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本はいらない、置いていけ ~出産入院 持って行ってよかったもの&いらんもの~

出産について、多くの先輩妊婦たちがレポートを提供している。未曽有の少子化といっても、産む人は産んでおり、それについて書いているのだ。彼女たちは、私の肌感覚では普段からブログなど書かないいわゆる「フツーの人」である。※noteにいると忘れがちだが、自分の経験や考えを文章にして世の中に公開しようという人は世間一般の感覚では普通ではない。

私も先日の出産の際は、それら先人の知恵を参考に誰もが必ず挙げる持ち物――例えば寝ころんだままで水分補給するためのペットボトルストローなど――を持って行ってたいへん助かった。

先人から受けた恩を私も次の人へ送ろう。他人様のアドバイスには頻出しなかったものの私がオススメしたいものを書き出した。出陣を間近に控えた妊婦諸氏のお役に立てると嬉しい。

蒸気でホットアイマスク

分娩に伴う入院はおおむね5~7日程度だと思われる。その間、あるいは陣痛室での待機中にも点滴のタイミングが何度かある。
私は陣痛中と退院2日前まで、抗生剤の点滴を朝夜1回ずつ入れていた。そして4人同室の他のメンバーも同様に朝夜の2回点滴をしていた。メンバー4人の経膣分娩や帝王切開などの事情は様々だが全員が産後7日以内である。
この点滴の際に、蒸気でホットアイマスクが活躍する。特に朝、明るい時間。夜でも蛍光灯が眩しければ是非。

点滴の針の刺し方によるが、点滴の都度、針を入れる場合は点滴が落ちるまでのおよそ30分はベッド上安静となる。母児同室の病院でもその間は子供を預ける(または、子供が泣いたらナースコールする)。この30分、寝れる。というか寝るべき。というか、多分寝てしまう。この朝夜の30分だけが、唯一邪魔の入ることなく眠れる時間だった。

24時間超にも及ぶ分娩を乗り越えて体力の低下している状態で始まる母児同室の育児。3時間ごとの授乳におむつ交換なんぞやっていて睡眠時間はどうなるか、わざわざ説明するまでもない。点滴の30分、寝ろ。熟睡しろ。体力を回復しろ。今夜も、今後も、3時間以上続けて眠れることはない。

蒸気でホットアイマスクをして、アロマを嗅ぎながら30分――看護師さんが忙しくて点滴終了直後に外しに来なければもっと――眠れる。寝ろ。スマホを置け。目を瞑れ。

耳栓(またはイヤホン)

陣痛室で待機中、隣の陣痛室(産院によってはカーテン一枚で仕切られただけ)からのうめき声および分娩室からの叫び声が聞こえる。コウノドリなどのドラマで見た――レベルではない。すさまじい叫び声。絹を引き裂くような悲鳴というのを、初めて聞いた。本物である、スラッシャームービーなぞ目ではない。あんなのは偽物だ。同世代同性が、痛みのために上げるものすごい叫び声である。しかも同じ痛みを、この後あなたにも体験してもらいまーす☆彡 である。すでに俎板の上の鯉、逃げることはできない。

小心者なら聞かない方がいい。聞こえるにしても、音量は抑えておいた方がいい。出産は長い戦いだ。序盤で勇気を失ってはならない。なお、私は「無痛(和痛)分娩」という切り札を持っていたので、勇気を挫かれることはなかった。

こういった精神面の事情に加えて、体力温存の意味もある。陣痛の合間、難しいとは思うが寝れるときはやはり寝ておいた方がいい。ここから何時間かかるかは人それぞれ、未知数なのだ。体力を残しておくに越したことはない。体力が足りずにいきみが不十分で長期戦になれば、緊急帝王切開の可能性は高まる。そんな危険がないにしても、産後すぐに始まる子育てのためにも、体力はあればあるほどよい。寝れるときに寝る、は今後、子供が成長するまでずっと重要な考え方となるはずだ。私自身、今まさに感じている。

産後、母児同室の大部屋に入院中も、同様の理由で耳栓は大活躍である。昼夜を問わず授乳する生活では、子供が眠ってくれているとき、母親も少しでも寝た方がいい。しかし、自分の子供が眠っていても他人の子供が眠っているとは限らない。

私は母児同室4人部屋にいたが、なんとそのうち2人は双子を出産していた。同じ部屋に新生児6人という天国のような環境だが、すべての新生児が静かにしている時間は多くない。少しでも眠るために、耳栓やイヤホンを活用しよう。

ふりかけ、塩昆布などご飯の友

食事がおいしいと評判の病院でないのなら、持って行こう。大学病院、総合病院の食事は総じて質素であり、必要なカロリーは白米にぶちこまれている。ある日の夕食はこんな感じである。

産後食 米が200g

美味いよ。普通に美味い。退院後に自分で栄養バランスを考えて毎食用意できるかと考えたらものすごくありがたい食事だ。ただ、おかずに対して米の量が多い。母乳を出すには米や餅などを食うとよいらしいのでそのためだろう。しらんけど。

この病院、産前の体重でカロリーコントロールされた食事だと腹が満たされない量しか出てこないが、産んだ瞬間から、一気に米の量が増える。ついてくるおかずだけで食べ切れない。だが、残すのはもったいない。なにしろ母乳育児は腹が空く。ふりかけ等、ご飯のおともを持ち込んでおくとよい。私は、分娩室での食事の際にも、分娩台から自力で降りられないことを理由に、助産師さんに荷物の中からふりかけを取り出してもらった。出産は体力勝負、食える時にしっかり食っておくのは大切である。

続きはちょっぴりシモの話になるので有料にて・・・・・・
これから出産という妊産婦仲間だけにお読みいただけると幸いだ。

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