先端恐怖症は最先端技術に耐えうるだろうか

暗さを基調とした、不思議な気持ちになる世界をお届けします。 文章は全て脊髄が書いており…

先端恐怖症は最先端技術に耐えうるだろうか

暗さを基調とした、不思議な気持ちになる世界をお届けします。 文章は全て脊髄が書いておりますのでご自愛ください。 共感性羞恥を感じられたら謝ります、ごめんね。

最近の記事

自立、もしくは。

「困った時はなんでも言ってね!」 「あたしはそーくんの力になりたい」 「あたしじゃダメなの?」 彼女はよくそう言う優しい人だ。 とても世話好きな彼女は頼りにされるのが嬉しくて、頼み事をすれば喜んでする。 素敵な女性だ。 俺にはもったいないくらい。 感謝が尽きない。言葉にしてもし尽くせない位に。 いきなりだが俺は時たまありえないくらいに病む。 突然泣きそうになったり、頭がぼーっとして何も考えられなくなるくらいに。 生きてる感覚、いや五感は感じるんだけど、 なにか欠けてし

    • 口下手

      「でさ〜、こんなことがあってさ〜笑」 「あはは〜そうなんだ〜あはは〜」 俺は喋るのが下手だ。 他人の話に興味が無いとかじゃない、 むしろ聞きたいことしかない。 でも返し方が下手で、いつも気まずい終わり方をする。 じゃあ肝心な話すことも面白いのか いやつまらない。 なんなら「あはは〜」で帰ってくるようなことしか話せない。 行きつけの酒屋でみんながバカ笑いするようなことも話せない。 言ってしまえばうるさいだけの奴である。 まぁそれがウケる時があるからいいかもしれんが、

      • 温もり。

        「マッチはいかが?」 「、、、」 今日も凍傷しなくてすむ。 蒸し暑い熱帯夜の都市をエンジンをふかせて自身の存在を機械音でしか表現出来きずに走り抜けるバイク、 バカみたいに笑って体の一部分美としてを晒し、視姦されとりすまして下着を濡らす歩く女、 満員電車の地獄を決まった服で乗り越え、従わされてることを自覚しないで流す汗を誇りにする哀れなサラリーマン。 なんて冷たい世界なんだ。 誰も「自分」というものを持っていない。 ただ時代という風に乗って流される帆船でしかない。 漕ぐ

        • 誰かと生きていける程器用じゃない

          「こう思われてんちゃうか」 「この言葉遣いからしてきっと俺は、、、」 「あー、なんであんなんしたんやろ」 「嫌われてるんかな俺」 そう思っては消えていき、 そしてまた思い込んでは消えていく。 あたかも輪廻の世界を生きる我々人間のようにそれは循環し、終わりのない煩悩の生誕、消滅に明け暮れる。 「考えすぎだよぉ〜、リラックスリラックス〜」 いやそんなん出来てたら困らんねん。 なにも好きでしてる訳ちゃうし、そもそも周りのことをテキトーに扱えるほど俺は薄情じゃないはずだ。 だか

          脊髄トーク vol.0000000001

          「文章を書くということは、読者の立場になり、読みやすさの追求、そのための情景描写を徹底すること」 大学の講義でそんなん言われた。 その通りだ。そこで身につけた技術はここで役立つだろうし、そーゆー場所なんだから前に出すべきと思う。 知るかボケ。 俺は俺の書きたい文章を書くし、そこに整合性や承認欲求を出すつもりは一切無い。 自分が生きた、誰も知られない、いや教えたくない弱い自分をここに残して「あぁ、そんな自分もいたな。でもよくやったじゃないか。今日まで耐えて耐えて頑張った自分

          惰性

          生きてて疲れる。 別に死にたいとかそーゆーことは思ったりはしない。 ただ疲れる。取れることの無い倦怠感がこころに居座って、楽しい時のワクワク感は尻に敷かれてしまう。 最近までは顔出さなかったのに、今は隙あらばこころを握りつぶしては先の見えない闇を作り出す。 その次に過去を思い出しては身体が疼いて何かをすることでその「恥」とやら「哀」とかに足掻こうとする。 チック症ではないが、よく握りこぶしを気付かれないように作ったりしてその場その場を凌ぐ。 落ち着きを取り戻せば次に過去に

          過去、そして未来へ。

          「お前なんかゴミだ」 「そんなブサイク面下げて俺と付き合えたの感謝しろよ」 「どの口が偉そうに言ってんだ」 「ろくでもない時間を過ごしてきた分際でよ」 「いつも馬鹿の一つ覚えみたいなみたいなことを言いやがってよ、頭良くなったつもりかよ」 「素晴らしいわ、何様だよおまえは」 「何したって滑稽なんだからよお前は笑」 「矛盾したことが好きなのね君は」 別れた後俺の口から出てきた本心だ。 あの人は他に好きな人を作って、そして素っ気なく俺と別れ幸せを享受している。 ふざけるな、 俺

