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「何をするか」よりも「誰とやるか」。ぼくが「小杉湯となり」に可能性を感じている理由


銭湯ぐらしPRチームです。オープンに向けて準備も佳境!慌ただしい毎日を送っています。
銭湯ぐらしのリレー記事第5回を担当するのは、「小杉湯となり」の現場責任者"なおき”です。

手の届く範囲に価値を届けるということ

新潟で3人兄弟の長男として生まれ、一族の初孫ということもあってめちゃめちゃ手厚く育てられました。

比較的自由に育ててくれた両親からの、唯一と言っていい教えは「身近な人との関係を大事にしなさい」というもの。

それは家族、友人、同僚、時にはたまたま道中を共にする見知らぬ人だったりもするのですが、

「自分と少しでも関わってくれた人には誠意をもって向き合うべし、困っていたら助(たす)くべし」

というのが刷り込まれているからか、自分が何かを決めたり始めたりするときは「誰のためにやるのか」というのが必ずセットになっているなあと思います。(なんて主体性のない人間なんだ…)

なんだかんだ10年近く続けたサッカーも、きっかけは「クラスで仲のいい友達が野球よりサッカーをやりたがっていた」から。

新卒で新聞社入ったのも「業界が全体的に困っていそうだった」から。あと親・祖父母孝行。

新しいことを覚えたり何かについて努力したりするのもわりと人より好きなほうかなと思うのですが、それも自分のためというよりは「来たるべき日に自分を頼ってくれる誰か」のため。

『GO』という映画のなかで、窪塚洋介演じる主人公(杉原)に対し、 山崎努演じるお父さんがこんなことを言います。

左腕まっすぐ伸ばしてみなボーイ。そのままぐるっと一回転しろ。よし。今お前の拳がひいた円の大きさが、だいたいお前っていう人間の大きさだ。

このセリフが好きで何回もこの映画を観てしまうのですが、

「自分という人間の手が届く範囲」に困っている人がいたらいつでも助けられるようにする、そのためにスキルや人間性を磨く。

これが自分の価値観の根底にあるかなと思います。


三代目と出会って2時間。高円寺への引っ越しが決定

もともとお風呂は好きでしたが、銭湯がことさら好きになったのも、身近な人とのつながりをより濃いものにできる場所だということに気づいたからだったような。

「いまの仕事辞めようか迷っててさー…」
「おれ、いま付き合ってる子にもうすぐプロポーズしようと思ってるんだよね。」

居酒屋ではあれだけ馬鹿話ばかりしていた友人とも不思議と銭湯では真面目な話をする機会が多く、裸の付き合いのなかで沢山相談をしたり、逆に相談に乗ったりしました。

自分のなかで「将来もし自分で事業やるんだったら、銭湯とかお店みたいな場のあるビジネスがいいな」とぼんやりと考えていたときに、ちょうど出会ったのが小杉湯であり、銭湯ぐらしでした。

深夜、Facebookのタイムラインを眺めていたらふと目についた「TOKYO SENTO」の投稿。

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「高円寺の小杉湯で働いてみませんか?」※現在の募集は掃除アルバイトのみですが、上記スタッフ①のような銭湯経営に興味がある方、『小杉湯』に関わりたいという方はぜひ一度お話を聞かせてもらいたいです。

その時は小杉湯のことも知りませんでしたし、何に一番ピンときたのかはイマイチ覚えていません。

当時そこそこ仕事も忙しかったのですが、頭がバグっていたので「勤務時間1時半から4時か。終電まで仕事してそこから高円寺移動して、終わってから家帰って朝5時~9時で寝れば本業と両立できるな…」と軽い気持ちで応募しました。

面接に向かうと、出てきたのは30半ばの若旦那。現・三代目当主の平松佑介さんでした。

バイトの業務内容の説明はそこそこに、佑介さんが語りだしたのは銭湯と高円寺に対する熱い気持ち。その想いに圧倒されたことは今でも覚えています。

30分の予定を軽々オーバーする愉快な面談の最後に言われたのは、「ちょうど隣に空きアパートがあるからナオキも入る?」というお誘い。「あ、じゃあ入ります。」と秒で答えるぼく。

初めて会った2時間後には、もう高円寺に引っ越すことが決まっていました。


「銭湯のあるくらしの豊かさ」を体験した湯パート時代

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こうして始まった高円寺での新生活は、期待している以上に楽しいものでした。

いつでも温かく迎えてくれる銭湯と、湯パートの同居人たち。

朝ご飯にお味噌汁のおすそ分けをもらったり、女の子に振られた日に夜通し飲みに付き合ってくれたり。

お風呂はおろかエアコンもない部屋だったので夏は水風呂、冬は熱湯に入ってからでないと寝れなかったのですが、今となってはそれもいい思い出です。

銭湯が身近にある「余白のある生活」の豊かさを知り、この仲間たちと今後も一緒に楽しいことができたらいいな。そう想いを強くした1年間でした。


斜陽産業だからこその面白さ

「銭湯を手伝ってます」というと時折「斜陽産業で大変ですね」と言われたりしますが、ぼくを含めた銭湯ぐらしのメンバーも平松さんをはじめとした小杉湯のスタッフも、斜陽産業だとは全く思っていません。むしろ、可能性しかない。

