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【完成】CandyCircus #番外編 『踊り子の行進』/襦袢制作

2020.1.21-2021.9.08

【南蛮七宝の襦袢】が生地の製織が間に合わないほどの人気です。デザインはもちろんのこと、洗えるや着心地などの機能面にも満足して頂いています。表から見えにくい襦袢部分、そこに安くはない金額を掛けて頂けることに驚きです。

この人気を受けて、ちょっと遊んでみたい・・・そんな気持ちでモノづくりを始めました。ハマるとずっとやっていそうですので、完成は5月末ごろと期限を切ってはじめたのが、CandyCircusの襦袢づくりになります。

完成までのモノづくりの流れを記しておきたいと思います。

2021.1.21 進度メモ

襦袢の白生地の上に型を置き、柄を制作していきますので、まずは漠然としたイメージをつくっていきます。この段階では生地もいくつかの候補があるくらいで絞りきっていません。

そして、デザインは帯からイメージを膨らませています。水花、クッキー気球、舟・・・など。。。


2021.1.30 進度メモ

CandyCircusは色数が多いものが多いため、襦袢の機能性を考えると、色落ちし易い染料、焼けてしまう染料などの考慮が必要。それに基づいて、かなり大量にあったデザイン案を絞っていきます。


2021.2.15 進度メモ

デザインのモチーフ2柄は、ほぼ決まる。ただし、帯に使用している作品をベースにしたものの決定なので、まだまだこれから。

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織りと染めの表現力の違いを考えながら、型での表現をどうするか、地色の検討を行なっていく。生地はまだ決まらず。。。


〜この間はデザインの修正。生地探し〜
 →結果、袷の生地を採用


2021.3.20 twitter

twitterで呟いていましたが、相応しい生地を見つけました。今まで使ったことのある生地(とは言っても一枚だけ雀形七宝で染めたモノ)。


2021.3.24 進度メモ

デザインの整理。襦袢としての柄の流れがほぼ決まりました。作家の舟田潤子さんにご意見を頂きながら、最終のデザインの詰めをできる状態に。できれば、その後、今月中に固める。

さらに型を彫って・・・。

5月末には発表。ちょっとできる気がしてきた。


2021.4.1 進度メモ

帯にもあるデザイン2つのうち、一つ『クッキー気球』はほとんど帯で制作したまま、図案→染めに入っていきます。

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現在、検討中はもう一方。2月15日の段階とは異なり、反物の中を行進する様に流れを検討中。面白い上がりになりそうですので、雰囲気はこのままもう少し大小・メリハリを付けて図案に入る予定をしています。


2021.4.9 クッキー気球、実際の制作作業入り

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型をつくる前の最終段階の図が決定。これを元に型を作り、最初の一色目も決まります。

作品から線を整理した以外は、ほぼそのままの空気感を作れていると思います。白い紙に印刷をするわけではないため、ここに生地の素材感、少し生成色影響(地色も染めるので影響は僅かですが・・・)が加わります。

この型段階で意識、気をつけていることは、気球カゴ部分の『赤』色。帯のクッキー気球でも、赤・黄色など配色バージョン違いで織りましたが、どれだけ細かな織物でも、一ドットは必ず入れる。パッと見てもわからないでも、よく見たら気づくそれくらいの存在感をここには入れてきました。

この襦袢でも、それは同じ。できれば帯よりも際立たせようと、そのために線の整理をした箇所もあります。

これが染め上がり段階でどうなるか、分かりませんが、おそらく大丈夫。楽しみです。


2021.4.20 ブログに記載

 襦袢づくり人気


2021.4.23

こちらの生地バージョンは完成。
(袷・単衣生地)

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舟田さんにも色柄、あと生地を確認して頂く。多少アレンジをしていましたので、これで安心です。そして、今まで実績のある生地も織り上がっていますので、合わせて特急で染め上げ依頼を行う。


他にも、この型をつかって、他にもモノづくりを考えています(4.26)。

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5/19 【制作動画】

オールシーズンの生地を使って制作している場面を動画にまとめました。赤点の色を入れるだけでも、当然型をつくり、そして手でその色だけを入れていきます。

手で色を確認しながら、制作すること。そして、コストのことも考え同時に2反染めていきます。

5/27 オールシーズン生地バージョンも完成

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9/7 コーディネート

夏着物を着られた際、襦袢の柄が透けるのを心配される方もおられますが、敢えて見せる。そんなコーディネートも素敵です。

今回、合わせられていたのは、御召の紗。市松柄の底からクッキー気球の襦袢が見える。紗合わせの雰囲気でとても素敵な着姿でした。


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