最速でエース人材を育てるために ~新人育成のプロセスで得た学び~【後編】
株式会社セプテーニ・クロスゲートのnote編集チームです。
本記事では、前編・後編の2回に渡って、当社の新卒研修についてお届けしています。前編では、新人研修プログラムのリニューアルの舞台裏をご紹介いたしました。
▼前編を読む
後編では、新たに作成した育成プログラムとその成果を振り返りながらご紹介していきます。
是非読んでいただけると幸いです!
・・・
◆「CG License Program」
「エースプロジェクト」によって、実際に作られた育成プログラム「CG License Program」を、簡単にご紹介させていただきます。
再掲となりますが、
「CG License Program」とは、「エース人材」になるために必要な知識・技能・考え方を網羅的に学ぶためのトレーニングになります。
プログラム名にもある、「CG License 」=プログラムの修了証を取得を目指すために各種トレーニングを受けるという設計になっており、
外部パートナーENERGIZE様が、実際に自社の新人研修で行っているライセンスプログラムをモデルにさせていただきました。
「CG License Program」は、2つのステージで構成され、
基礎ステージの各プログラムの受講と、その中で出される課題を繰り返しながら進み、実践ステージの最終課題を終えて修了となります。
基礎ステージ
①カルチャースキル(組織体制や文化の理解度を高める)
②ポータブルスキル(ビジネスマンとして応用可能なスキル)
③テクニカルスキル(当社特有で身につけたいスキル)
実践ステージ
①最終課題にとりくむための、実践的なスキルや知識を積む
②最終課題
実際の、プログラムの教材から一部抜粋してご紹介いたします。
▲プログラム例①:ロジカルシンキング入門(ベースメントスキル)
【目指したい姿】
・問題の本質をつかみ、課題を提示し、解決策を出す工程を理解し、
自ら形作れるようになっている状態
・課題抽出の際に抜け漏れ無い視点を持てている状態
▲プログラム例②:ヒアリングサーキット(テクニカルスキル)
【目指したい姿】
・何をヒアリングすべきか自ら考えられる状態
・ヒアリングの基礎的な所作が身についており、自ら顧客へヒアリングできる状態
※いずれも2021年度版資料より抜粋
初年度は、「エースプロジェクト」のトレーナー達にて、これらの約25プログラムを作り上げ、自ら講義を行い、課題の進捗管理及びフィードバックまでをやりきりました。
◆「エースプロジェクト」で起きたこと
これら「エースプロジェクト」を通して、すぐに変化を感じたのは
育成トレーナー達の主体性でした。自走するメンバーが増え、言動に変化が現れ始めたのです。
これまでの新人育成の現場にはなかった新人をエース人材を育てるという明確なゴールと、何をどのように教えるべきか、何より、エースを育成する自分達トレーナーがどのようにあるべきかと、自ら問いを繰り返すプロセスがメンバー達の意識をより引き上げたのだと、手応えを強く感じました。
また、「CG License Program」によって育成された、新人トレーニーの成長も目を見張るものでした。
プログラムは、学んだ知識やスキルを使うアウトプットに比重を寄せた
ハードトレーニングになっているのですが、
多くの課題に取り組むことで、スケジュール調整力はもちろんのこと、自ら調べて考える力・資料化・言葉にするというアウトプット力が特に磨かれたように思います。
また、全てのトレーニーに統一プログラムを実施していくことで、同期同士でも共通認識・共通言語が早い段階で生まれることになり、
例えば、「●●の課題でもあったけど~」といった会話、情報交換をする場面も増えました。
例年、OJTによって育成されたメンバーが、現場での実行力を徹底的に鍛えられていることに対し、本プログラムで育成されたメンバーが、全行程を終えた時点で、自ら思考する力やアウトプットのスキルが一律に高い状態であったことは、大きな違いとして実感しています。
◆2年目をむかえて
2021年度も、新たな育成メンバーによる「エースプロジェクト」が組成され、「CG License Program」を実施しました。
今年度においては、初年度のプログラムであがった課題点を活かし、
いくつか変更が加えられました。
▼主な変更点
・より専門性の高い内容はトレーナー以外に講師をたて
全社で育てるという方針に変更
・目指す「エース像」を、より具体的な9つの条件に落とし込み
各講義と紐付けてインプットを行う
※初年度の資料は使えるものはそのままに、一部見直し
・他者との連携を必要とする課題を取り入れた。
特に、初年度は個人で課題に取り組むスタイルをとり続けたことに対し、
仕事は一人でやり通すものではないという実態に即し、社内メンバーと連携しながら実際の提案作成に取り組むスタイルも取り入れました。
また、新たに自由度の高いグループ課題をいくつか設け、トレーニー同士のチームワーク発揮を必要としたことは、よりリアルな業務のプロセスを学び、組織の繋がりや、互いの強みを知る機会創出にもなり、大変有意義であったと言えます。
▲2021年度に新たに追加したグループ課題(コーポレートサイト作成)より抜粋
◆新たな課題
一方で、初年度にはなかった新たな課題も浮上してきました。
昨年同様にトレーニーのスキルアップや成長実感は得られているものの
研修が進むにつれ、トレーナー、トレーニーの双方に迷いや葛藤が生じる場面が多々見受けられたのです。
