリスク
複数の住宅会社に土地探しを依頼する人もいますが、これもやめた方が良いです。

仮に、希望していない住宅会社が良い土地情報を持ってきた場合、「土地情報だけもらっときます!ありがとう!他の会社で建てますね~」とはさすがに言えないですよね?

となると、良い土地を持ってきた住宅会社で家を建てることになるので、建築条件付きの土地(土地重視の家づくり)と同じ流れになってしまうわけです。

ということで、まず住宅会社を決めてから、住宅会社と一緒に土地探しを進めるようにしてください。

土地がないのに、どうやって住宅会社を選ぶか?

土地がなくても、以下要素を確認すれば、住宅会社の見極めを行うことは十分に可能です。

■見積
以下要素を伝えた上で、見積を取ります。この要素が各社違うと、正確な比較(相見積もり)ができませんので、ご注意を。

間取り
おおよその坪数や部屋数を伝えて、仮の間取りを提示してもらってください。
性能
「せやま性能基準」に沿って、希望する性能レベルを伝えるか、住宅会社の標準的な性能レベルを提示してもらってから、希望レベルに変更してください。
標準仕様
「せやま標準仕様」に沿って、希望する標準仕様を伝えるか、住宅会社の標準仕様を提示してもらってから、希望仕様を追加してください。

ここで見積を出し渋る住宅会社は、候補から外しましょう。見積に含まれる仕様がしょぼくて、契約後に多額な追加費用がでる可能性が高いと判断できます。

■営業マン
これは相性の問題もあるので、直感で良いとは思います。知識レベルもチェックする場合は、「営業マンチェック表」を使ってください。

■プランナー
誰がプランを描くのか?を確認し、過去のプラン事例の確認を。合わせて、直接プランナーと面談し、プランニングで大切にしている思想を聞けると良いですね。さらに細かくチェックしたい場合は、「せやまどりチェックリスト」を使ってください。

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③施主自らで土地を探す

住宅会社が決まったら、いよいよ土地探し。土地探しは、施主と住宅会社の役割分担を行いますが、施主自身が自分で動けるか?がポイントです。

土地探しを、不動産屋や住宅会社に任せてしまうと、相場が分からず、良い物件が出て来ても、良い物件なのかどうか判断ができません

また、施主自らが動かないと出会えない土地もたくさんあるので、自分で土地を見つけるんだ!という意識が何より大切です。

施主は何をすべき?

施主が担当するのは、不動産屋巡りとネット検索です。

■不動産屋巡り
不動産屋はとっておきの物件は、外に情報を流さず、自分で客付けしたいと考えるので、施主自らが不動産屋に出向かないと情報を出してくれません。

最低でも、希望エリア内で5社は訪問しましょう。希望エリア内で売り物件の幟を探し、そこに書いてある不動産屋に行ってみる、という流れが最も効率的。

実際に不動産屋を訪問した時には、「〇〇工務店で建てることを決めています。良い土地があればすぐにでも買うつもりです。」と本気を見せることが大切です。

「1年以内に見つかれば」「子どもが小学校に上がるまでには」と言う施主のために、不動産屋も時間を使わないですからね。これ言っちゃう人結構多いので、気を付けて。

■ネット検索
ネットには、売れ残り物件が掲載されている事が多いのですが、時々、良い物件が出ていることもあります。

まず、新着は必ずチェックしましょう。希望エリア内の土地は、「すべて顔見知り」という状況になるまでネット検索を。

価格の検索条件は、少し高めに設定しましょう。価格交渉できる土地も結構ありますからね。予算オーバーだとあきらめずに、価格交渉してみる姿勢を忘れずに。

そして、中古戸建(古家付き土地)の検索も忘れずに。更地の方が人気なので、ねらい目です。解体費用がかかるので、価格交渉もしやすいですしね。

おすすめサイトは、ニフティ不動産。複数のサイトの情報が集約されています。また、ホームズの地図検索は、直感的に相場が理解できるので便利ですよ。

④住宅会社にプレッシャーをかける

住宅会社が担当するのは、レインズ(不動産業者しか見れない土地情報サイト)の検索と不動産業者からの水面下情報収集です。これは言わなくもやってくれると思うので、大切なのは施主からプレッシャーをかけ続けることです。

「どうですか?良い土地ありましたか?私は先週、不動産屋に3社訪問しましたよ。早く御社で良い家が建てたいんです!」という感じに。

住宅会社も複数の顧客を抱えています。自分たちの土地探しの優先度を上げてもらえるように、プレッシャーをしっかりとかけていきましょう。

⑤土地をチェック(ゴミ出しの日に行ってみる)

候補の土地が見つかったら、実際に土地を見に行きましょう。その際、生活施設(スーパー、学校など)などは当然確認すると思いますが、是非、ゴミ出しの日にも現地に行ってみてください。

ゴミ出しの日に行くべき理由は、住民に会えるからです。町の雰囲気を知るには、住民と話すのが最も効率的。

最低でも2~3人くらいの住民と話せば、どれくらいの年代の人がいるのか?車通りは?#土地さg災?自治会の活動は?あたりのリアルな情報が得られるはずです。

また、ゴミ出しには町のマナーが現れますので、そこも確認するといいですね。

住宅会社にお願いすること

冒頭に紹介した失敗パターンを回避するために、以下3つを正確に行ってもらいます。言わなくてもやってくれるとは思いますが、念のため知っておきましょう。

建築規制のチェック(仮プランの作成)
どんな規制があるのか?を調べてもらい、どんな間取りが入るのか?を確認できる仮プランを作ってもらいます。人気の土地であれば数日で結論を出さないといけないので、ここはスピード勝負で協力してもらってください。

造成費用のチェック
家を建てるために余計な費用がどれほどかかるか?を調べてもらいます。最低でも、水道市納金、水道工事費用、高低差処理費用、解体費用、敷地境界処理費用、前面道路による工事割増費用(警備員など)、あたりは調査が必要です。

価格交渉の感触探り
いくらで買付(〇〇万円なら買います!という意思表示をする書類)を出すかの最終判断は施主で行いますが、どれくらいまでなら価格交渉できそうか?の温度感を探ってもらうことはできます。

不動産屋も全て本当のことを言うわけではないので難しいのですが、感触を得ておくことは、買付金額を決める上で大切な情報となります。

まとめ

住めば都という言葉がある通り、100点満点の土地はありませんので、土地にこだわりすぎることなく、一日でも早く良い「家」をゲットして、健康的で楽しい時間を過ごしていただければと思います。

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