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一瞬の瞬きのような祝祭的空間の歓びと深い哀しみがない交ぜになった世界観は作品を特別なものにしている…★劇評★【ミュージカル=ダンス オブ ヴァンパイア(山口祐一郎・神田沙也加・東啓介・佐藤洋介出演回)(2019)】

 人間の血がなければ生きていけないヴァンパイア(吸血鬼)と、血がなければそもそも生きていけない人間。双方が共生できる世界などこの地上には存在しないが、唯一、このミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」が演じられている劇場の中だけは別空間だ。ここではまるで双方を隔てる壁あるいは双方の間に広がる溝を称えるかのように、一瞬の瞬きのような祝祭的空間が繰り広げられる。そしてその底辺にどうしようもなく広がるのは深い哀しみの感情だ。宿命的な運命を呪いつつも、それを超えたところにある夢幻の恍惚。永遠を生きるとはそういうことだと分からせてくれる山口祐一郎のこの世のものとは思えない絶対的オーラとともに、その歓びと哀しみがないまぜになった世界観は、この作品を特別なものにしてくれている。演出は山田和也。(写真はミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」とは関係ありません)
 ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」は、11月5日~27日に東京・丸の内の帝国劇場で、12月15~21日に名古屋市の御園座で、2020年1月1~7日に福岡市の博多座で、1月13~20日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで上演される。

 なお、本作はヒロインのサラ役とヴァンパイア研究者の助手のアルフレート役、ヴァンパイアダンサー役がダブルキャストであるため、さまざまな組み合わせが組まれていますが、取材機会の関係で劇評を掲載するのは、「ダンス オブ ヴァンパイア(山口祐一郎・神田沙也加・東啓介・佐藤洋介出演回)」に限らせていただきます。ご了承ください。
 この組み合わせではカバーできない桜井玲香さん(サラ役)と相葉裕樹さん(アルフレート役)、森山開次さん(ヴァンパイアダンサー役)のファンの皆さま方には大変心苦しく感じております。超人気公演のため取材機会も限られます。なにとぞご容赦ください。

舞台写真はこのサイトではなく、阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でのみ掲載しています。舞台写真をご覧になりたい方は下記のリンクでブログに飛んでください。
★「SEVEN HEARTS」のミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」劇評ページ

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★ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」公演情報

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