「エース人材」の育成という目指す先は同じであるはずなのに、今年は一旦何が違ったのか。
要因を探る中、いくつか見えてきたことがあり、主だったものを2つを挙げたいと思います。
1つは、会社の事業戦略が転換期の最中であり、育成の現場に対して、今後の方針を十分に示せなかったという点でした。
当社は創業時より、アフィリエイト広告事業を中心にウェブマーケティング支援を行ってきておりますが、直近は、新たにCRM領域へ参入、さらにはグループ内連携において新たな強みを打ち出すための一歩を踏み出したばかりという状況下であり、会社の方針自体が移り変わろうとするタイミングに位置していました。
トレーナーにとっては、事業戦略として明確な方向性が示せない中で、
アフィリエイト事業において積んできた自分達の経験値をもとに育成せざるを得ないという状況。
トレーニーにとっては、エースを目指すための育成プログラム1つ1つが、
自分のミッションや会社の方針にどのように活きるものなのか、はっきりとイメージできないままに取り組むという状況。
このように事業の方針と育成の紐付きを十分に見せられないというミスマッチが生まれ、両者にとっての手応えに少なからず影響があったのではと振り返っています。
もちろん、1つ1つの学びの点は、いずれも確実に今後の事業に繋がっていくものと断言できます。
しかし、それをどのようなメッセージで伝えるかなど、事業転換期において新人育成をすることの難しさを大いに実感するところになりました。
このような状況下での新人育成による学びがどのように活かされ、
彼らがどのように活躍していくのかは、今後、長期的な目線で追っていきたいテーマだと考えています。
もう1つ、「エースプロジェクト」の狙いの1つでもあるトレーナー側の成長を促す取り組みができなかったという点が挙げられます。
初年度においては、新人育成を通してトレーナー自身も成長するということに重きをおき、0 からのプログラム共創に取り組んだのに対し、
今年はトレーナー自身がどのような成果を得たいかという目的設定のプロセスが抜け落ちてしまったのです。
結果、プロジェクトがトレーニーの育成のみを目的とした意思決定で進んでいき、多くの時間を育成に注いだトレーナー自身が、「自己成長」という視点では実感を得にくい状況が生まれてしまいました。
こちらはプロジェクトを進行させながらも、都度軌道修正をしていく必要があったと振り返っています。
◆これから
今年度の「エースプロジェクト」においては、より多くの気づきを得ることができたという点では、前年以上の収穫となったと言えます。
ここで、トレーナー/トレーニーの実際の声を少しご紹介します。
Q:エースプロジェクトを経て、自身にはどんな変化がありましたか
▼トレーナーより
・自身もまだ足りてないので自走して成長しないといけないと思った(11年目)
・世代によっての価値観の違いについて知れたことが、今後のマネジメントにおける財産だと感じた(5年目)
・ゼロ知識のメンバーにどう伝えると、メンバーに知識が定着したり、仕事で活かせるようになるのかをかなり考えたことで、アウトプットの学びになった(6年目)
・オンライン化でのコミュニケーションの難しさを実感し、時代の流れに沿ってアップデートをしていかなければならないと強く思った(6年目)
・メンバー育成、マネジメントには前々から興味があり、自身の学びが多く刺激的な毎日だった。メンバーと何かを成し遂げたいと強く思い、メンバーの成長を心から願うようになった(8年目)
▼トレーニーより
・社会人としての基礎、営業としての基礎がつくられたと考えている。(2年目)
・講師陣は、「こうなってほしい」という理想像をハッキリと持っているので、どんな人材が求められているか「エースとはこういうものだ」という理解が明確になった。(2年目)
・広告は奥が深いので知ることは多いほうがよいが、それだけでなく強みになるところも必要だと気づいた。満遍なくやりこなす力と、個性的であることの両方を追求したいと思った。(2年目)
・苦手だったPowerPointをある程度扱えるようになった。自分にとって多少ストレッチな作業量でもあったため、タスク管理スキルや処理速度と向き合うきっかけにもなったと思う。(1年目)
・どうしたら伝わるかと相手視点での考え方になれた。研修期間で100枚以上のスライドを作成したため、資料作成能力が上がった。(1年目)
今年度のプログラム修了から現在に至るまで、トレーナーを務めたメンバーが自主的に集まり、振り返りとトレーナー間の情報交換をおこなうなど、来年度の改善にむけて動いています。
「エースプロジェクト」を単なる新人育成プロジェクトで終わらせることなく当社の組織開発・人材育成にとっての強みの1つとして
今後も、メンバーの手によって変化し続けさせていきたいと考えています。
・・・
前編・後編の2回に渡って、当社の新人育成についてお届けしました。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき有難うございました!
◇株式会社セプテーニ・クロスゲート
https://www.cgate.jp/index.html
◇アフィリエイトネットワークサービス「xmax(クロスマックス)」
https://www.xmax.jp/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?