見出し画像

在宅勤務9割を保ちながら、安定的な事業活動を実現! セプテーニグループの事業を下支えする情報システム部とは?

こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

セプテーニグループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止への対策として、2020年2月末より、在宅勤務を推奨しています。

各部門、業務のオンライン対応も早く、コロナ禍においても継続的に事業活動を行うことができ、2020年9月期において、収益は過去最高を更新いたしました。
9割の社員が在宅勤務をしながらも、こうした安定的に事業活動を行えた背景には、全社にわたってシステム環境やアクセス環境を整備し、改善しながら下支えしてくれている情報システム部(以下、情シス)の存在があります。

今回のnoteでは、この情シスの責任者として様々な取り組みを進めている部長の大野さんにインタビューをしてきました!

ぜひご覧ください!

画像1

プロフィール:
大野 創
株式会社セプテーニ・ホールディングス 情報システム部 部長
12年間にわたり、外資系コンサルや生命保険、製薬会社にてシステム関連の業務に携わる。2018年2月、セプテーニ・ホールディングス中途入社。情報システム部部長としてセプテーニグループの情報システム領域を統括する。

ー 早速ですが、セプテーニグループは新型コロナウイルス感染拡大防止対応として、急遽、2月末から在宅勤務が推奨されることになりましたが、情シスへはどのくらい前に在宅勤務が実施されることが伝えられて、どのくらいの期間で準備されたのでしょうか。

在宅勤務になると知ったのは他の部署のみなさんと同じ実施直前のタイミングだったと思います。
ただ、以前から、働き方改革という観点から各種申請システムをオンライン化したり、ペーパーレスを推進したりしていたんです。それが完了したのがちょうど在宅勤務体制への移行が決定される直前のタイミングでした。
VPN(Virtual Private Network)のクラウドへの移行も、もともと今年実施する計画をしていて、それが、この在宅勤務への体制に決定したことから、時期を早めて実施することにしました。

なので、在宅勤務指示を受けてからばたばたと対応することもなく、スムーズにリモート体制に移行することができましたね。

その後システム面で大きな障害などもなく現在に至っています。

ー もともとリモート環境への整備を計画したり推進していたのですね。
たしかに数年前から様々な社内システムの入れ替えなども行われて、私たちの業務効率も上がったように思います。
このようなシステム改革に着手するにあたって、以前の状態のどのようなところに課題を感じていて、どのように変えていこうと思っていたのでしょうか。

まず、会社のIT環境に対してと、情シスの組織に対して、という2つの面があるのかと思っています。

会社のIT環境に対する話だと、コーポレート部門は利益を生めないので、事業会社や各部署がより利益を生み出すことに集中できるようにサポートする、というのが一番大きな役割かなと思っています。

なので、例えばシステム設定やアカウント管理などを事業会社や各部門がやる必要はないと思っています。
そういう性質のものは、私たちのような専門の部署などにまとめた方がリソース面、リスク面で合理的ですよね。システムの所管は関係なくてグループで共通性があるかどうかがポイントです。
しかし、私がセプテーニグループに入社したときは、それが十分にできていない状況でした。

セプテーニグループの文化なのかとも思いますが、何事も各社独自の判断・責任で進めることが多いじゃないですか。
スモールスタート 、クイックウィンのように、すぐに成果を出すためにはそのやり方でも良いと思うんですが、そこからスケールすると管理コストやセキュリティ面で課題がでてきます。
だからある程度の規模になったら、情シス含めコーポレート部門が巻き取っていく、というサイクルにしたほうがグループ全体として結果的に良いと思っています。

画像2

また、以前は、冗長的なシステムとか、形骸化した手続きがたくさんあるなと感じていました。
しかし、情シスメンバーなどに、今の状態が不便でないのか聞いてみても、「今までこのやり方だったから」と言うんですよね。でもそのやり方を続けることが彼・彼女らの負担にもなっていて、そこを変えないと新しいことをする余力も生まれないし、モチベーションを上げることもできないなと思いました。

余力を作るためには、効率よくやるか、無駄なことをやめるかだと思っています。
なので、やる目的がないものつまりやること自体が目的化しているプロセスは積極的に簡素化したり、廃止したりしていきました。

管理ってすごく工数がかかるじゃないですか。でもその管理の中には、意味がなくてもやってる感を出すための管理とか、外からちゃんとやっているように見せるための管理も実際あったりします。そのような作業についてそもそものところから見直しを行い、本来やるべきところにバリューを出すようなやり方をしたかったんです。
そうすることで少しずつ、情シスのメンバーの既存業務での負荷が軽減されていき、気持ちにも余裕ができてきたことで、徐々に新たなチャレンジもできるようになってきたかなと思います。

ー 確かに以前よりも気軽に相談させていただけるようになったかなと思います。管理部門による組織への利益貢献に関して、システム戦略という面ではどのようなことが大事だと思いますか。

勇気をもって無駄なものはさっぱりやめる、ということと、プロセスを合理化するということですね。
その中で、これとこれをくっつけたらいいよね、などソリューションを考えていく。情シスは全社の業務を把握することができる数少ない部署の1つですから社内的なDXは積極的に推進していきたいです。

そうすることで今までかかっていたオペレーションにおけるコストも下がってきていますし、事業会社や各部署が本来やるべきことをやってもらうために、なるべく情シスで巻き取って、集約してあげれば、こちらの工数もあまり上がらずに、管理工数を吸収できます。ひたすらオペレーションを改善していく、という感じですね。

