見出し画像

未来展望委員会は「戦略とはなに?」を考えました

「戦略って、どういう意味か、分かりますか?」

摂津倉庫女子社員4名と社会文化研究家の池永先生で、未来社会を展望して、これからの会社のありたい姿を考える摂津倉庫未来展望委員会は、10回目となりました

摂津倉庫未来展望委員会をどうして設立されたのですか?との質問があるので、未来展望委員会メンバーからご説明します。
摂津倉庫が創業60年を迎えるにあたり、過去と現在と未来をつなぐ「創業60年記念誌」を編纂するため、未来社会を展望することになりました。
人口減少、少子高齢社会、人手不足、失われた30年などコロナ禍前からの構造変化、コロナ禍を契機とした日本社会の構造変化、ウクライナ紛争などの世界秩序の構造変化などが複合され変化していく未来社会に、私たちはどう向き合い、どう行動していけばいいのか?未来社会に向けた会社の戦略を考えるため、摂津倉庫女子社員4名と社会文化研究家の池永先生との未来展望委員会が発足しました

摂津倉庫未来展望委員会
©IKENAGA.HIROAKI

1 戦略が好きな日本人

「本日は、戦略について考えていきます。戦略という言葉で、なにを思い浮かべますか?」

「会社では、戦略という言葉をよく聴きます。経営戦略、企業戦略、マーケティング戦略、サービス戦略、イノベーション、環境戦略、投資戦略、不動産戦略、起業戦略…もっとありそうです」
「新聞や雑誌や書物や講演会やイベントも戦略だらけ」
「戦略という2文字をつけたら、なんとなく締まるような気がします」
「戦略って、本当に目につきますね、どういう意味なんでしょうか?」
未来展望委員会メンバーは、戦略という言葉をあげました

摂津倉庫未来展望委員会

「日本人は『戦略』が好きで、このような概念言葉を使うときは、『意味』をおさえることが鉄則ですが、日本人は曖昧にして雰囲気で使いがちです」

摂津倉庫未来展望委員会

「なんとなく、陸軍・海軍・空軍、戦争で使われる言葉だと感じていました」
「だます、はかる、かすめとる…という意味の戦略なのに、なぜ日本人が好きなんですか?」

摂津倉庫未来展望委員会

「戦略という言葉の語源はこれです。戦略によく似た「作戦」という言葉とあわせて、意味を考えていきましょう」

戦略とは、戦いの前と戦いが進むなかで“今、右か左のどちらを選ぶか”を決めること。戦いのなかで生き残るため、勝つためになにをどうするのかを考えること。一方、作戦は、戦う前に考える。“いつか、こんな社会になる” “いつか、わたしはこうなりたい”というのが作戦です

「戦いが始まる前に考えるのが『作戦』で、『戦略』とは戦っている状態で考えることなんですね」

摂津倉庫未来展望委員会

2 戦略は、どうしよう?こうする!を繰返してゴールにたどりつく

「課題と問題という言葉も似ていますが、意味が違います。“いつかこうなる、こうしたい”が『課題』で、“今、どうするか”が 『問題』です」

©摂津倉庫未来展望委員会

「そうか、問答といいますね。問われた問いに答えを出すから、問答なんですね」

摂津倉庫未来展望委員会

「この問題と戦略とは関係があります。次の図で説明します

©IKENAGA.HIROAKI

現場ではいろいろな問題が発生します。発生する問題ごとに、答えを出していきます。答えを出したら、“電車”は動き出す。しかしながら、“電車”は、そのままスムーズにゴールに到着できるとは限りません。ゴールにつくまでに、様々な問題がおこります。そのたびごとに
“あれ、どうする?”“これ、どうする?” 
という問題に答えを出して、ゴールに導いていくことが戦略です。スタートしたらゴールにたどりつかせるのが戦略です」

「なるほどですね。会社では、いろいろな問題がおこり、そのたびごとに、問題への対応をします。しかし大事なのはゴールにたどりつくことですね」

摂津倉庫未来展望委員会
©ikenaga.hiroaki

「戦略をタクシーで説明します。お客さまを、安全に、目的地=ゴールにお届けするのが「課題」です。“あっちを右に” 、“こっちを左に”、 “急いで” “そこで止まって”という、いろいろなお客さまの注文に応えて、ゴールにたどり着かなければなりません」

「タクシードライバーさんって、極めて『戦略的』なんですね」

摂津倉庫未来展望委員会

「目的地までに発生する数々の問題に答えを出すごとに、局面が変わる。この道だと思って進んでいたら、熊が出てきたので別の道を行く。すると今度は虎が出てきた。また別の道を選ぶ。このように当初に考えた通りには現実はいきません

このように現場では次々と局面が変わる。その局面ごとに、なにがおこっているかをつかみ、分析して、考えて、実行する。現場では、いっぱいの「どうしよう?」が発生し、問題ごとに「こうする」と答えを出し、動きつづかなければ、ゴールにたどりつかねばなりません」

©摂津倉庫未来展望委員会

3 戦略とは、ゴールにたどりつき、勝つためのもの

「戦略は、言葉を換えていうならば、ゴールをたぐり寄せる問題解決の連続的プロセスの全体ともいえます」

「戦略とは、ゴールをたぐり寄せる問題解決の連続的プロセスの全体ですか?難しいですね」

摂津倉庫未来展望委員会

「たとえば経営コンサルタントが、『これをこうしたら勝てる、うまくいく、儲かる』といったりします。しかし『これをこうしたら、絶対に勝てる、必ずうまくいく』といった成功方程式はありません。当初考えたとおりにならなかったり、予想外の局面になったりします。そのときどうする?そうならなかったときどうする?このように軌道修正しつづけて、ゴールにたどりつくという問題解決を連続的におこなっていかねばなりません」

©摂津倉庫未来展望委員会

「『私が考えた戦略は良かったけど、 あなたがうまくやらなかったから、ダメだった』と言う人がいます。しかし本当の戦略とは、知識だけではない、誰かが考えた理論や枠組みや公式でもありません。戦略とはゴールにたどりついて、必ず勝つためのものです。『わたしはすごい戦略を考えた。実行するのはあなた』ではゴールにはたどりつきません」

©摂津倉庫未来展望委員会

「本日の委員会をまとめます。
進んでいくなかで、刻々と発生する様々な状況をつかみ、そのたびごとに判断をおこない、答えを出しつづける。それがソリューション、戦術です。
術(すべ)とは、現場の経験にもとづいて身につける技術のことです。戦術をもって、一連の問題解決をおこない、試行錯誤しながら、ゴールにたどりつく全体プロセスが戦略です。本日の未来展望委員会は、これで終わります」

「考えるのは私、実行するも私」ということですね。肝に銘じます。何気なく使っていた戦略の意味が分かりました。本日もありがとうございました」

摂津倉庫未来展望委員会

【ご連絡】 
池永先生にご指導いただき、摂津倉庫グループ若手社員中心に作成した「コロナ禍後社会を考えるー未来展望・2030年社会はどうなる?」冊子をご希望の方は、当社にご連絡ください
【摂津倉庫 広報室 (kouhou@settsu-soko.co.jp)まで】

次回の第11回「note摂津倉庫未来展望委員会」は、来週10月29日(火)に配信させていただきます


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?