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むしのしらせ

僕の目の前で
舌打ちをしたその男は
結果的には
昨日の晩になくなった

昨夜
静かに死んだらしい
死因は心不全

むしのしらせだった

街灯の灯りの下で読んだ
スポーツ新聞
サンケイスポーツの競馬欄には
好きな馬の名前はなかった
直前で出走取消になったよう
僕の一週間は水の泡となった

決して
努力家とは言えない
人生を歩んだ僕には
二人の娘が存在した

ホントは
男の子が欲しかった
一緒に夕方
キャッチボールをしたかった
僕と父親がそうしたように

君と僕の出会いについて
幾ら話しても
彼奴の気持ちが揺らぐことはない
だから、コミュニケーションって
僕はキライだった、永遠だった?

それらの理由は
それらの原因は
君たちのせい
私たちの責任ではない
つまりは
すべて
僕のせいにしたかった
その事は
誰にも話さなかった、結局

関係のない会話の連続
関係のあった君と僕
無関係に装ったホントの理由

あの日の承認欲求
僕は生まれてこの方
SNSをした事がなかった
登録しなかった
誰かを羨む時間は要らない

というより
未だに携帯電話は遣わない
持っていない、契約しない

暫くは
縛られたくなかったから
誰にも優しくされたくは
甘えたくもなかったから
やっぱり
LINEの返事はしなかった

僕の自由は
君たちにはオカセナカッタ
置かせなかったの
何もその場所には

気持ちも感情も
相手に伝える
渡すつもりがないなら
全部ムダになる

最初から、はじめから
君たちには
その才能がない
才能がない奴を
僕は友達にしたくない

僕という人は変わっている
全く違う生き物だった
僕は
最期まで変われなかった

ラッキーだった、ツイてた

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