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開かれた表現者

空中階が来週25日にオープンする。
「場」を作ること、そこで誰かの「表現」に触れること、そして「対話」を重ねることをこれまでずっとしてきたし、
これからもずっとしていくと、改めて思う。

小学生から大学生までずっと、謝恩会や文化祭、イベント出店などで、劇やダンスや店舗など、脚本、演出、振付、装飾をすすんで考える生徒だった。
社会人になってからは自宅で三遊亭兼好師匠の寄席を開く席亭になり、
自宅や事務所のリノベーションイメージも、自分で考えた。
そのうち、足立区の印刷会社の方々のお力を借りながら千住紙ものフェスを企画、プロデュース、



区役所の方々と一緒に開催したウラアダチフェスも企画立案、


2年前は間借り型でのブックスナックを思いつき、ママをしながら毎月著者や編集者をゲストに招いたトークイベントを開いた。


そして今回は空中階。
一つだけこれまでと変えたのは、文化祭の延長にするのはやめようと思い、一部屋にだけわずかながらも、ある程度まとまったお金をかけたこと。
もちろん、取り壊す予定のために改修自由な場所であったことに背中を押されはしたが、
オーナーの芝園開発さん、運営メンバー、それぞれのイメージに少しでも寄与できるようにと共有空間を思い描いていった。
その意味でも建築士の飯名さんの豊富なアイデアに、そして多くの支援者に助けられながら、できない妥協を譲らずに、できる妥協に目を瞑り進めていった改修工事。
来週にはこの場所がオープンする。

振り返ると、人生の大半で場を形にしている。
こうなると、なぜ自分がイベントプロデューサーや空間デザインの仕事に就かなかったのか、今更ながら疑問。
でも、今でも自分がその職業に就くイメージはない。

また、小学生の頃から人に相談されることが少なくない。
悩み相談を受けた記憶は無数にあるし、
解決して晴れやかな顔を見せてくれる相手を前にこちらも聞いてよかったなと自然と感じていた。
センジュ出版を立ち上げてからは、カフェでさまざまな方からの相談を伺い、
さらには今も文章講座や読書会で、込み入った話を聞かせていただく機会も多い。
行政の受託事業の選定委員や、とある助成金事業で審査委員長を務めることにもなり
話を聞いて相手の方向性に気づくことが苦手でないとは思う。

でも、カウンセラーやコーチや先生やコンサルタントになりたいとは思わない。

自分がより一層対話を重ねる編集者でいられるよう、これから哲学対話を学んでいくことにした。
本がイベントになろうと、スペースになろうと、私にとってはさほど変わりなく、
誰かの表現を後押しできるなら、それが本でなくとも構わない。
未来の表現者を刺激してくれる、開かれた存在。
そもそもセンジュ出版も、そうした表現者の本を読めたおかげで生まれた背景がある。

大抵の編集者は、著者のために本を作らないと思う。
その意味で、主催者のためのイベントも、閉ざされた場も、私にはあまり興味がない。
読者のため、イベント来場者のため、場を訪れる人のために考えることは、
結果それが、著者のためになり、主催者のためになり、場を持つ人のためになる。

自身の開かれた表現を確かめたいあなたは、
空中階にどうぞお越しください。
本と、対話と、愉快な仲間と、
時にはコーヒーやお酒、ハーブティー、おやつや美味しい料理が、
あなたをここでお待ちしています。
応接室と書斎とリビングの中間のような空中階で、
あなたの表現に触れる日を、楽しみにしています。

ところで、人を集める場やイベントのデザインを、編集者と対話しながら相談したいというロマンチックで、ウイットに富んだ、愛すべき企業の方。
いくつかの意味でゆとりある、そんなあなたからのお仕事、お待ちしています。

という、企画系事業にまつわる、経営者の脳内対話メモ。

日曜日のYouTube配信、アーカイブも残します。
ぜひご覧ください。

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