          オーロラ

          あれはそう、僕が何も知らないウブでわがままな自分がいた時だった。もちろん今だってそうだ。 けど世界の素晴らしさを知っているということではない。 「『愛』とは何か」 そう問い続けていた自分がいた。 誰かと夜な夜な身体を重ね、乾きを満たせない自分がいた。 寂しい、とかではない。 ただ何か、「本物」を探していた。 それを追い求め時が過ぎた。 僕は新大学生になり、酒、煙草、パチンコ、女遊び。 そんな俗なことに満ちた空間に僕はまた身を投じた。 そんなことは昔に遊び尽くし、こん

          無題

          見せ物とかそーゆーのちゃうで。 見ないにこしたことないからやめとき。 とりあえず、今の自分の気持ちを素直に書き込む。 小泉構文になっててもなんでもいい。 誰かに見られて恥ずかしい、そんなことは考えずに自分の気持ちを書きなぐることにことにする。 正直、生きてて辛い。 特に人間関係。 なぜこんなことでいちいちだるい思いせなあかんねん。 ただ自分のしたいように生きることが死ぬまでに残された猶予で許される自由というもののはず。 しかし周りのことを気にして生きる。 それは群れを成

          茜【長編小説#5】

          「、、、ぅ」 「ん、おはよう」 「、、、んぉあよ」 上裸の俺が寝る隣に薄着の姫華がいた。 その薄着から彼女の肌がを覗いてた。 人と寝るなんていつぶりだろうか、、、。 その温かさはいつぶりだろうか。 「、、、え?」 「そのまんまだよ。姫華を買うよ」 「別にいいけど、、、うん」 別にこの前の姫華が犯されてるとこを見て欲情したとかそんなことじゃない。 姫華は何故かこちらを見て困惑している。 それが君の生業だろ、今更なにに怖気付くんだ。 俺に何を期待してたんだ君は。

          藍【長編小説#4】

          「あそこ」に彼女がいた 「、、、」 「、、、」 お互い何も言わずその場で見つめあっていた。 昨夜あんなとこを見られ、振られた彼女だ。 それは言葉がつまるのも仕方ないことだ。 しかし、俺はそんな相手の心情を掴むことより、 綺麗なネイルが施されているそのほっそりした手に握られていた駄菓子に気がいった。 有名な駄菓子で特別珍しいものではなかった。 彼女のお気に入りなのだろうか。 しかし不釣り合いにも程がある。 あるとすればそこには高級ブランドのバッグのはず。 「それ、

          「生きる」ということ

          長い文章になるので、覚悟して呼んでほしい。 これは哲学とそんな大層なことを書いたものではない。 いや、ひとつの懺悔にふさわしいのかもしれない。 「付き合ってよ」 「うん、いいよ」 その二言返事だった。 その返事を聞いて俺は舞い上がるわけでも、泣き出すでもそんな激情に走るようなことはしなかった。 しかしそれは青々とした自然を白銀に染め、寂しく、凍える冬の時期に太陽を浴び、寒さを忘れ暖かさに包まれる、 そんなぽかぽかした気持ちだった。 俺は嬉しかった。 「ごめん!今日は

          白【長編小説#3】

          「私、身体売ってるの」 姫華、彼女はそう名乗った。 姫華は俯いたままそう言った。 横からはどんな顔をしてるかは見えなかったが、地面の水面が彼女の感情を映し出した。 それは名前や金髪と紅のドレスの華やかな見た目からは想像できない何も無い顔だった。 マネキン、そのものだった。 「売るものがあっていいな」 皮肉混じりに俺は言った。 彼女は動じなかった。 そんな静かな時間が続いたが、気まずさはなかった。 俺には分かる。彼女も何もない人だって。 本当に価値があるって自覚してる

          紅【長編小説#2】

          「あはははははw」「聞いてよ最近さww」「ばかかよwww」「んなわけあるかよw」「ったくさーw」「あの女の子可愛くね?」「はい乙ーwwww」「あのころはさ、おr…」「最近アイツどうしてんやろ」「俺ってさ…」「最近彼女がな…」「いやお前ごときがさ…」「うるさいんだよッ!!!」「なんでなの!!教えてよ!!」「お前ごときが…」「用済み。ばいばーいw」「あははwwwwwww」 「…。」 人間の鳴き声を知覚して、心の霧は濃くなる一方だ。 最近は人の声がどうもわからなくなってきた。

          灰【長編小説#1】

          雨が降り始めた。 ぽつぽつと、そしてやがて霧雨になり、どんよりとした空だけが残った。 「虹はかかるのか。」 そんなわけなかった。 雨の後は虹ではなく、晴れること待ち望む俺たちを嘲笑う雨雲だけが残る。 誰かが言った 「虹を見るためには雨に打たれないと」 雨は幸せの前触れではない、不幸の一環でしかないのだ。 そんなギャンブルにハマった廃人の言葉を色鮮やか表現し、希望を持たせるような響きを奏でようと、雨は所詮晴れのお告げを知らせるものでは無いのだ。 俺は曇天の下、こころも