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第36話:縛りたければ放して、ときどき戯れる

 十人十色、千差万別、人それぞれ…そんなことばがあるのに、なぜオトコは揃いも揃って、「縛る」ことが好きで「縛られる」ことは嫌いなのか。オトコが人それぞれなのは「縛り方」だけであって、「縛られ方」は関係なく全てにおいて「縛られる」ことを嫌う生き物だなぁと思う。

オトコを縛るべからず?

 オンナが縛りたがるのは「時間」だというのが持論だ。仕事で忙しいオトコに対して、「わたしと仕事、どっちが大事なの?!」という台詞を吐くのはドラマの中だけでは無いらしい。自分と過ごす、自分に時間をかけるというのはオンナにとって愛情のバロメーターになりうるのだろう。

一方で、オトコは時間を縛られると途端に窮屈に感じるようだ。時間だけでなく、服装や付き合う人間、言動に至るまで。「自分が行うことすべて」「自分に決定権がある(と思っているもの)すべて」を縛ってはいけないらしい。彼らからしたら彼女であれ、妻であれ、最終兵器「母」でさえ、彼らを縛ることはできないのだ。

その中でもいちばん縛ってはいけないのが時間。自分が何をするのにどう使うか、口を出されるのも強要されるのも、たとえそれが自分のオンナと決めたルールであってもNG。それどころか、ルールを決めることがNG。

オトコはソロコア、オンナはクアッドコア

 そもそも、愛情の注ぎ方が違う。オトコは自分を1として、自分がエネルギーをかけるものに、自分で考えた配分でエネルギーを使う。その配分に対して「十分か否か」を考えている。その中に「オンナへの愛情」があるので、比重が軽ければかける時間も手間も少なくなる。

一方でオンナは、全部の物事に対して自分の1を置いている。10の物事があれば、自分10人分のエネルギーを使っている。もちろん「オトコへの愛情」もばっちり一人分を注ぎ込む。
「配分はしている」「比重は変えている」と口ではいうもの、それができていないオンナがほとんどだ。とくに、オトコに関しては。

オンナの要求は、オトコに対して「自分と同じだけのエネルギーの注ぎ方をしろ」というものだから、1を分けて使うオトコにとっては全部を要求されていることと同じなのだ。それじゃあオトコが嫌がるわけだ。彼らの理論からしたら、それはほかをすべて放り出すことであって、無理なのだから。

オトコはソロコア。クアッドコアと同じ働き方を求めては、彼らに酷だ。器用さや効率の良さを求めてはいけないし、容量の猶予まで求めるのは更に酷だ。

彼らにとって、役割=縛り

 付き合ったオトコは別として、そのあと片思いしてみたり、セックスした後の進展を狙った(継続したセフレなり、恋人なり)オトコにわたしがことごとく惨敗した理由はこれにあると思う。
「早く会いたい」「次はいつにする?」はオトコにのみ使うことを許された台詞なのだ。オンナが使うと可愛く聞こえる気がするが、そのオトコと関係を継続させたい・進展させたいならば使ってはいけない台詞なのだ。使うのは個人の自由だが、オトコはいっきに醒めてしまうだろうし、次の機会が遠ざかることは間違いない。

 基本的にオトコは「放牧」することが正解だし、それが成功への最短ルートなのだ。そして自分に無理のない範囲でなるべく多く、短い時間の接触を繰り返す。その時間に思い切り戯れる。これを繰り返す。
長い時間そばにいる愛情表現ももちろんあるが、それでオトコを縛ったことにはならないし自分への愛情が確約されたわけではない。縛れば縛るほどに、オトコのこころは離れていくものだ。

浮気や不倫のほうがオトコがイキイキしているのは、まさしくこの「普段は放牧状態で、接触するときはその短い時間を全力で戯れることを繰り返す」状態にあるからではないだろうか。それも、接触するという決定権は自分にあり、その時間中は自分が好きなことをしているわけだからイキイキもするだろう。

餌だけ撒いて、放っておく

 好いたオトコと一緒に過ごしたい気持ちは当たり前のものだ。だが、一緒に過ごしている正にその時間にオトコのこころが離れていっているとしたら?自分としては愛情のバロメーターであるそれが、オトコにとってはなんでもなくて、むしろそれを強要されることで愛情が減っているとしたら?

 悔しいし、悲しいし、少し腹立たしく感じることもあるが放っておく間に別のことにエネルギーを注ぐのがいちばん良いのだ。仕事でも良い、趣味でも良い。自分磨きだってもちろん良い。ただ、「あなたのためよ」という意識ではだめだし、それを伝えるなんてもってのほかだ。

オトコは様々な物事の決定権が自分にあると思っているから、もちろん「オンナを選ぶ決定権も自分にある」と思っている。「オンナが自分を選ぶように誘導している」なんてもってのほかなのだ。オトコにとって彼女とは「自分でオンナを選んだ」状態が継続されているだけなのであり、いつだって解除できる。

 オトコが自分を選んだときに満足を覚えれば、次にまた自分を選ぶ可能性は高くなる。選ばれなくなったときだって、重ねた努力は無駄にはならない。さっさと気持ちよくオトコを放牧し、その間は自分にエネルギーを注ぐというのが実は大正解なのだ。帰ってきたオトコとは存分に戯れれば良い。

縛りたければ放して、ときどき戯れる
放牧している間は自分のためにエネルギーを注ごう
オトコの理論を理解し、オンナである自分をコントロールできれば
そのオトコはむしろ自分から離れなくなる

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