なんでコインハイブ事件が有罪だとヤバイの?人のPCでお金儲けしてたんだから有罪でしょ!って人に簡単に説明する ver 0.22

今技術者界隈で大炎上しているコインハイブの有罪判決問題ですが、直感的に「違法なのでは?」と感じる人が多いようなのでなんでこんなにみんな大騒ぎしているのか簡単に説明したいと思います

注意:僕の法律知識はLv3くらいなので、僕よりもっと詳しいはてぶやnote、Twitterにいらっしゃるような「法律にもITにも詳しい先生方」による、もっとずっと分かりやすく正確な記事が出るまでのつなぎくらいの気持ちで読んでもらえると嬉しいです。というか、専門家の人早く一般向けの記事を出して下さい


大前提としてIT技術者の中でも「2020年の今の段階でコインハイブの無許可マイニングは違法/もしくはそれに近いのではないか?」と考える人が大半だと思います。「???みんな有罪はありえないって言ってるじゃん」と思った方も多いと思いますので詳しく説明します


追記: 法律に詳しい人達との意見の食い違いの原因が理解できたので、がっつり削って技術者サイドが恐れている事に絞り出来るだけ分かりやすく書いてみました「そんなんお前らの杞憂だぜ!裁判官はこう言ってるんだぜ!」という知識をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非記事を公開して下さい、本当に本当にお願いします

追記:「俺はIT技術者だけどお前とは考え方が違う!一緒にするな!」という突っ込みを何人かからもらいました。この文章の中で書いた「技術者は」「IT技術者は」といった言葉は「全てのIT技術者は」という意味ではなく「一定数のIT技術者は」と読み替えて頂ければ幸いです(全ての技術者が全く同じような意見を持っているなんて思ってませんよ念の為

※この記事は「コインハイブ」が何かを理解しなくても読めるようにしています


1.無許諾のコインハイブが問題なのは妥当だけどいきなり逮捕は行き過ぎじゃない?

今回殆どの人に共通している気持ちはこちらだと思います

今回の事件では誰か被害にあった人がいて、その人が警察に被害届けを出した〜という事ではなく「このサイトはウイルスを保管している!」と警察のサイバー課の捜査によって取り締まられたという事件です


今回有罪になったwebデザイナーのMさんがひっかかった法律は「不正指令電磁的記録に関する罪」いわゆる「コンピュータ・ウイルスに関する罪」ですが条文はこちら

(不正指令電磁的記録作成等)
第168条の2 正当な理由がないのに,人の電子計算機における実行の用に供する目的で,次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し,又は提供した者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

一 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
(略)

ちょっと分かりづらいですが、これ「コンピュータウイルスをどうにかしよう!」という目的で2011年に制定された法律で、警視庁のHP等でもその旨が確認できます

ダウンロード (36)

この法律の保護法益(=何を守りたくてこの法律を作ったのか)は「コンピュータープログラムの社会一般の信頼性」です

「コンピュータウイルスだけ」ということではなく、一般に存在する全てのプログラムに対して「不正指令」かどうかがポイントになります

大事なのは「不正な指令」を与える、「意図にそうべき動作をさせず」という2点で、ここからはそれぞれを「不正性」「反意図性」と呼んで説明します


さて、この法律ですが実は制定前からかなり荒れてました。「解釈できる範囲が広すぎる」ため「拡大解釈すればどんなプログラムも違法になり得る」というつっこみが非常に多くの人からされていました

その結果、参議院法務委員会よりこのような附帯決議が出ています

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである

一 不正指令電磁的記録に関する罪(刑法第十九章の二)における「人の電子計算機における実行の用に供する目的」とは、単に他人の電子計算機において電磁的記録を実行する目的ではなく、人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせない電磁的記録であるなど当該電磁的記録が不正指令電磁記録であることを認識認容しつつ実行する目的であることなど同罪の構成要件の意義を周知徹底することに努めること、また、その捜査等に当たっては、憲法の保障する表現の自由を踏まえ、ソフトウエアの開発や流通等に対して影響が生じることのないよう、適切な運用に努めること。
(略)

ざっくりまとめると

ちゃんと何がダメかを徹底的に周知して、憲法の保証する表現の自由を踏まえて、プログラムの開発や流通に影響が無いようにしてね


ってことです






全然守られてないやんけ!!!