ー もう1つの課題として挙げていた情シスの組織としての課題にはどのような姿勢で取り組んでいるのでしょうか。

一言でいうと意識改革ですね。
メンバーには、現状維持にエネルギーを使うのはやめよう、消耗しないようにしようということと、自分の意欲と善意に任せて挑戦していってほしいということはよく言っています。

今までの現状に疑問をもって新しいことする。
管理部門なので管理するのは当たり前ですが、管理するというよりも課題解決ができたり、価値を生むような組織にしていきたいですね。

あと個人としては、自分が手を動かすということですね。
マネージャーだから手を動かさないのではなく、いちプレイヤーとして一緒に取り組んでいく、ということは心がけていたので、意識改革につながったのかもしれませんね。

ー 確かに、社内に新しいシステムを導入する際は、大野さんが各所にヒアリングなどしていましたね。普段から、各部署や事業会社の人とはコミュニケーションをとっているのでしょうか。

普段から積極的にグループの各事業会社には話や意見を聞くようにしていますね。
課題のヒアリングや施策へのアドバイスなど含め、何かあったときにも、こちらに相談しやすいと思いますし。

また、システム、テクノロジーの面では外部ともつながって情報収集することは大事だと思っていて、メンバーにもそう伝えています。
やはり、社外の人も含め情報交換をする中で、このツールがいいよとか、リアルで公平な意見が聞けると思っていて。
社内からの意見はもちろん、外部のコミュニティから得た情報も活用してグループにマッチした環境を提供できたら良いなと思っています。

画像3

ー 周りの意見を取り入れていることに加え、無駄を省く、という面では、大野さんは無駄なものを見つけるのが上手だなと感じます。無駄を見つけるコツなどはあるのでしょうか。

手続きや申請など各種プロセスがあると思うのですが、そういった煩雑なフローは、誰が嬉しいんだっけ、という観点から気づくようしていますね。
誰も嬉しくないなら別にやらなくても良いし、例えばただ記録残すためだったら、別に紙やメールじゃなくてスプレッドシートで行っても良いわけで。
誰も得しないものについては、本当に必要か見直してみるのが良いのかなと思います。
このあたりは所管するマネージャーのリーダーシップが重要です。

システム面に関しては、様々な観点がありますが、基本導入後時間が経っているものは見直すようにしていますね。古ければ古いほど、過去のレガシーというか、「使うことが目的化」しているケースが多いので、見直すようにしています。
そして、撤廃してもあまり困らないシステムで、同じ機能を違うものでやれるんだったら、一気に統一してしまおう、とか。

システムを大きく変えることで、そのアップデートに周りが適応してくれるまで負担に感じることもあるかもしれません。

しかし、それによってもちろんビジネスを止めてしまうのはダメですけど、ある程度は痛みを伴って当たり前と思ってやっていかないと、ドラスティックには変わらないと思います。デジタル化だけではなくそれによって変化を作り競争優位を確保することがDXですし、それを推進することがリーダーの役割かなと。

そういった点では、セプテーニグループのメンバーは、順応性が高いので、新しいものでもすぐに慣れてくれるから改善策を実行しやすいなと感じています。

ー そうですね。最初は戸惑うことがあっても、気づくと割と早めの段階で慣れているということが多いかもしれません。在宅勤務に移行した時も、情シスのみなさんの事前準備もあってか、そんなに大変では無かった気がします。

そうですね。
ビジネス面で滞りなく継続できているのもその現れかと感じました。

あとは、今の状況でもしっかり事業の成果をだせているのは、先程の話と逆になる面もありますが、セプテーニグループの各事業会社は、自分たちでなんとかするっていうマインドがあるからかなと思いますね。
仕組み化とかがうまいですし、その時を自分たちで乗り切る力や企業文化、リスクを負ってでもなんとかするんだ、という気持ちがそれぞれのユニットにあるなと感じています。

今後よりグループ全体としてシステム面、オペレーション面での最適化を図っていくためには、グループ全体を統制して、合理化を導いていくことを目標とするような、要はDX担当みたいな役割の人や部署があったら、さらに良くなるのかなと思っています。

ー なるほどですね!今後は、情シスとしてはどのようなことをやっていきたいと考えていますか?

画像4

今後も引き続き、要らないものはやめたり集約したりしていくということと、各グループ会社で管理が必要となる部分を巻き取ってあげるということを継続していきたいですね。
もちろんプロジェクト面では、より働きやすい環境の構築等、いろんな分野のDXを推進していきたいと考えています。

あとはサイバーセキュリティはグループがさらに成長するにあたり力を入れずにはいられない領域なので、積極的にリーダーシップを発揮していきたいです。

また、これまで以上に、グループメンバーからのセキュリティ関連だったり、システム関連についての相談に気軽に乗って、意見交換や助言をしながら各部門とのコミュニケーションを積極的に行っていきながら、貢献していきたいと考えています。

ー 大野さん、ありがとうございました!


※※編集後記※※

在宅勤務移行後に社内アンケートを実施したところ、多くの社員が「業務に支障はない」と回答していました。未曽有の事態にも関わらず、こうして変わりなく業務ができるのは、情報システム部の影の支えがあってこそです。

お話を聞く前は、この事態でどれだけ苦労されたのだろうと思っていました。しかし、大野さんは「もともと対応を進めていたことだったので」と平然と語られていたので驚きましたが、以前から “何をどのように変えることが、みんなにとっての嬉しいことなのか” を軸に、システムや業務の改善やメンバーの意識改革されてきたことが、リモートワークにも活かせる環境整備に繋がったのだなと思いました。

#セプテーニグループ #情報システム部 #インタビュー #在宅勤務 #システム環境