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ぬいぐるみが好きな理由

感情がないぬいぐるみ。本当は顔がついているから、心があると信じている。だけど物質であるから感情がないととらえられるのが一般的な解釈。その前提で話すと、ぬいぐるみは感情がないし、それゆえ、言葉を発しないから、勝手にこちらが、どんな感情を持っていて、どんなキャラクターなのかを想像することができる。

飼い主、持ち主のエゴではあるけれど、ぬいぐるみに癒される人が多いのは、それらが穏やかで優しい雰囲気を醸し出していて、それがあたかも人のぬくもりのようなものに近いと、安堵するからではないだろうか。

優しい感情があると思えるし、会話や言葉の発出によりそれが否定されない点が、ぬいぐるみの大きなポイントだと思う。たとえば、小さな子供を可愛いと思っても、その子が兄弟姉妹や友達にマウントをとっていたり、高圧的だったり挑発的なことを言っていたら、やっぱり人間なんだなと思ってしまう。私は子供が無条件に潔白な精神を持っていると思っていないし、学校教育によって精神が濁ると思っているから、この思考はとても根強い。

だから言葉を発する年齢になると、子供を可愛いと思う気持ちが弱まっていき、逆に、本能のままになんでも言える生き物への恐怖心に代わっていく。

ぬいぐるみは、言葉を発しないし、機嫌が変動しないから、こうした危機感を覚えることがなく、だからこそ、安心して関わることができる。レスポンスがないけれども、レスポンスは特に重要ではないから、ただ優しい顔をしてくれれば十分なのである。

私が子供をまったくほしがらないけど、ぬいぐるみを可愛がるのはそこなのだろう。子供より小動物が好きな人も、もしかしたら似たような理由があるかもしれない。人の機嫌が怖いのだ。機嫌の変動や感情移入がないものには、警戒心を持たずに関わることができる。私がHSP気質なことも影響しているかもしれない。


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