というのがみんなのツッコミどころです



この附帯決議を受けて法務省からこんな資料が出ています

この資料によると

・反意図性
・不正性
に+して、自身に違法性があるかどうかの「認知」があったかどうかというのがポイントとされています

もっとも,不正指令電磁的記録に関する罪が成立し得るのは,その
プログラムが不正指令電磁的記録であることを認識した時点以降に行
った行為に限られ,それより前の時点で行った行為についてはこれら
の罪は成立しない

要は「そのプログラムが不正指令電磁的記録(コンピュータウイルスっぽい)」と認識した時点以降に使ったらアウトだよ。気づく前の行動はセーフだよ

ということです。それ自体がウイルスだったとしても、本人がウイルスだと分かっていたかという違法性に対する「認知の有無」が1つのポイントになっているわけです


さて、なんでここまで「コンピューターウイルス罪」という名称を用いていたかですが、法務省の資料でも、警察の資料でも「コンピューター・ウイルスに関する罪」という名称が非常に多く使われていて、一般人の理解としては「コンピューターウイルスを規制するものなんだ」となっていたためです


今回webデザイナーのMさんが導入した「コインハイブ」というものは全く新しい概念、技術で当時は発表からたったの10日ほどしかたっておらず

「どう考えてもその時点で『コインハイブがコンピュータウイルス作成罪にひっかかる』と判断するのは無理」だと言えますし、実際にコインハイブがコンピュータウイルスかどうか?と聞かれた時に「コンピュータウイルスである」と答える技術者は一人もいないと思います

これは技術者だけでなく国(通商産業省)が出している「コンピュータウイルス」の定義からもそれがわかります

ダウンロード (35)

※コンピュータウイルスが何かはこのように定義されていますが、コインハイブは自己伝染もせず、潜伏もせず、発病もしません

あと、「不正指令電磁的記録に関する罪」であって「コンピュータウイルスを規定しているわけではない」というつっこみもよく見られますが

上にも書いてある通り「コンピュータウイルス罪」としてこの法律は広く知られているため「一般的にコンピュータウイルスと判断できるもの以外がこの法律に引っかかると事前に判断する」のははっきり言って無理に等しいと思いますし、上に書いたようにそれは「違法性の認知の有無」にかなり影響を与えると思います


実際に「コインハイブは違法かもよ?」という指摘がメディアなどでされたのは「2017年12/10の日経電子版の記事が最初」だと言われていますので被告が設置した「2017年9月末」時点で「コインハイブの設置は違法」だと気づくことはまず出来ません

日本でも多分100人くらいは試していると思いますし、間違いなく断言しますが「試した人全員が違法だという認識はなかったはず」です

だから無罪になった地裁判決では

当時のインターネットユーザ間の評価は賛否両論に分かれていたこと、閲覧者の同意を得ないでマイニングを行うことに関し、捜査当局などの公的機関による事前の注意喚起や警告などもない中で、いきなり刑事罰に問うのは行き過ぎの感を免れない

簡単に言うと

「これ当時賛否両論って感じだったのに、Mさん自身が「コインハイブは確実に違法だわ」って認識できた可能性はあった?無いでしょ?警察が発表してたわけでも、どっかの報道機関が「コインハイブは違法です」って広報してたわけでもないのに。それで逮捕?君たちやりすぎだよ」

という感じで「認知の有無」の点で「無罪」が言い渡されています


つまり「コインハイブの設置が違法だと認識できたかどうか」について地裁判決では否定している形です


それが高裁では

不正性のあるプログラムかどうかは、その機能を中心に考えるべきであり、捜査当局の注意喚起の有無によって、不正性が左右されるものではない(略)
しかしながら、本件は、被告人が、閲覧者の同意なくマイニングさせていることに関する指摘を受けた後の保管行為が起訴されている事案であり(略)同意なくマイニングさせることに関する否定的な意見を知った上で(略)プログラムコードの保管をしたことが明らかであって(略)

ちょっと難しい言い回しなのですが簡単に言うと


Mさん、君さTwitterで「ユーザーの同意なくCoinhive を動かすのは極めてグレーな行為な気がするのですが」って一回つっこみ受けたでしょ?

