記事一覧
Clubhouseでウイグル人の「声」を聴いた
中国新疆ウイグル自治区で中国政府による非人道的な強制収容が行われているというニュースは以前から断片的に報じられていた。私も新疆ウイグル関連のニュースを見聞きしていたが、それらの情報を深く追うことはなく、なんとなく忘れていた。2021年に入り、アメリカやイギリス政府がウイグル問題に対し懸念を示し始めた。
(参考)2月5日にイギリスBBCが出した記事:
https://www.bbc.com/jap
日本の国旗が消えた! 〜日本式リーダーシップの可能性〜
2021/10/1朝、台湾で「熱いニュース」が流れ、台湾人社会を盛り上げた。備忘録としてここに記す。
フリーダイビングが政治に巻き込まれる▼9/20からフリーダイビングの世界選手権(AIDA Depth World Championship)がキプロスで開催され、その様子はYouTubeで配信されていた。
▼大会7日目の9/28、突如台湾選手の名前の横から国旗表示🇹🇼が消えた。他国の選手に
Clubhouseで風が吹いた 〜忘れられない4日間〜
2021年1月下旬、日本で音声SNSアプリClubhouse旋風が巻き起こった。私自身は1月30日にClubhouseを使い始めた。
Clubhouse旋風は中国でも起こった。2月2〜3日ごろ、サーバー不具合を体験したユーザーは多いと思うが、これは中国本土での急激なユーザー数増加に伴うものだろうと噂された。現在の中国では、政府による情報統制が行われており、中国共産党に都合が悪い内容等は厳しく
第61話 個人情報保護と開示
コロナ対策では、個人情報保護の程度が国によって違うので、この場で台湾の状況を整理しておきたい。
台湾政府は、個人情報保護はクラスター調査の要であることを強調していた。感染者を社会から守らなければ、調査への協力は得られず、結果的に感染を抑え込むのが遅れてしまう。政府の記者会見ではクラスター調査が機能していることを国民やマスコミに示し、個人情報を開示することで利を得る人はいないことを明言していた
第60話 厳しい退院基準
台湾では、コロナ感染者は全員入院の上、陰圧病室に個室隔離される。そして、症状軽快後に3回のPCR検査で陰性が続けて出ないと退院できない。すなわち、陰性、陰性と続いても、次陽性だと、もう一回最初からやり直し、ということだ。結果的に入院期間がとても長い。中央値が27日。入院期間が一番短い人で7日、一番長い人は80日。ほとんどの人は、入院期間の終わりでは症状消失しており、ただ検査で陰性が出るのを待って
もっとみる第59話 厳重に管理された医療・介護現場
コロナ初期から、台湾政府は病院や介護施設に対して予防線を張り続けていた。病院や介護施設への措置は、3つの目的があったと思う:①医療・介護従事者を守る②患者・高齢者を守る③医療・介護施設の機能を守る。一般市民に対しての規制は限定的だった台湾だが、医療・介護現場の規制は厳重だった。
面会制限 まず、2020年2月2日より、中国からの渡航者は一律入国から14日以内は医療・介護施設への見舞いなどを禁止
第58話 非常時の医療体制
備えあれば患いなし。転ばぬ先の杖。Lay up for a rainy day. Hope for the best and prepare for the worst. どの国にも同じような概念がある。日頃から非常時を前提に準備をしておくからこそ、いざという時に「想定外」にも対応できるのだと今回よくわかった。
用意されていた医療計画 台湾では、感染症流行を想定した対応計画(傳染病防治醫療網推
第57話 迅速なクラスター調査
今回のコロナ対策で、「クラスター」という単語の認知度が随分と上がった。もともと、クラスター(cluster)は「ひとまとまり」「集団」という意味。公衆衛生学でのクラスターは感染集団を指し、クラスター調査は「連鎖的に感染した集団を見つける調査」だと捉えればよい。クラスター調査のことを接触者調査/接触者追跡調査と呼ぶこともある。
台湾では、感染者が見つかるとクラスター調査がいち早く展開される。台
第56話 拡大する検査能
台湾では、2019年12月31日に武漢での原因不明肺炎発生に対して水際対策を開始し、2020年1月5日には専門家たちを召集して第一回専門家会議を開いた。この会議にて国内のPCR検査能の拡大が必須だと進言されたため、政府は早々に着手した。
PCR検査の実施には、適切な検査室の設備と熟練した検査技師の両方が必要になる。台湾では、ハード面を増やすとともに、技師の訓練も並行し、1月22日時点での検査
第55話 短期間で更新される通報基準
どんなに水際強化しても、水際をすり抜けるウイルスは必ずいる、という前提が大事だ。すり抜けたウイルスをどうやって見つけ出すのかに台湾政府は力を注いだ。あくまでも個人的な見解だが、ここが台湾の明暗を分けたのではないかと私は思っている。
コロナの通報基準は短期間で目まぐるしく変わった。そもそも、2019年12月31日に武漢で肺炎が発生していると分かった時点では、原因ウイルスは不明だった。そのとき設
第54話 切れ目のない在宅検疫システム
在宅検疫は水際対策の一部と考えるべきだろう。在宅検疫中は、「ウイルスが国土内には入っているが、街中にはまだ出ていない」からだ。台湾の在宅検疫システムは、今回のコロナ対策で構築されたものだといっても過言ではない。(在宅検疫対象者については、第53話参照。)
空港からの移動手段 空港検疫が無事終了した人は、在宅検疫書を渡され、そのまま検疫場所へ速やかに移動しなければならない。空港から検疫場所までの
第53話 きめ細やかな水際対策
水際対策とは具体的には何なのかと改めて考えてみたのだが、①誰を入国させるのか(入国制限)と②どうやって疑わしい人を空港で見つけるのか(空港検疫)の二点に大きく分かれるかと思う。
1)誰を入国させるのか(入国制限)台湾は、海外のコロナ情報を監視しながら、入国と在宅検疫基準を更新し続けた。
1月22日 中国湖北省からの団体旅行客の入国禁止。
1月23日 中国武漢市からの中国人入国禁止。
1月26
第52話 SARSが台湾に残したもの
台湾のコロナ対策での成功は、SARS(重症急性呼吸器症候群)なしには語れない。
2003年、アジア一帯に猛威をふるったSARSは、台湾で346人の感染者と73人の死者をもたらした。いかにひどい状況に陥ってしまったかは、ネット上に散らばる当時の記事を読んでもらえると良いと思う。加えて、隔離政策によって人権が侵害され、差別によって社会に対立が生まれ、国内は混乱に陥ったので、疾病とは別の悲惨さが当
第51話 感染源不明はたったの10例
台湾の新型コロナ対策の成績を振り返ってみよう。
2020年6月7日時点の統計では、累計感染者数443人。
内訳は、入院中6人、死亡7人、回復430人。
感染経路別には、国外流入例352人、国内感染例55人、軍艦集団感染36人。
対1万人口比の感染者数19人(日本135人)、対1万人口比の死者数0.3人(日本7人)。
国内感染例が極めて少ない点に注目してほしい。
さらに、国内感染例55人中、感染
第50話 コロナ前半戦、終了
2020年6月7日 2020年6月7日、台湾では8週間連続国内感染者ゼロを記録した。コロナの潜伏期2週間×4回を乗り越えたことになる。もうコロナは台湾国内にはいない。この日をもって、国内規制は全面解禁となり、国民にとっては事実上のコロナ対策終了宣言だった。(防疫新生活の守るべき二項目は日常のデフォルトという位置づけ。国境開放はまだ先。第48話参照)
6月7日に至るまでの数日間、政府はコロナ対策