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第51話 感染源不明はたったの10例

台湾の新型コロナ対策の成績を振り返ってみよう。

2020年6月7日時点の統計では、累計感染者数443人。
内訳は、入院中6人、死亡7人、回復430人。
感染経路別には、国外流入例352人、国内感染例55人、軍艦集団感染36人。
対1万人口比の感染者数19人(日本135人)、対1万人口比の死者数0.3人(日本7人)。

国内感染例が極めて少ない点に注目してほしい。
さらに、国内感染例55人中、感染源不明だったのはわずか10人(末尾グラフのグレー部分)。そこから派生した二次感染はわずか17人。ここが台湾のコロナ成績の真に称賛されるべき点だ。

以下、感染源不明例の詳細(症例番号:診断日、二次感染者数、発症から診断までに要した日数):

No. 24: 2/19, 2人, 28日
No. 27: 2/23, 5人, 17日(第20話
No. 34: 2/28, 8人, 7日(院内感染を引き起こした例、第23話参照
No. 100: 3/18, 0人, 6日
No. 134: 3/20, 0人, 3日
No. 156: 3/22, 0人, 10日(第31話
No. 268: 3/28, 0人, 28日(慢性呼吸器疾患あり、正確な発症日は特定困難)
No. 322: 3/31, 1人, 5日
No. 336: 4/2, 1人, 16日
No. 379: 4/8, 0人, 4日(第38話

 ここから推測するに、コロナ対策を進化させ続けた結果、3月には二次感染者がほとんど生じない仕組みを完成させていたということだろう。「台湾モデル」では、海外から流入したウイルスを国内に広げずに封じ込められることが証明された。

 では、「台湾モデル」とは何なのか?早期に診断し、迅速に接触者を特定し、必要な人に対して適切な隔離を実施するという点では、他国のコロナ対策と大差はない。個別の対策を詳細に深堀りすることで何かヒントが得られるかもしれないので、次話以降は対策別に原稿を書き進めたい。

(参考)台湾での新型コロナ新規感染者数の推移

0607までのグラフ

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