君は「個人的にグレーとの認識はありませんが(略), ユーザーへの同意を取る方向で検討させていただきます。」って返したよね?

ユーザーから指摘を受けたって事はその時点で違法だって君は気付いてるんだよ。警察が周知してたか?関係ないない。罪は罪だもん。本人が知ってたかなんて関係ないよ


という感じの判決に180度ひっくり返ってます。さて、参議院法務委員会の附帯決議を見てみましょう

ちゃんと何がダメかを徹底的に周知して、憲法の保証する表現の自由を踏まえて、プログラムの開発や流通に影響が無いようにしてね


守られてないやんけ!!!!!


と、そんな風にみんな感じてるわけです

もう一回言いますが、2017年当時「コインハイブが違法だと思って設置した人は一人もいなかった」と断言できます。ちなみにこれについては国会でも罪刑法定主義とは一体?参議院法務委員会の附帯決議の意味分かってる?というつっこみが入っているので興味ある人は調べてみて下さい

見てもらうと分かる通り「グレーでは?」というつっこみを受けた際に「グレーとの認識はない」明確に否定を返しているのに、この返答が「被告は法律違反であると認識している証拠だ」と言われるのは腑に落ちないというかちょっとどうなんだろうと思ってしまいます


例えば今後知らないうちに「動画広告も違法」とか「アクセス解析も違法」とか判断が拡大解釈されて行って

「動画広告ってグレーじゃない?」「いや、みんな使ってるしグレーじゃないと思うよ」って返したその発言が「あなたは違法性を認識していた証拠」と判断される

あまりにもめちゃくちゃに感じませんか?


他の事件と比べても意味がないのは分かっていますが「風営法改正後に飲食店で無許可でダンスをさせていた問題」や「児童ポルノ禁止法制定後に正規品の児童ポルノを所持していた問題」等、他の同様事案と比べても(大体の事件で、周知→警告→逮捕の手順を踏んでいる)、拡大解釈を用いて警告も無しで一発アウトというのはいくらなんでも行き過ぎなのではないかと感じる人が非常に多いわけです


あと、一応書いておきますが「法律にもっとも詳しい裁判官が有罪って言ってるのにお前らみたいな無知なIT技術者がそれに反論してるのはおかしい」という旨のつっこみ絶対くると思います

"その”法律にもっとも詳しい裁判官が地裁で無罪を出しています。そして高裁では有罪を出しています

数学のように正解があるなら話は簡単ですが法の解釈なんて僕らの1億倍賢い人達が「その解釈は間違ってる」って日々喧嘩してるんですよ?分かるわけがないんですよ

ただ、それでも自分たちで理解し、分かる範囲で「間違っているように感じるけどなーーーー」という気持ちがあるということですね


2.何がアウトかわからない恐怖

ちょっと技術寄りの話になるのですがjavascriptという言語はユーザーのwebブラウザ上で動くという性質上「やれることが非常に限られて」います

どれだけ悪意を持っていたとしてもインストールして使うアプリやコンピューターウイルスのように「データを全削除」したり「ハードディスク」を破壊したり「あなたのPCにウイルスを仕込んだり」は出来ません

(※サーバーサイドjsや凄腕ハッカーの話は一旦無視してね

昔のjavascriptはブラウザ側であまり制限なども考えらておらず無法地帯だったため、みんなjavascriptをオフにするのが当たり前〜なんて時代もありました


でも、そこから何年もかけてweb業界は少しずつjavascriptの地位を改善し、今では「基本的にはjavascriptで実現できるに関しては、悪意がある行為を除きある程度許諾を得ている」という社会通念(=一般的な暗黙の了解)が形成されるまでになっています

