AdobeStock_124314008_Preview海辺

6年ぶり再演の問題作に観客は衝撃…★劇評★【舞台=ニューヘアスタイルイズグッド(2018)】

 一見シンプルなイメージを積み上げたような作品なのに、それぞれの断片は物語の主体ではなく他者によって語られる。ある島の海の近くという舞台は設定されているものの、断片の時制や流れは微妙にずれ、容易に物語への没入を許さない。しかし、全体に流れているのは圧倒的なペーソスであり、潮風のような湿り気を帯びた感傷だ。京都に拠点を置く劇団「壁の花団」が2012年に初演し、翌年に発表される第57回岸田國士戯曲賞の最終候補作に入った水沼健の問題作「ニューヘアスタイルイズグッド」が6年ぶりに再演された。薄暗いステージの中で輪郭をあいまいにしたこの作品が逆に極めて映像的であることに観客は衝撃を受け、第三者によって主体を描くという手法が物語の伝わり方を文学的なものにしていることにも驚かされたことだろう。
 舞台「ニューヘアスタイルイズグッド」は10月19~20日に東大阪市の近畿大学東大阪キャンパス11月ホール舞台上特設ステージで、11月2~4日に東京・錦糸町のすみだパークスタジオ倉で上演された。公演はすべて終了しています。

★当ブログでは劇評の全体像は、今年4月8日以降は通常、クリエイターの作品発表型SNSサイト「note」で有料公開(通常は100~500円程度)しています。小劇場演劇に関しては、掲載から1カ月間に限ってはブログでもnoteでも無料公開としています。お約束の1カ月が経過いたしましたので、無料のブログでは序文のみ、それ以降の全体像は「note」での有料公開となり、1本200円で購入していただきます。よろしくお願いいたします。作品の魅力や前提となる設定の説明。演出や俳優の演技などに対する批評などが掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無料でお読みいただけるサービスは一部の例外をのぞいて2018年4月7日をもって終了いたしました。有料化お知らせ記事をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

★有料化お知らせ記事http://blog.livedoor.jp/andyhouse777/archives/66278893.html

★舞台「ニューヘアスタイルイズグッド」公演情報=公演はすべて終了しています。これは壁の花団の最新公演を表示するページですので、日にちが経つと次の公演に更新されます

ここから先は

1,553字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?