中小企業診断士に独学・無料で挑戦し、2か月で一次試験合格レベルになった

 タイトル通りです。
 一次試験の勉強法、なぜその方法が上手く行ったか、実際の成績の伸び方について書きます。

○勉強法
 過去問を解く、ネットで解説を探してなぜその正解になるのか勉強する。この繰り返しです。
 過去問はJSMECAのホームページに公開されています。これを最新の年度から時間を計って解きます。そうすることで本番の時間配分を身に着けます。
 ネットの解説は「科目名 20○○ H○○」で検索するといいです。解説者が西暦と和暦のどちらを使っているかがまちまちなので両方で検索します。なるべく、不正解の選択肢についても解説してくれているものを探しましょう。1回目の採点後に正解・不正解全部の選択肢についてざっと理解する(私は60分で解いて120分勉強するくらいでしたが、慣れるとどちらの時間も短くなります。)。2回目(翌日がいいです)に説いた時に8~9割できるくらいで大丈夫です。その時にまた解説を読んで知識を定着させます。
 勉強記録を見返して自分でも驚きましたが、R1年度・H30年度の過去問を2回解いて勉強した後、H29年度の1回目でもう得点率64%に達しています。この試験は浅い知識でもある程度解けるのと、同じ論点が繰り返し出題されているからこそです。

○この勉強法の利点
1.勉強すべき分野・程度がわかる。
 勉強を通じて獲得すべきは、試験で正解を導く力です。ですので、試験に出る分野について、試験に出る程度の理解が得られればいいわけです。
 これを助けてくれるのが予備校や問題集です。お金を払えば先生や著者が試験に出そうな分野について試験を解けそうなレベルの正確な知識を教えてくれます。しかし、この試験では過去問を解けば自然に、出題頻度が高い分野について十分な知識を得ることができます。繰り返しになりますが、同じ分野からの出題が多く、問われる知識は深くないのです。
 

2.忘却曲線に従い知識を定着させられる。
 忘却曲線を雑に説明すると、1度目に覚えたこと次の日には忘れる、2度目に覚えたことは1週間覚えている、そこでまた覚えると今度は1ヶ月忘れない、という忘れ度合いの曲線のことです。
 R1年度の問題を初回と翌日で2回解く、7科目勉強してH30年度の問題を解くころには1週間程度経っています。ここで、同じ分野の出題があればいい具合に脳を刺激して知識を定着できます。出題がなければ忘れて行ってしまいますが、頻出分野ほど覚えていけるのでこれでいいのです。

3.合格者の水準がわかる。
 ネットの過去問解説ですが、結構不正確です(笑)。全科目について一人で解説している人はほとんどいません。つまり少しは自信のある科目について、合格者や受験者が解説しているはずです。すると、こんな間違った解説をする人でも受かる、あるいは得意科目にしているんだ、と妙に安心できます。といっても、誤りは各科目1問あるかないか程度ですので、間違いだらけで知識がつかないというわけではないです。

4.お試しでできる。
 なんといっても無料の勉強法です。やってみて合わなければ、予備校なり問題集なりにシフトしても損はありません。時間は損するかもしれませんが、初回の過去問演習と勉強、さらに前年度の過去問演習で様子はわかるはずです。この35時間弱、この先の勉強時間に比べれば何でもないです。ここでした勉強が1回目、予備校・問題集で勉強するのが2回目になれば、忘却曲線的にも有益です。あるいは、この試験に向いてないなと撤退しても傷はほぼ無いです。

○勉強と成績の記録
 さて、まずはタイトルについて虚偽ではないけれど盛った部分をお伝えします。
 ・私は合格したわけではありません。試験運営側のコロナ対策を考慮し、受験しませんでした。後日公開された試験問題を解き、自己採点をしたところ合格レベルの得点でした。本番のプレッシャーがない分有利でしたが、本番で燃えるタイプなので不利な点もありました。
 ・従って、勉強期間は4月末から6月末までの約2か月ですが、問題を解くまでにはもう少し時間が経っています。この点は、忘却曲線からすると解くのには不利、この勉強法で十分であることを示すにはむしろ有利な条件です。
 ・私は以前に簿記とITパスポートに合格しています。会計士試験や公務員試験をかじった経験もあり、ほとんどの科目に少しずつ、一部はかなり有利なスタートになっています。しかし一般的に、簿記3級もITパスも50~100時間の勉強で取れる程度ですし、その知識すべてがこの試験で使えるわけではありません。何もアドバンテージを持っていない人はいないはずです、経済学・経営学専攻の授業、工場・商店の現場感覚、法務・広報まであらゆる経験がいずれかの科目で役に立ちます。(逆に私は経済学のあらゆる曲線、組織論・リーダーシップ論の専門用語、工場関係、民法、中小企業統計などはちんぷんかんぷんでした。)

それでは勉強履歴と得点の推移です。
~5月1日 R1年度1回目
5月2日~ R1年度2回目、H30年度1回目
5月9日~ H30年度2回目、H29年度1回目(経済68、財会72、経営54、運営67、法務52、システム76、中小61、64.3%)
5月16日~ H29年度2回目
5月23日~ H28年度1回目(経済60、財会80、経営62、運営67、法務50、システム56、中小28、57.6%)※中小が悪すぎますが、この科目は前年度の中小企業白書からの出題が多いので割り切って気持ちを切り替えました。
5月30日~ H28年度2回目、H27年度1回目(経済72、財会92、経営62、運営72、法務64、、、)※以降記録なし
たしか、点数が大分とれるようになった慢心と、その分、中小科目への不安があり、6月中は中小企業白書ばかり読んでいたと思います。その後、6月24日に発表されたコロナ対策を考慮し、今年は受けないことを決めました。
そうこうしているうちに勤務先の都合で資格手当を受給することが不可になったので、今後も受験はしないこととなりました。
R2年度試験は、過去問記念受験という何とも中途半端なものでしたが、成績は(経済68、財会76、経営63、運営74、法務52、システム76、中小49、65.4%)でした。ちぇ。

○最後に
 全体的に、「大した試験じゃない、予備校も問題集も不要」ですとか、あげく自分はもう受けないなどと、舐めたような無関心なような文体ですが、自己採点して合格レベルだった際はやはり嬉しかったです。よく言えば、脳や財布にストレスをかけすぎずに、自分の経歴を要所要所で役立てて勉強できる面白い資格試験です。
 残念ながら資格手当をもらえないので(泣)、2次試験に通用する勉強法か実践する気力はありませんが、マークシートは知識の詰め込み、記述式はその一部を組み合わせて論述というのがセオリーです。一次だけ通ってしまえば、二次に対応する基礎は出来ているはずです。二次のみ予備校・問題集でも問題ないと考えますが、機会が与えられれば私はそれでも独学・無料で挑戦しました(笑)。
 それでは、この記事をきっかけに独学・無料で最終合格まで目指す決意をされる方がいらっしゃれば最高に嬉しいです。ご質問などありましたらお気軽にどうぞ。最後までお読み頂きありがとうございます(と心から書くのは人生で初めてかもしれません。あるいは忘却したか。)。

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