これは日本だけではなく「全世界での社会通念」だと言っていいと思います(突っ込みはあるかもしれませんけど、概ねね……

最近では「情報を取得するなら事前に明示すべきだ」という事で「EU 一般データ保護規則(GDPR)」が出来たり「データ取得に対しての透明性」を求める動きがあったりしますが、それがあってもそれ以外の部分は基本的にjavascriptで実現できる範囲は悪意が無ければある程度許容されているという社会通念に変わりはありません

YouTubeも、Twitterも、Facebookも、あなたが今見ているnoteも、全部javascriptをオフにしたらまともに動きません。建築における「コンクリート」くらい基本的な技術でほんの僅かなのか、ガッツリなのかはともかく「使っていないサイトを探す方が難しい」レベルです(もちろんオール木製でも家は作れますけど、今時そんな人殆ど居ないよね)

ちなみにjavascriptを使っていないオール木製建築のような趣あるHPを下に貼っておきます

ダウンロード (37)


さて、それで今回のコインハイブですが、上に書いたようにjavascriptを利用しているプログラムであり少なくとも2017年段階で技術者にとって「不正なプログラム」だという認識が無かったのは間違いありません

いや、もちろん「行儀悪い」とか「そんなものはダメだ」という人も居ましたよ?でも「法律で禁止されるような不正なプログラムであるかどうか」という観点で話せば「そうだ!」という人は居ないに等しかったと断言できます


つまり「殆どのweb技術者が今までの社会通念上、許されていると思っていたものがいきなりアウトになって事前警告も無しで逮捕された」という事にみなさんはビビってるわけです


「コインハイブ自体がどうこう」じゃなくて「コインハイブを含む未検証の技術が一発アウトになる状況」に危機感を覚えているわけです

これは1に書いた通り

ちゃんと何がダメかを徹底的に周知して、憲法の保証する表現の自由を踏まえて、プログラムの開発や流通に影響が無いようにしてね


が、一切守られていないという事です(コインハイブ事件がこれだけ問題になっている現状を見れば、今回の有罪判決にプログラムの開発や流通に影響が無いとは絶対に言えないでしょう


もちろん「コインハイブはこうこう、こういう理由があったからアウトなんだよ」という「明確な線引き」をしてくれたなら良かったのですが(法関係者の発言を見ている限り法的には明確に線引きされているらしいですが)

「その線引きが技術関係者からみたら全く線引き出来ていないように見えた」というのが問題の根底です


今回の高裁判決では「コンピュータウイルスと判断すべきプログラムはどういうものなのか?」について説明されていて、いくつかポイントを絞りざっくり書きますが


・反意図性

プログラムの反意図性は、当該プログラムの機能について一般的に認識すべきと考えられるところを基準とした上で、一般的なプログラム使用者の意思に反しないものと評価できるかという観点から規範的に判断されるべきである
(略)原判決は、本件プログラムコードがその機能を認識した上で実行できないことから、反意図性を肯定しているが、一般的な電子計算機の使用者は、電子計算機の利用にあたり、実行されるプログラムの全ての機能を認識しているわけではないものの、特に問題のない機能のプログラムが、電子計算機の使用に付随して実行されることは許容していると言えるから、一般的なプログラム使用者が事前に機能を認識した上で実行することが予定されていないプログラムについては、そのような点だけから反意図性を肯定すべきではなく、そのプログラムの機能の内容そのものを踏まえ、一般的なプログラム使用者が、機能を認識していないまま当該プログラムを使用することを許容していないと規範的に評価できる場合には反意図性を肯定すべきである。
一般的にウェブサイト閲覧者は、ウェブサイトを閲覧する際に、閲覧のために必要なプログラムを実行することは承認していると考えられるが、(略)マイニングは、ウェブサイトの閲覧のために必要なものではなく、このような観点から反意図性を否定することができる事案ではない

普通の人はwebサイトを見る時は「webサイトを見るのに必要なものだけセーフ」と考えているはずだから、「webサイトを見るのに必要の無い」コインハイブは反意図性があるよ


