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さらば、『初心者マーク』🔰

我が家の次男が、運転免許取得から丸一年を過ごし、初心者マークを車から取りました。

色褪せた初心者マークを眺めながら、あの日の事を思い出しました。

それは一年前、次男の新生活の手続きをする為に、市役所や銀行に同行した時の事です。

よく知っている場所でも、自動車を運転して向かうのは初めての次男は、緊張気味にハンドルを握っていました。

とある交差点で左折をした時です。

ヒラリ🍃

助手席の私の視界に、何かが後ろの方へ舞って行くのが見えました。

それは、ボンネットに貼ってあった初心者マークでした。

次男は、すぐ近くにある公民館の駐車場に車を停めて、初心者マークを拾いに向かいました。

しばらくしてマークを回収してきた次男は、その後予定通りに銀行や市役所に行きました。

銀行の登録用印鑑を家に忘れて来ていたり、車の鍵をシートの隙間に落として見失ったりと、日頃の己のボンヤリ癖のせいで、あたふたしていた次男。

仮の印鑑を文房具屋さんで手に入れたり、車の鍵を見つけたりした私は、「今日が次男の人生の節目なんだな」と思っていました。


次男のそれからの一年たるや、実に忙しいものとなりました。

言葉にしないと心の整理が追い付かないのか、夕飯時には私を相手に自分の気持ちを語り続ける日々が続きました。

そうこうしている間に、次男の物の考え方や行動がどんどん変わっていくのを私は感じていました。

🌸🌸🌸🌸🌸🌸

役目を終えてホッとした表情の初心者マークをゴミ袋に入れて、「人にはそれぞれ飛躍する時が与えられているのだなぁ」と、大いなる安心感の様なものを感じた私なのでした。





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