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依頼を循環させる

相談や依頼の連絡が毎日来る。
とてもありがたいので、どんどん受け付けたい。
解決できるかはさっぱり自信がないけれど、まず、話を聞くことはできる。

でも、時間が足りなかったりでなかなか期待に応えられず歯痒く感じていた時期や、
気持ちにゆとりがなくてそうした連絡を億劫に思っていた時期があった。

今は、まったくそれを感じない。
私でよければ連絡してほしい。何か役に立てることがあるなら、喜んでする。

ただ、わたしは依頼を受ける時、一つのルールを決めている。
お願いを快く受け取る代わりに、その連絡の内容に合わせて一つ、こちらからもささやかなお願いをさせてもらっている。
相手が受けてくださるかどうかは、どちらでも構わない。

お互いがお互いの役に立つ。流れを一方的なものにせず、お互いに流しあって循環させる。
人は、人の役に立てることを嬉しく、幸せに思うもの。
依頼されて喜んでもらえることをわたしはありがたく感じているけれど、
同じ気持ちを依頼者にも手にしてほしい。
あなたもまた誰かの役に立っている。
循環経済のそもそもは、この気持ちにある。

なので、宣伝してくださいと言われれば宣伝を、
買ってくださいと言われれば購買を、
こちらからもお願いしている。
これがまた、流れがお互いを通じてぐるぐると循環するようで、
とても心地がいいし、何よりこちらのほうが相手に感謝することになる。

以前のわたしは、お願いを聞くことがあっても、こちらからすることはほとんどなかった。
正確に言うと、お願いしたいことがなかった。
会社をやっていて、届けたい商品やサービスがさまざまあるというのに、
自信がなかったのだと思うし、どこか経営の真剣みに欠けていたのかもしれない。
きっと、日常に鈍感だったのだろう。
今もそうだが、ぼーっと生きがちだ、わたしは。

でも、ありがたいことにセンジュ出版は、
「センジュ出版が必要とされているのは、こういう理由だ」
と、内外からいつもわたしのお尻を叩く人たちに囲まれている。
おかげでぼんやりしているとすかさず、
「これを売りなさい!」
「このことを伝えなさい!」
「ここに自信を持ちなさい!」
と(言い方はそれぞれだけれど)、思い返せば設立当初からさまざまな人が背中を割と強めに押してくれた。

人の背中を押すのは得意だけれど、
情けないことに自分自身は、風に吹かれながら誰かを何かを待ちがちだ。
でも、その誰かとの仲を、単に何かを依頼しにきた相手という関係性で終わらせたくない。
センジュ出版を必要としてくださるあなたは、わたしにとっても必要なあなた。

今日も風が気持ちのいいテラスでこれを書きながら、
センジュ出版を必要とするあなたからの連絡を、お待ちしています。

#今日の (正確に言うと昨日の)一冊
#対話のレッスン
#平田オリザ
#207 /365

#循環

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