あなたは 企業のマーケティングにおける「SEO」の目的を正しく理解できていますか?
「企業のマーケティングにおける "SEO" とは、誰に対して何をすることですか?」
こう聞かれて明確に答えることができる人は多くないように思います。
ウェブマーケティングは特に英単語の略語やフレームワークが多く、内容がごちゃごちゃになりがちです。
今回は「SEOとは何か?」という基本的なことではなく、
「企業のマーケティングにおけるSEOの目的」を、マーケティングで一般的に使われるフレームワークに当てはめて解説していきます。
グロースハックのフレームワーク「AARRR」をベースにSEOを考える
グロースハックのフレームワークである「AARRR(アー)」を軸に進めていきます。SEOは「AARRR」で言うところの「Acquisition (新規ユーザー獲得)」に該当します。
- Acquisition (新規ユーザー獲得) ←SEOはここを伸ばす手段
- Activation (利用開始)
- Retention (継続利用)
- Referral (紹介)
- Revenue (収益化)
AARRR(アー)とは
アクセスを集め、利用開始してもらい、利用率を高め、紹介制度で拡散し、収益最大化を目指す、というもので次の5つのステップの頭文字を取った用語です。
各ステップで求めるべき姿を定め、部分改善をしていくことで、最終的には全体改善に繋がっていきます。
https://ferret-plus.com/298
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少し余談になりますが、「AARRR」と似たようなフレームワークで「ARRRA (アーラ)」というものがあります。PMFが達成できていないサービスやプロダクトは、新規ユーザーを増やすことに注力しても解約(チャーン)が増えるので非効率という考えで、「新規ユーザー獲得」が一番最後に来ているのが特徴です。
ARRRA(アーラ)モデル
- Activation (利用開始)
- Retention (継続利用)
- Referral (紹介)
- Revenue (収益化)
- Acquisition (新規ユーザー獲得) ← 新規獲得に注力するのは最後
PMF (プロダクト・マーケット・フィット)とは
プロダクト・マーケット・フィット(Product/Market Fit)とは、顧客の課題を満足させる製品(プロダクト、サービス)を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態のこと。略称は「PMF」。
https://makitani.net/shimauma/product-market-fit
とてもわかりやすい記事
使い分けとしては以下のような感じになります。
- AARRRモデル:PMFできている事業 (プロダクトやサービス)
- ARRRAモデル:まだPMFできていない事業や新規事業など
今回はPMFできている想定で進めます。
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一言で「アクイジション(新規獲得)」と言ってもユーザーのレイヤーは3つに分類されています。
- 潜在層:現状に課題感を持っているが、ニーズが顕在化していない層
- 顕在層:課題を解決する変化の必要性を感じている層
- 見込層:課題解決ソリューションの導入を積極的に検討している層
Acquisition (新規ユーザー獲得)が以下のようにさらに分類されます。
- Acquisition (新規ユーザー獲得)
- 潜在層
- 顕在層
- 見込層
- Activation (利用開始)
- Retention (継続利用)
- Referral (紹介)
- Revenue (収益化)
購買行動のフレームワーク「AISCEAS」を当てはめる
次に、Acquisition (新規ユーザー獲得)においてとっても重要な、購買プロセスのフレームワークであるAISCEAS (アイシーズ)を当てはめます。
AISCEAS(アイシーズ・アイセアス)とは
Attention(注意)Interest(興味・関心)Search(検索)Comparison(比較)Examination(検討)Action(行動)Share(共有)の頭文字をとったもので、AISASと同様に特にインターネットにおけるユーザーの購買心理プロセスを表している。
https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/aisceas/
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なぜ「AIDMA」や「AISAS」ではないのか
同じ購買行動を表す有名なフレームワークで「AIDMA」と「AISAS」がありますが、「AIDMA」はネット登場以前の購買行動であり「AISAS」は現在の購買行動で必須である「比較」と「検討」が含まれていので、「AISCEAS」が最適であると考えています。
引用:https://viex.co.jp/service/webmarketing/homepage
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AISCEAS (アイシーズ)は、AARRRの以下に該当します。
- Acquisition (新規ユーザー獲得)
- 潜在層 Attention (注意) Interest (興味)
- 顕在層 Search (検索)
- 見込客 Comparison (比較) Examination (検討) Action (登録)
- Activation (利用開始)
- Retention (継続利用)
- Referral (紹介) Share (共有)
- Revenue (収益化)
最後に「3つのクエリタイプ」をあてはめて全部を合体
ユーザーの意図である検索キーワード(クエリ)には、以下のように3つのタイプがあります。
- 購買意思のある「トランザクショナルクエリ (Doクエリ)」
- 情報を収集する「インフォメーショナルクエリ (Knowクエリ)」
- 目的のサイトを探す「ナビゲーショナルクエリ (Goクエリ)」
AARRRフレームワークの、以下の部分に該当します。
- Acquisition (新規ユーザー獲得)
- 潜在層
- 顕在層 インフォメーショナルクエリ
- 見込層 トランザクショナルクエリ、ナビゲーショナルクエリ
- Activation (利用開始)
- Retention (継続利用)
- Referral (紹介)
- Revenue (収益化)
AARRRモデルの「Acquisition (新規ユーザー獲得)」を軸に全てを合体させるとこんな感じになります(クリックで拡大)
青の部分がSEOの領域です。
企業のマーケティングにおけるSEOの目的は2つ
今回、グロースハックのフレームワークである「AARRRモデル」、購買行動のフレームワークである「AISCEAS」、そしてユーザーの検索意図を表す「3つのクエリタイプ」を合わせて整理してきました。
最初の問いである「企業のマーケティングにおける "SEO" とは、誰に対して何をすることですか?」の答えは以下の2つになります。
1. ニーズが顕在化している方に対して情報を届ける
2. 導入や購買を積極的検討している方に情報を届けてコンバージョンに導く
なんてことないように見えますが、新しいフレームワークを知るたびにごちゃごちゃなりがちなのでSEOを体系的に覚えておきましょう。
検索エンジンに最適化することが多いSEO界隈ですが、"ヒト"に最適化する本質的なSEOが増えることを願うばかりです。
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