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刀狩

※コンパクトコラムです。

『太閤検地』と合わせ技一本でお伝えしたいのが、

『刀狩』

です。

これに関してはホントにまんま。「農民から刀を狩った」んですね。

戦国時代の農民てね、バリバリに武器持ってたんすよ。
自分たちの身を守るためにも、刀、脇差(短い刀)、槍、当時最新の武器・鉄砲なんかまで所持しまくり。

それを秀吉は、


「1、百姓(農民)が武器を持つの禁止な! 武器を持って、年貢を払わず一揆をおこすようなやつは罰します! そうなったら田畑を耕す人がいなくなるから、まず武器をボッ収しとく!」

「1、ボッ収した武器はな、いま方広寺ってお寺作ってて、そこの大仏のクギやカスガイに使うから! そうすりゃこの世でもあの世でも農民は救われるぞ!」

「1、百姓は農具だけ持って、田畑を耕すことだけをしとけば、子孫まで無事に暮らせます! 百姓を愛してるから言ってんだぞ! これで安心安全に暮らせるな! よかったな!」


と、かなり恩着せがましいスタンスで、刀狩令ってのを発表(全国いっぺんにってわけじゃなく)。
農民から刀をボッ収していったんです。


この刀狩。
今までずーっと「農民から武器を取り上げて、一揆を防いでやる!」というのが目的だったと言われていました。

ものものしい言い方をすれば、農民の”武装解除”が目的だったと。

ところが、ボッ収した武器のラインナップを見てみると、槍がそこそこ、鉄砲はほどほど、刀多いな! と、とにかくマジで”刀”を大量に取り上げてるんです。

農民の武力をなくすのがゴールなら、槍とかボッ収しなくていいの? 鉄砲なんかもっとやっかいだよ? って話ですが、文字通り、刀を集中的に狩ってるんですね。

てことから、秀吉がホントに目指したのは、”兵農分離”。つまり、


秀吉「戦に出る兵士と、田畑を耕す農民とに、身分をキッチリわけるよ!」


ってことがやりたかったんじゃない? と最近では言われてるんです。


戦国のときの兵士と農民は、すっごくグラデーション。
「はい、こっからは戦う人! こっからはお米作る人!」なんてハッキリわかれておりません。

「武士は成人すると刀を持つ」ってのは、なんとなくイメージとしてあると思うんですが、実は、農民も大人になると、一人前の証として刀を持ったんです。

だから秀吉は、

秀吉「身分をハッキリさせるために、『刀を持ってる=武士・兵士』、『刀を持ってない=農民』というふうに、見た目にもわかりやすい分け方にしよう!」

と、農民から刀を持つ権利を奪っちまったんですね。

しかし、

「てかさ、なんで身分をわけたかったの?」

という素朴なギモンがわく紳士淑女のみなさまがおられるやもしれませぬ。

そちらに1つお答えするなら、
「役割(仕事)をわけたかったから」
なんだよ、紳士淑女。

たとえば、戦争が起こっても田畑を耕す役割の人がいれば、安定した年貢(税)をゲットできますよね。
逆に、戦いに出る役割の人がハッキリしていれば、いつ戦争を起こしてもまとまった兵士の人数を確保することができます。

戦をするにも税を手に入れるにも、役割をわけると秀吉的にすごーく都合が良かったそれが、

『刀狩』

のカラクリです。


『太閤検地』で、お米を基準に兵を確保して、『刀狩』で、身分をわけて兵を確保した秀吉さん。

やたらと兵士をキープしたところで、
「もう日本に戦う相手いないでしょ?」
と思われるかもしれませんが、
「うん、でもまだ海外にはいるから」
ってことなんですよね。

そう、秀吉に明(中国)を攻める構想があったから、全国を統一をした後もたくさんの兵を集め、やがてそれが『朝鮮出兵』へと繋がっていくんです。

教科書で見かけた『太閤検地』『刀狩』『朝鮮出兵』。
「田んぼ調査した」「刀狩った」「朝鮮行った」ってとこだけを見てみると、まったく関係のない出来事がならべられてるだけで、覚える気にもなりません(人によるね)。

でも、「なぜやった?」という"意図"を知ってみると、実は3つのプランが絡みあっていて、こんなとこにまでストーリーがある…ということを感じることができるんですね(これも人による)。

ってところで『秀吉のその後』、お開きでございます。




本当にありがとうございます!! 先にお礼を言っときます!