【思考の柔軟性と軸を立てる考え方】
鍼灸師で易占家の仙亀です。
ぼくは占術をツール(道具)として考えて、占いや相談事などのお仕事に用いています。
たとえば、ぼくがフツーの一般男性だったら、人から相談事を持ち込まれたときに、僕の価値観や今までの経験、過去に同じようなことがあったときの体験などをもとに、相談案件に寄り添うんじゃないかなぁと思います。
でも、占い師さんという立場で僕が相談事に向き合うときには、僕の過去の経験や学び、人から聞いた情報などは一切用いません。
では、なにが思考のよりどころになるかといえば、それが占術の道具です。
たとえば、一般的な西洋のタロットカードであれば、78枚のカード1セット(1デッキ)が思考のよりどころになっています。
タロットカードの種類や絵柄の特徴にもよりますが、わりと人のこころに寄り添う答えを導き出してくれやすいツールなんじゃないかなぁと思っています。
22枚のメジャーと呼ばれる大きなテーマで応えてくれるカード。
くわえて、4つのエレメント(火・水・風・土)のイメージをもつ14枚ずつのマイナーと呼ばれるカードには、1から10までの物語と、4人の人物カードの組み合わせで、4種類×14枚で56枚のカードがあります。
一枚一枚のカードには、それぞれの世界観があります。
占い師さんは、鑑定内容とめくったカードを照らし合わせて、答えを導き出していくわけです。
このとき、めくったカードが答えそのものではない、というのがポイント。
よくめくったカードを色眼鏡にたとえることがあります。
恋愛相談を受けた時、たとえば「恋人たち」というニックネームのカードをめくったとき、率直に恋愛がうまくいくと考えることができます。
恋愛相談で「死」というニックネームのカードをめくったとき、恋愛が終わった、とみることができます。
恋愛相談で「愚者」というニックネームのカードをめくったとき、自由度の高い恋愛と発想することができる。
でも、タロットカードのテキストや書籍一般に書かれていることって、カード一枚一枚の世界観をわかりやすく解説してくれているだけで、「こたえ」ではない。
恋愛相談で恋愛が成就するかというとき「恋人たち」のカードが出た時、もしかしたら、「もっと向き合う必要性」を伝えているのかもしれない。
あるいは、相手にはすでに「向き合っている相手がいる」状態なのかもしれない。
恋愛の形にこだわり過ぎて、プロセスを見失っているのかもしれない。
恋愛相談で「死」のカードが出ても、相手の現在の恋愛状況が終わりを告げるタイミングだったら、相手を慰めるように寄り添うことで、自分との新しい恋愛のチャンスが訪れるタイミングかもしれない。
「愚者」のカードが出たら、思い込みや悲観的な感情を抜きにして、あっけらかんとアプローチすることで、恋愛がうまく成立するかもしれない。
なんていうふうに、カードのニックネームにとらわれ過ぎて、せっかくカードが示してくれている「柔軟な発想」の機会であったり、「思考の軸」「考えのよりどころ」となるものを置いてけぼりにしてはもったいない。
道具としてのタロットカードが役に立つのは、「柔軟な発想」と「思考の軸」を前提条件に示してくれることだけです。
先の恋愛相談をいただいたとき、前提となるのは目先の相談案件について、まず78通りの思考の方向性が用意されているということ。
この78通りの「思考の軸」から外れないように、柔軟に発想を広げていくということです。
気を付けなければいけないのは、ほかのカードのテリトリー(思考の軸)を侵さないようにすること。
1案件に78通りの着眼点。
そのうえで、軸をブラさない思考の発想で、問題解決の糸口を探っていく。
ぼくはこんな風にタロットカードを使っています。
軸をブラさないことで、鑑定内容の論理が一貫してぶれることがない、ということで発想が広がっても、方向を見失うことがないのがよいところです。
たとえ鑑定結果を批判的に見直してみても、基点と方向性がぶれていないので、鑑定結果を補足修正することに、批判を集約させることができる。
※本質を見失うことがないので、批判的な見方をしても、表現しきれていない穴が埋まっていくだけなのですよね。
ちょっとしたことを考えるとき、タロットカードや易カードは思考をタフに支えてくれる便利なツールです。
人格がない分、気を使わなくてもよい素敵な相棒ですね。
実はこんなタロットカードや易カードなど、占いツールが人々の日常にもっと身近になればなぁなんて思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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