しえとみ

人生に焦っている。

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  • ナミビア旅行記

  • 自分で気に入ってる文

    書いた文、全部好きやけど。その中でもレスポンスが多かったものたち。

  • 映画・ドラマ関係

    映像コンテンツのレビュー的な、まとめ的な

最近の記事

失恋

ガリ、ゴリ、ジャリジャリジャリジャリ… 薄暗い教室に響く粉砕音。 窓の外は曇りで、じっとりと湿気がワイシャツにまとわりつく。 ああ、なんて不気味な放課後。 ゴリっゴリっ。ごくん。 僕は目の前で不快な音を立てる男を見つめ、大きくため息をついた。 「で、今度は何してるわけ」 「ん?」 男は顔を上げるが、すぐに辛そうに目を細めた。 「いててて!頭キーンてきた!」 両手にガリガリ君を持ったまま、ゴミだらけの机に突っ伏す男。 クシャリと青色のパッケージがおでこの下で潰れた

    • ナミビア旅①〜餓死寸前の入国編〜

      大地にひびが入っている、 ように見えたのだ。 「エチオピア航空をご利用頂き、誠にありがとうございました」 片言の英語で告げられたアナウンスに窓から外に目を下ろす。 そこには果てのない大地が広がっていた。 赤と緑を混ぜ合わせたような色の地面に、白い直線が走っている。 どうやって道路を敷いているのか、方法は分からないが、縦横無尽に伸びる直線。 見るからに乾燥した空気。 まるで地球の表層がひび割れているような感覚に陥った。 アフリカ大陸の南、ナミビア。 ついに私たちは来た

      • ナミビア旅の詳細情報

        ●飛行機 【エチオピア航空】 行き:成田⇨バンコク⇨アディスアベバ⇨ウィントフック 帰り:ウィントフック⇨アディスアベバ⇨成田 約160000円 ●ツアー Wild Dog Safari の7日間のキャンプツアー 約71500円 https://www.tourradar.com/t/125656 ●宿 カメレオンバックーパッカーズホテル 一泊約5300円 https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g293821-d303084-Re

        • 23歳がガチで考えた100万円でやりたい事

          前澤元ZOZO社長が100万円を配っていた。 リスクはほぼゼロ。 減るのはアカウントの信用と運だけ。 手軽さと話題性から私も参加してみたものの、 やはり当たる訳は無く。 お昼休みの時間を僅かに潰しただけだった。 …無念。 あのツイートを目にした人は、必ず考えてしまうだろう。 「100万円あったら何したい?」 リツイートした約500万人の中の、いったいどれだけの人がそのお金の使い方を具体的に考えているんだろう。 生活費、新事業立ち上げ資金、通院費、寄付、投資、娯楽et

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          もっと日常にドレスを

          みなさん。 ドレス着たくないですか?? レースがふんだんにあしらわれて、 くびれがキュッとしてて、 背中が大胆に開けてて、 ハイヒールがチラッと見える そんなドレスを。 これ、全部2万円いかないんですよ。 楽天ですぐ買えちゃうんですよ。 サイズもカラバリも豊富なんですよ。 もう買うしかなくない?? あ〜〜〜毎日ドレスパーティーしたい。 仕事終わりにトイレで着替えて、 上司の文句いいながら口紅塗り直したい。 そんで夜景の綺麗な屋上で、シャンパンとか傾けたい。 盛り上

          もっと日常にドレスを

          ジェンダーレス社会で生きるのって実際めっちゃムズない?

          ジェンダーの壁が薄くなってきているのを感じる。 同性愛、LGBTなどの言葉はもはや常識で、 日々の暮らし方や振る舞いにおいて 社会全体で性別の有無を重視しなくなった。 メディアにも嫌味なく露出するようになり、多様な性が認められている。 (この「嫌味なく」というのは、 いわゆる「誰も傷つかない笑い」のようなニュアンスだ。) ジェンダーの壁は確実に薄くなっている。 一概に良い悪いで分けれる話題ではない。 センシティブで、軽く昇華できにくい。 私には、男の子になりたかった

          ジェンダーレス社会で生きるのって実際めっちゃムズない?

          クリスマスクリスマスってうるせぇんだよなぁ!!

          デブの赤いおっさんが家に入ってくる文化なんて日本に根付くと思うか普通? 基本成人体形が痩せ形で鼻が低くて表情の変化が乏しい、マンション住まいの日本人がよぉ。 HoHoHoて朗らかに笑って、目も鼻も体もでっかい白髪おじさんが煙突から家に入るなんてファンタジー、 なんで浸透したんだよ、マジで。 それを上手いこと「恋人だちの」なんて冠言葉つけて町中キラキラさせやがって。 ボーナスを狙ったかのようにプレゼントを売り出して、赤と緑でアピールして。 事あるごとにでっかいツリー

          クリスマスクリスマスってうるせぇんだよなぁ!!