と、大体こんな判断です。これに対して僕達は「webサイトを見るのに必要の無いプログラムなんて山ほどあるのにそれが一律で反意図性を持つという判断はあまりにも厳しいというか、世の中の殆どのサイトが(それこそ、各省庁、警察、Twitter、Youtube、ほぼ全てのサイトが)反意図性を持つことになってしまう」と感じているわけです


・不正性

不正電磁的記録が、電子計算機の破壊や情報の窃用を伴うプログラムに限定されると解すべき理由はないし、本件は意図に反し電子計算機の機能が使用されるプログラムであることが主な問題であるから、消費電力や処理速度の低下等が,使用者の気づかない程度のものであったとしても、反意図性や不正性を左右するものではない

1.ユーザーのコンピュータのデータを奪ったり破壊したりしなくても「ユーザーの意図に反してCPU使ってるから」不正です
2.例え被害があろうとなかろうと、本人が気付こうと気づかなかろうと「ユーザーの意図に反してCPU使ってるから」不正です

ということで、不正性の有無についてそのプログラムの動作よりも「ユーザーの意図に反しているか」がかなり重視されているように見えるというのが第二の問題

これはみんなすごく突っ込んでますが「そもそもwebサイトを見るだけでCPUなり電力は消費されます」、世の中の殆どのサイトが「反意図性」を持っていると判断出来ることは上に書いたと思いますが

その前提で考えると1の条件は無いに等しく、シンプルに「(世の中のほぼ全てのサイトが、反意図性を持ち)不正にCPU等を利用したらアウト」となるわけです


「不正にCPUを利用したらアウト」という単体で見れば分かるけど、その実例として有罪になったのが「殆どのweb技術者が社会通念上、違法だと感じていなかったコインハイブだった」というのが更に問題を大きくしています


なお、地裁では以下のように判断されていて、技術者からするとこっちのほうが正直納得感が強いです

コインハイブを入れると作者に利益が入るから、ウェブサービスの質の向上に繋がるしそれは閲覧者の利益と言えなくもないよね

広告とコインハイブでCPU利用率そんなに変わらないよ?確かに反意図性はあるけど悪質と言える?

他人のサイトを改ざんして埋め込んだんじゃなくて、自分のサイトに掲載したんだよ?

まだ賛否両論ある状態で、しかも「コインハイブは違法」って警察が発表したわけでもないのに被告人が違法性があるって認識できた?無理でしょ

不正性については合理的な疑いが残るし、反意図的というのはその通りだけど、違法だという認識があったとも言えないから無罪


これが高裁ではこうなります

地裁はだいぶ勘違いしてる

マイニングの収益で質が向上?こういうのははっきりとユーザーに示した上でやるべきなんだよ。ユーザーに気づかれないような形で実現されるべきじゃないのは当然で不正性があるよ

改ざんのような悪質な例ではない?もっと違法な例があるから、こっちは軽微とかそういうので罪が決まるわけじゃないんだよ

警察が周知してなかった?周知してようが、してなかろうが犯罪は犯罪なんだよ

賛否両論あった?賛否両論ってのは「否」があるってことなんだよ。否がある時点で「反意図性がある」という方向で判断すべき

今回の件は反意図性があり、不正性もあり、違法だという認識もあったので悪質である!有罪!



高裁の論理としては
Twitterで「グレーじゃない?」と指摘された段階で被告は「コインハイブは反意図性を持つ」と認識していたはず。つまり「反意図性があるプログラム=違法なプログラムであると認識していたはず」。それなのに、そのツッコミに対して「いや、グレーじゃないと思うよ」と返した行為は「犯罪を指摘されたのにそれを犯罪じゃないかのようにごまかした悪質な言動」であり、その指摘があってからなんとなんと「7日もの間」コインハイブを削除せずに保管しつづけた。なんて悪質なんだ!!有罪!!