昨今の銭湯・サウナブームはもちろんのこと、地域医療構想、インバウンド消費、単身世帯の増加…などなど、現代の日本を取り巻く様々な課題やビジネスの潮流に対しても銭湯という切り口で取り組めることが沢山あります。

例えば湯パートに住んでいた時には空き室をリノベ―ションして民泊を行い、外国人旅行者に銭湯文化、日本の文化を知ってもらいながら滞在してもらいました。

銭湯ぐらし_民泊

小杉湯となりでもサブスクリプション(定期利用)の導入や地域人材の雇用など、普通の温浴施設にとどまらない取り組みをはじめる予定です。

ぼく自身は、キャリアのバックグラウンドがITのスタートアップ業界にあるので、自分の経験もうまく使いながら小杉湯、ひいては高円寺の街や銭湯業界全体に貢献できればと思っています。

一人ひとりとの対話で感じた、皆のモチベーションの変化

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少し前に、銭湯ぐらしの各メンバーと茶をしばきました🍵(まだできていない人もいるのでお茶しようね)

いわゆる「1on1」というやつ。

「小杉湯となり」の完成まであと数ヶ月というこのタイミング、お金まわりのシリアスな話や各人のtodoも増えており、若干みんなの顔に元気が無くなってきている感じがしたので「最近どうよ?」と聞いてみました。

大半は他愛ない世間話しかしていないのですが、全員に共通して聞いたのは「ぶっちゃけ、どこをモチベーションにしてやってるの?」という質問。

みんな本業も忙しいなか頑張ってくれているので、個々のモチベーションの源泉がどこにあるのかを改めて知りたかったというのが質問の意図でした。

ぼくが予想していた答えは

「銭湯が好きだから」

もしくは

「将来の自分のやりたいことと繋がっているから」

といったものでした。

ところが意外にも皆の口から出たのは

「みんなが好きだから」
「銭湯ぐらしというチームに可能性を感じているから」

という言葉。

正直おどろきました。

少なくとも最初は皆、「なんか楽しそう」「銭湯が好きなので関わりたい」「副業やるなら面白いことがしたい」などが参加のきっかけだったと思います。

それが法人化から1年と少し経ったいま、関わるモチベーションが興味関心やスキルアップから、銭湯ぐらしというチーム自体に移ってきている。

これは真面目に、すごいことだなあと思います。

副業している人やいわゆる「ギルド型組織」に所属する人の多くはモチベーションを「収入アップ」「スキルアップ」ないしは「自己の興味関心分野への参画」に置いていることが多いように思います。

労働ではないけど、オンラインサロンに入る理由とかも多分そう。

そんな世の中の流れのなかで、モチベーションを問われて真っ先に「一緒に働く仲間」を挙げるこの銭湯ぐらしというチームに、ぼくはこれからの時代における新しい働き方の可能性さえ感じます。

「誰とやるか」を重視しているのは自分だけではなかった。

銭湯ぐらしを強く魅力的な組織にしているのは個々の尖ったスキルを持ち寄っているからではなく、「このチームのためなら働ける、頑張れる」と各々が思い、モチベーションの原動力にしているところなんだなというのが、1on1を通じて改めて感じたことです。


「もの」より「ひと」を目的とした場所へ

「小杉湯となり」はそんなみんなの想いを紡いではほどき、また紡いではほどき…を繰り返してオープンする場。

湯上がりの食事をするのも風呂桶の「カポーン」という音を聴きながら作業するのも”ケの日のハレ”を感じる心地よい場になると思いますが、

個人的には施設に来てくれる皆さんにもだんだん

「○○(何)があるから『小杉湯となり』に行く」

から

「○○(誰)がいるから『小杉湯となり』に行く」「○○(誰)と一緒だから『小杉湯となり』で過ごす」

という、施設そのものよりも、そこにいる人・一緒に来る人が目的となって賑わう場所になればいいなあと思います。


“最強の常連”として、「小杉湯となり」でお待ちしております。



プロフィール

なおき(伊藤 直樹)
株式会社銭湯ぐらし取締役。「小杉湯となり」の現場責任者を担当。

1990年生まれ。新潟県出身。新聞記者に憧れて上京、新卒で朝日新聞社に入社しニュースサイト「朝日新聞デジタル」のディレクターとして月間3億PVを超えるサイトとアプリの改善に従事。2016年よりマーケティング支援のスタートアップであるRepro株式会社に参画し、複数の事業の立ち上げに従事。好きな余白の時間は銭湯と登山とコインランドリー。

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