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【News:速報=「半沢直樹」続編にも香川照之・北大路欣也・片岡愛之助・及川光博が出演へ(2020)】

 来月4月からTBS系で放送されるドラマ「半沢直樹」の続編に、2013年に放送された前作で堺雅人が演じる主人公の銀行マン、半沢直樹が倍返しした大和田暁常務役の香川照之、そのくせものぶりに翻弄された中野渡謙頭取役の北大路欣也、おネエ言葉で強烈な印象を残した金融庁検査官の黒崎駿一役の片岡愛之助が引き続き出演することが発表された。また、今年お正月に放送された半沢直樹イヤーの幕開けを告げるスペシャルドラマ「半沢直樹II・エピソードゼロ〜狙われた半沢直樹のパスワード〜」にも半沢を演じた堺と共にちらりと姿を見せ、出演が予想されていた半沢と同期の情報通、渡真利忍役の及川光博もやはり出演する。今回の続編は、池井戸潤「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」を原作とした前作とは違い、同じく池井戸の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」を原作としているため、物語の主な舞台は前作の東京中央銀行ではなく、半沢が出向を命じられた東京セントラル証券。このことから東京中央銀行の面々は出演しない可能性もあり、前作のファンは出演の発表が放送開始前月になってもないことにやきもきしていた。香川の演じる大和田は原作の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」には登場しないため、今回の出演決定は制作陣の狙いが隠されているとみられ、どのように登場するか注目される。(写真はドラマ「半沢直樹」とは関係ありません。イメージです)

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 4人はTBSを通じてコメントを発表しているが、当ブログに全文掲載する権限はないので、スポーツ新聞のホームページなどでお読みください。
★スポーツニッポンの当該ページ=4人のコメント全文を掲載しています

 4人がどのように物語に絡んでくるのかは明らかにされていないが、香川はコメントの中で「初回のファーストシーンで度肝を抜かれると思います(笑)。見るべき、だと思います」と意味深な予告をしており、少なくとも香川演じる大和田に関しては初回の冒頭から登場するようだ。

 今回の続編は、脚本がTBSの「下町ロケット」続編や「小さな巨人」などで知られる丑尾健太郎(前回は八津弘幸)。演出が福澤克雄ほか。プロデューサーが伊與田英徳ほか、と発表されている。

 前回の「半沢直樹」を説明しておこう。
 半沢直樹(堺雅人)はバブル経済末期に入行し、その後バブル崩壊、金融危機などを経て、銀行の中核的存在になりつつあった。東京中央銀行大阪西支店の融資課長となった半沢は順調な業務を続けていたが、浅野支店長(石丸幹二)から西大阪スチールという新規の企業に融資するよう命じられる。十分な審査をする時間もなく不安な半沢だが、浅野支店長は、最優良支店の称号を得て、もともといた本店に有利な条件で戻ろうと画策していたのだ。
 「責任をとるから」という浅野の言葉を信じて融資を実行したが、まもなく西大阪スチールは倒産。粉飾決算の疑いが浮上したが、西大阪スチール社長の東田(宇梶剛士)ら幹部は雲隠れ。浅野支店長は責任をすべて半沢になすりつけようとする。
 腐りきった上司たち。東田の行方もようとして知れない。同期の渡真利(及川光博)や近藤(滝藤賢一)のアドバイスや妻の花(上戸彩)の励ましにも助けられながら、半沢は反抗を開始する。
 はたして、一介の銀行マンという立場で、これだけの悪に立ち向かえるのか。2つの銀行が合併した東京中央銀行の派閥争いの暗闘や上層部の思惑にももみくちゃにされながら、半沢の長く孤独な闘いが始まる。そんなドラマだった。

 2013年7月から9月にかけての夏クールに放送され、2013年7月7日に放送された初回2時間スペシャルは19.4%という高い視聴率をたたき出した。以降も21.8%、22.9%、27.6%、29.0%、29.0%、30.0%、32.9%、35.9%と、平均視聴率がほとんどすべて右肩上がり。9月22日夜に放送された最終回はとうとう40%台に突入し、最終的に42.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した
 観光など現実的な経済効果は同時期に放送を終えた「あまちゃん」ほどではないにしても、サラリーマンや銀行マン、就活生、経営者、中小企業関係者に大きな心理的影響を残したのが、「半沢直樹」だ。最終的に1983年の「積木くずし」が持つ45.3%は超えられなかったが、2年前に記録された「家政婦のミタ」最終回の40.0%は軽く超えた。21世紀のドラマでは文句なしのトップだ。しかも、物語の前半の舞台となった関西地区では45.5%に達し、関西地区の歴代最高記録を塗り替えている。
 まさしく「半沢直樹」は社会現象となり、米国の経済誌が特集を組んだことも話題になった。

 なお当ブログ「SEVEN HEARTS」では、放送中から11回にわたって「半沢直樹」のドラマ批評や関連ニュースを掲載してきた。特に「半沢直樹」がなぜあれほどの人気を獲得し、人々の記憶やテレビ界の記録に残ることになったのかを主にキャスティングや撮影手法、ドラマトゥルギーなどを中心に詳細に分析した記事は、国内だけでなく、米国やアジア、ヨーロッパ各国からアクセスが相次いだ。英語サイトや中国語サイトからのアクセスが多く、どのように私の日本語の文章を読み解いたのかは不明だが、場面写真を載せていたわけでもない私の記事や批評が大きな注目を浴びたことは、このドラマを通じて日本社会や日本人を理解しようとする海外のファンや研究者がいかに多かったかを物語っているだろう。
 私がヒットの要因として挙げたのは、単なる正義漢ではなく、戦略性と柔軟性を併せ持ち、いい意味で裏表のある半沢のキャラクター、女性の描き方と物語上の役割の現代性といったキャラクターデザインの見事さとそれの物語への絡まり方の秀逸さだ。そして、映像面ではアップの多用、天気など象徴的なシーン同士をリンクさせる巧みさ、サスペンス性を高めるフェイクつなぎ、従来の経済ドラマにはないハイテンポな展開などなど。直接顔を撮らず、手や背中だけで感情を表現するなど、映像の魔術があちこちに隠されていた。
 そしてその後の日本のドラマ界を変えたとも言えるのが、テレビドラマには珍しい演劇人、舞台俳優の大量起用だ。知名度は関係なく、確かな演技ができる人だけを集め、このドラマをきっかけにブレークしたり、テレビへの出演の頻度を増やしたりした俳優も続出。表面的な浮ついた演技が目立つテレビドラマ俳優への強烈なアンチテーゼとなったことも記憶に新しい。
こうした分析を放送期間中、3回にわたって展開。大きな反響を得た。

 下にそれらの記事へのリンクを貼っておきます。劇評とは違い全文無料でお読みいただけます。「半沢直樹」続編試聴前の予習として、あるいは前作の復習のためにもお役立てください。なお、今回の記事と一部重複する部分があることはご了承ください。

★阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」「半沢直樹」ドラマ評 その1=2013.07.11投稿

★阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」「半沢直樹」ドラマ評 その2=2013.08.29投稿

★阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」「半沢直樹」ドラマ評 その3=2013.09.28投稿

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