原判決は、前記カのとおり、同様のプログラムに対する賛否が分かれていたとし、これを社会的許容性を肯定する方向の事情と主張しているが、プログラムに対する賛否は、そのプログラムの使用に足しうる利害や機能の理解などによっても総意があるから、プログラムに対する賛否がわかれていること言うこと自体で、社会的許容性を基礎付けることは出来ない。
本件は、一般的なプログラム使用者が機能を認識しないまま実行されるプログラムに反意図性が肯定できる事案であり、プログラムを使用するかどうかを使用者に委ねることが出来ない事案であるから、賛否が分かれていることは、本件プログラムコードの社会的許容性を基礎付ける事情ではなく、むしろ否定する方向に働く事情といえる。


これに関してちょっと話はずれますが「広告は見ればわかるからセーフ、コインハイブと一緒にするな」という意見を非常に良く見かけます

なんなら高裁判決にも「一般的な広告は目に入るから同意がある」旨が書いてあります


この点技術者かするとわりと困惑に近い発言でして

これ、どこまでを「見える」と判断するかによりますがそもそもの話「あなたの目に見えた時点であなたの帯域やCPUや電力は使い終わった後」なんですよね

例えば1GBの広告をサイトに埋め込んで、それをあなたが開いちゃったら一瞬でスマホのギガが枯渇しますけど、1GB分の帯域を消費され終わってから「目に見えてるから許可があった」と言えますか?そもそもあなたは広告を見ただけで「1GB使われた」と判断できますか?

ちなみに技術者であっても計測しないと分かりませんし、サイトを使うだけで一々計測したりしませんから分かるわけがないんですよ。広告もコインハイブも同じようにどれくらいの資源が使われたかなんてユーザーが分かるようなものではないんです


高裁の論理で行けば、コインハイブは気づかずに殴られ続けるようなもんだけど、広告は一発ぶん殴られた後に気付いて逃げられるからセーフって言ってるようなもんです


動画広告やリフレッシュ広告などはコインハイブ同様に永続的にCPUを利用しますし、Twitterのプロモーションツイートなども同様にサーバーと通信してCPUを無断で消費しています

この例で「1GBの広告なんて現実に存在しないものを持ちだして話しても極論だ」と思うかもしれませんが、上の話を思い出して下さい

「被害の大小は関係ないんですよ」

わかりやすく1GBの広告と言いましたが、これが1kbの広告でも全く変わりなくて、ユーザーの資源を使った時点でギルティなんです

・ページの下の方にあって、サイトを開いてから閉じるまで一度も気づかなかったフェードイン広告とコインハイブの違いは?
・次の広告をスムーズに出すために、YouTubeが動画の裏で予めロードしている広告動画とコインハイブの違いは?

これ全部どこにでもある一般的な広告ですが、普通の人が気づくことはまず無理でしょう。じゃあそれと「ソースコードを見れば誰でも分かる(でも、普通の人は気づかない)コインハイブ」の違いは一体どこにあるのでしょう?

「広告は目に見えるから分かる」という発言は「目に見えていない広告に気がついていないから広告は目に見えると思い込んでいるだけ」なんです


「俺は塩なんて食わないし、見ればすぐ分かるよ!むしろわからない奴がいるのか!!」って言いながらラーメンすすってるみたいなもんです。入ってますよ?塩(広告)


という部分も技術者が混乱しているポイントだったりします

仮に裁判官の言っている「広告は同意がある」が「目に見える広告だけ」だった場合、一気に「目に見えていない広告は全てコインハイブと同じ論理で有罪」になる可能性が高いわけです

そりゃみんなびっくりしますよ。YouTubeもTwitterもFacebookも全部アウトですもん


一言でまとめると高裁が出した「これがコンピュータウイルスだ!」という基準があまりにもガバガバで何もかもがひっかかる

しかもそのガバガバ基準で実際に逮捕者出て前科持ちにされてる

もう何も怖くて作れんわ


と、こういう事をIT技術者は嘆いているわけです。コインハイブ自体が良い、悪いを置いておいて「高裁の出したコンピュータウイルスの基準」をそのままスライドすれば世の中の殆どのプログラムが違法になるくらいザルすぎるし、それを元に今後警察が更に取り締まるなら暗黒の時代待ったなしです