          行きます、ナミビア。

          ナミビア行きの飛行機をとった。 ついに飛び立つのだ。 この狭い1Kの部屋から、 アフリカ大陸の端っこへ。 なんだか実感が無い。 12月が慌ただしく過ぎていくと共に グングンと近づいてくる出発日。 今はつまらない日常を楽しもう。 その分、非日常が輝く。 「ナミビアってどこ?」 「何があるの」 「アフリカ好きなん?」 「ラグビーのイメージしか無いなぁ」 そんな言葉をかけられる。 …いや、何があるかとか知らんがな。 世界の歩き方で3ページしか特集されてへん国やぞ。 こ

          行きます、ナミビア。

          人の好意を当然だと思うな

          自分への戒めだ。 「人の好意を当然だと思うな。」 人が人を気にかけるには、必ず理由がある。 外見や中身関係なく、 どこか惹かれるものがあるからだ。 その人の持つ魅力。 例えば「話が面白い」であったり、 「顔が可愛い」「仕事ができる」「癒される」 「楽しい」「嬉しい」「自然体でいれる」 理由は様々だ。 人の数だけ魅力がある。 そして、それに惹かれた人間は、自分の中の容量をその人の魅力に割いているのだ。 時間を割く。 お金を割く。 気持ちを割く。 動機は一概に「好意

          人の好意を当然だと思うな

          うんこ行ったら蝶が羽化した話

          そういう人生なんだろう、きっと。 肝心な所でうんこしたくなる。 大切なものをうんこで逃す人生。 嗚呼、うんこ人生。 小学生の頃。 夏休みの宿題だったと思う。 理科の虫の観察。 結構な田舎に住んでいたから、その辺のミカン畑から小さな緑のイモムシを見つけるのは簡単だった。 それをまた緑の虫かごに入れて。 緑のイモムシが緑のキャベツをむしむしと食べるのをじっと見ていた。 捕まえてから、2週間ぐらい経った頃だろうか。 台風前の、薄暗くて風の強い夕方だった。 窓から見える

          うんこ行ったら蝶が羽化した話

          ファンタジーに浸っていたいのさ僕ら

          人間の脳には、0から1を生み出す能力をもつ部位があるらしい。 簡単に言えば、想像を司る脳器官。 眼球の奥に位置する前頭葉の少し下。 例えば、 見たこともない景色が夢の中に現れたり。 ふと知りもしない曲を口ずさんだり。 そういった行動は、全てその脳の一部が引き起こしている現象なんだと。 いつからか空想をやめてしまった。 脳が死んでしまったのだ。 幼い頃は、空想ばかりしていた。 夕暮れ時に「あちら」と繋がる鏡。 決まった順番に押し込むと秘密の道が現れるブロック塀。 夜に

          ファンタジーに浸っていたいのさ僕ら

          大阪の図書館は基本治安悪いからな

          目の前に巨大な本棚が現れ、 自分の欲望が分からなくなった。 無性に本が読みたくなって、仕事終わりに図書館に足を向けた。 換気の悪い空気と妙に静かな空間。 嫌いではない。 さぁ何を借りようかと館内を見回す。 とりあえず最近の小説や、世界の旅行記、話題になったエッセイなどを目で追う。 手にとってペラペラめくり、また棚に戻す。 ブラブラ歩いて、背表紙を眺める。 そんなこんなであっという間に30分過ぎた。 …どれを借りたらいいか分からない。 本棚の前で呆然と立ち尽くしてしまっ

          大阪の図書館は基本治安悪いからな

          偶像崇拝とその実在性〜的場梨沙に声がついた日〜

          コインランドリーの巨大乾燥機が回るのを見ながらこれを書いている。 ガラスの円の中を、抗うこともできず揉みくちゃにされる洗濯物たち。 それをじっと見つめる1人の女。 汚い街の片隅には誰も目を向けない。 だが、もしその人物が「アイドル」だとしたら? 一気に景色は変わる。 大きめのパーカーに身を包み、いつもはツインテールにしている髪の毛をキャップに押し込んでいる女性。 もちろん顔には大きめのマスク。 自分の出演する劇場から3駅ほど離れた、静かな住宅街。 「仕事」が無い日は、

          偶像崇拝とその実在性〜的場梨沙に声がついた日〜

          デザインかっこよすぎんか「MIYAKO HOTEL HAKATA」

          いかにも変形しそうなビルとか大好きだ。 変なデザインだったり、 妙にギラついてたり、 規則的な不規則があったり。 昔から今もなお、ロボットとか戦車とか、そういうメカニカルな物を見るのが私は大好きだ。 先日博多に旅行に行った際、思わず目を惹かれたガラス張りの立方体。 「MIYAKO HOTEL HAKATA」 めちゃくちゃかっこいい!! 端っこ欠けてる!! キラキラしてる!! 屋上に木が生えて滝流れてる!! まじで興奮した。 なんか「核〜コア〜」感がすごない? 端

          デザインかっこよすぎんか「MIYAKO HOTEL HAKATA」

          人生で初めて落語を観に行った話

          大阪天満宮のお膝元。 妙に愉快でどぎつい3文字。 「繁昌亭」 私は寄席に上方落語を観に行った。 結局、古くから現代まで残っているものって歴史と理論に基づいて、既に完成されているんだと思う。 非の打ち所がないというか。 手の施しようがないというか。 100人いたら99人が高評価を押しちゃうような、人間の根幹に訴えかける面白味。 伝統芸能って、そういう「人間の気持ちのいい」物事の集合体が、磨きに磨き上げられて研鑚され続けた結果なんだと。 改めてそう感じた。 スイッチ

          人生で初めて落語を観に行った話

          一週間ごとにプレイリストを更新しなければ死ぬ

          私の生活には音楽がつきまとっている。 欠かせない。 もはや空気と一緒だ。 無かったら死ぬ。 先月、Bluetoothイヤホンが壊れた時なんかまさに地獄だった。 大嫌いな地下鉄に音楽無しで30分。 現代の拷問か。 まぁ寝て起きたら目的地着いてたけど。 とにかく私には、音楽が必要なのだ。 朝起きてメイクをする。 BGMはビヨンセ。 自転車で出勤。 今朝は崎山蒼志。 職場でデータ入力中にこっそり。 電気グルーヴ。 お昼休みに半分寝ながら。 星野源。 疲れた帰り道。 夜

          一週間ごとにプレイリストを更新しなければ死ぬ