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これからの音楽と生き方


東京に住むシンガーソングライターの2020年3月以降の生活・考えの変遷について、ひとまず書ける事だけ書きます。

まずはプラスの事。

・組んでいたスケジュールに余裕が出来た。
・家の掃除が出来る。
・思いの外、周りの皆がギターで弾き語りを始めた。
・料理を創作している。
・朝散歩している。
・曲を創作している。

そしてマイナスな事。

・新しいスケジュールは単独作業が果てしない。
・レコ発イベントライブ中止。
・アルバム発売延期。
・クラウドwifi障害による作業遅延。
・収入経路の組み替え、調査、新たな構築。
・レコーディング延期(歌録り不可)。
・配信延期。
・スタジオでのリハーサル自粛。
・ライブ中止2(自粛)。
・自宅で大声で歌う事自粛。(Stay at Home)
・ライブ中止3。
・ライブ中止4。

主要イベントの場であるライブハウスに至っては、向かい風に吹き飛ばされ崖っぷちにかろうじて片足が止まっている状況が続いています。

シンガーソングライターやバンドミュージシャンには、生きづらい世の中になりました。単純に、以前と同じようにはお客さんはライブに足を運びません。暫くは手探りの活動が続きます。

非常事態宣言が解除になると「コロナ時代の新たな日常」が始まり、 ”知って、調べて、体験を買う" ライブに行くという消費行動は、新たな消費行動(買いたい気持ちが瞬間的に起きるパルス型消費行動)との共生となっていくでしょう。なので、これからはリアルイベント、オンラインイベント(投げ銭)、そしてバーチャルイベント(投げ銭)に対してアクションしていく事になります。もちろんオンラインイベントは、まさに今、各地で各自がトライ&エラーの最中で、バーチャルイベントに関しては個人向けの廉価版サービスが出てくるのをただただ待つだけの状態です。

唯一明確な事は、音楽に対するニーズは絶えない。

大前提として、楽曲クオリティ・演奏クオリティに関しては、今まで以上に向き合い一番のプライオリティになるよう努めていく、、本当にタフな作業になりますが、ここが崩れてしまう時は足を洗う時なので、これは何としても死守しないとですね。

一見、八方塞がりに見える状況で、今、少しでもチャンスに変えれるように準備している事は、

・デジタルコンテンツ(配信)を出来る限り増やす。
・楽曲に合ったディストリビューターの選択
・サブスクリプションコミュニティ(SNS)の拡大。
・オンライン投げ銭ライブ。
・グッズ制作。
・悔いのないように。

とにかく色々と配信をする準備をしています。
また、この状況なので、配信する際のディストリビューター(メジャーだとtunecoreなど)のサービスにも動きが出て来て、わずかですが選択肢が増えて来ました。先月soundcloudは、「Repost by SoundCloud」と呼ばれる、新たな「マーケティングおよびディストリビューション・エンジン」をローンチ。「専門的なマーケティングおよび収益化サービス、優先的なチャット・サポート付きの業界をリードする配信機能」を備えているといいます。日本語対応はしていませんが、次の曲はsoundcloudをディストリビューターとして配信するか検討中です。

snsの拡大は特別な事は特になく、地道に粘り強く続けて遂行あるのみです。音声版ツイッターという Clubhouse  も注目です。

そして、一番頭を悩ませている事はライブイベントです。

日本のライブハウスのノルマ制については、賛否がありつつも王道として存在していましたが、今回を機にライブハウスとミュージシャンとお客様の関係が、暫くの間は一定ではなく流動して、混迷した後、新しい形・新しいルールが見えてくるのでしょう。

ミュージシャン側では、ライブハウスでブッキングの無観客ライブに参加する、自前で場所を用意してネット配信で投げ銭ライブなど、多種多様のケースが出て来ます。

ネットライブ配信においては、例えば、ライブハウスの様な背景動画を選べたり、オプションで音に反応する照明を入れられたり、音の響き具合をライブハウス仕様に調整出来たり、5Gの普及と重なって、サービスが増えて来たらいいですね。facebookにも投げ銭可能なライブ配信サービスを考えているという噂もあるようで。

ただ、結局はサービス利用料など、ノルマを支払うシステムにはなるので、自前で投げ銭ネットライブのトライ&エラーを繰り返し、配信クオリティを上げて行き、独自のノウハウを確立していく事になりそうですね。

また、 私のようなタイプのシンガーソングライターが"ネットライブ" をするにあたって考えておかなければいけない事は、

"無料ライブ配信" と "有料ライブ配信" の区分けを明確にする事です。

価格破壊は、音楽業界に限らずもう起こってしまっていますが、演奏する側にとっても視聴して頂く方にとっても、分かりやすい区分けを設ける事が望ましいですね。

が、一つ矛盾している事があります。

ミュージシャンが自前でネットライブをするという思考と行動は、ライブハウスへのさらなる向かい風になり、一方で、今までのようにノルマ有りブッキングライブに参加するならば、集客面で、自らへ向かい風を吹かす事になります。

個人的にはライブハウスには頑張って貰って、以前よりもパワフルに蘇って欲しいと強く思います。リアルの現場がなければ生の楽器の音楽(アコースティックミュージック)などは衰退してしまいます。アーチストと切磋琢磨しながら新ルールを作り、共栄共存して行ければ良いなと考えています。簡単にはいかない事ですが。

サービスを作る視点で見れば、今、音楽業界はニーズがゴロゴロと転がっている状況なので、これから新しいサービス、新しいアーチスト、新しい楽曲、新しいイベントなどが次々と出て来てくれるのではと、(もちろん終わってしまうサービスもあるでしょう)心から期待してしまいます。

アーチストに関しても同様で、これを機に辞めてしまう方もいれば、ネットライブなら出来そうとギターの練習に励む方もいるでしょう。また新しい楽曲も出て来たら嬉しいですね。もちろん自身の制作を含めて。


暫くは、変わってしまった状況の打開策を考えて、新しい道を切り開いていくのみですね。楽しみながら。



歌い伝え響き鳴る。音を通じて存在していたい。よろしくお願いします。