これが「コインハイブ有罪でもいいけど、「ユーザーの意図に反するプログラムはコンピュータウイルス」というこの解釈が通ったらITの未来は死ぬ派」の大まかな意見です


3.そもそもwebサイトって管理者のものなんだけど、それを勝手に見ているそっちが「自分の資源が盗まれている」って何言ってんだ?派

おまけです、これは法的な話一切関係なく主にマインドの話です

無料美術館に人が歩くと床が発電される設備が無告知で存在したら、みなさんはそれを「私の運動エネルギーが勝手に電気に変換されて被害を被った!一切の利益が無かった!」と怒りますか?

PCを動かすのに電気が必要なように、あなたの体を動かすには食料が必要で上に書いた例はコインハイブとほぼ同じ状況です


これがもし、何かのきっかけで後日「実は発電する床だったんですよ〜」なんて報道されても「へーそうだったんだ、面白いね」と思う人が多いのではないでしょうか

これは「誰かの設備を使わせてもらっている」という前提があるからなのですが、webではなぜかその意識を持っていない人が大量に存在するようです

ということで、「そもそも使わせてもらってる立場なのに図々しいにも程があるわ」と考える人達もいる訳です

極端に言えば嫌なら最初から来るな見るな、これがうちのハウスルールじゃ!って事ですね

こういう例を上げると「いや、細部が違う」みたいな事を言う人が結構居るんですが、細部の話はわりとどうでもいいのでざっくりと感覚の話ってことでお願いします

こういう考え方をする人もいます


まとめ

コメント欄を見ていて、技術者側と法律詳しいおじさん達の意見がどうしても咬み合わないなーと思っていたら、恐らくその噛み合わなさの原因みたいなものに気付いたので全面的に書き直しました


判決の引用は

https://drive.google.com/file/d/1o8yRQR3FyzKWlTXfbPmxdtKivsw2sgB4/view

こちらからさせて頂いています

つっこみなどあると思いますが、これを書くのに疲れきったのであとはもっと詳しい人にお任せします




あとこっちにも載せておきますね:

はてぶでつっこんでる大先生の皆様方!!!書くのがめんどくさければ僕の記事を丸コピーして間違っているところを赤ペン入れるだけでもなんでもいいので、一般の人が理解するきっかけになるような記事を本気でお待ちしています!!!是非よろしくお願いします!!!

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コメント10件

コインハイブの実施結果を、ログ に例えるのは同意出来ませんね。
ユーザーが所持するリソースを使って、固有の価値のある成果物を作っているのですから。

無理やりそれをログと称したところで、『閲覧行為』のためには全く必要なく、『一般のユーザーが意図しない』行為であることには変わりないです。

私がさきに出した、『ログ』という言葉は、『接続記録』という言葉の方がよかったですかね。もともと、アクセス記録を残す、その情報を持っている人がそれを活用することは慣習的に行なわれているわけです。
もし、ウェブ閲覧のためにならない情報収集行為があれば、非難されるべきです。

この本記事について『総論同意』とは言っていません。

> 総論として、有罪の判決基準が広いだろうという点については、同意
です。
全体を見て、一部の意見については同意
です。
> 基準に対する感想が「精査が必要なほど甘い」と「ガバガバ」というのって語彙の差以上ではないように感じました。

これが、どこから来た言葉なのかはっきりしないですが、
私が言っているのは、
『警察、裁判所の判断基準がガバガバだという主張』について、
『その主張は精査が必要』
ということですので。

わかりづらかったら申し訳ない。
>もし、ウェブ閲覧のためにならない情報収集行為があれば、非難されるべきです。
IT関係者はそれでGoogleまで動いている過剰個人情報収集問題をたくさん知っています。非難するニュースをこの裁判以外に知らないならお探しください。違うのは、誰も罰せずただ禁止規約にするだけでことを収めようとしていることです。
・・・こうやって考えて思いました。刑罰なしに立法できないという刑事事件の裁き方も、そもそも酷いんじゃないでしょうか。
ちょっと論点がわからない。
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