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映画祭がやってきます!

こんにちは。Mです。

いきなりですが、「鬼滅の刃」すごいですよね。公開3日間で興収46億って…ちょっと想像がつかない数字です。私はどうにも小さい頃からあまりアニメにハマれなかった人間なのでおそらく観ることはないとは思うのですが…、それでもこの状況下で映画館に再び活気が戻るのは業界の人間としてとても喜ばしいことだと思っています。

私、アニメ作品には苦手意識があるのですが、アートかぶれな人間なのでヨーロッパのアニメ映画は大好きです。中でもシルヴァン・ショメの作品なんか最高!『ベルヴィル・ランデブー』のすこし毒気のある不思議な世界観や絵のタッチがとても好み。先日見た『マロナの幻想的な物語り』もヨーロッパの独特な雰囲気があってとても良かった。あんなに自由なアニメーションを見るのは初めてで(見ている数自体少ないんですけど…)、限界のないイマジネーションの世界に打ちのめされました。

またここ最近は素晴らしい映画の公開が重なっていて(好きなレーベルA24の作品が揃い踏み!)、新作の話を始めたら止まらないんですけど、ぐっと我慢して本来の目的である仕事の話をします…!


アジア最大級の映画の祭典

さて私は現在、映画やドラマ作品の宣伝の傍ら、来たる東京国際映画祭の宣伝を担当しています。


東京国際映画祭、通称TIFFは今年で33回目の開催となるアジア最大級の国際映画祭の一つです。今年はカンヌ国際映画祭など、コロナ禍のために通常開催が叶わなかった映画祭がいくつもありましたが、東京国際映画祭は“今だからこそ映画を映画館で楽しむことを思い出してほしい”という願いを込め、オンラインではなくリアルでの開催を決定しました。


今年の見どころは?

東京国際映画祭にはいつも豪華な審査員たちがいるのをご存知でしょうか?歴代審査委員長には、アジアを代表する女優のチャン・ツィイー、いまや「BOSS」の顔となったトミー・リー・ジョーンズ、映画祭開始当初まで遡れば、あのグレゴリー・ペックまで審査員長を務めていたんですよ!グレゴリー・ペック、すごいでしょ?


今年ならでは!新設部門「TOKYOプレミア2020」

しかし今回は残念なことに海外からの審査員を招くことができなかったので、悩みに悩んだ映画祭スタッフはある大きな決断をしました。それは、“コンペティションを廃止し、観客賞を選ぶこと”!映画の出来を評価するのではなく、観客が気に入った作品を選ぶというやり方では、カナダのトロント国際映画祭が有名ですね。従来の「コンペティション部門」を「TOKYOプレミア2020」と名付け、全部で32本の作品の中から観客が好きな作品を選べます。

この「TOKYOプレミア2020」の中の作品がまた秀逸で、絶対に抑えておきたい作品ばかり…!日本作品も数本選出されていますが、海外作品はいまのところ配給が決まっておらず、もしかしたら二度と観ることができないかもしれない貴重な作品が揃っているんです。アート色の強い作品からエンタメ作品までいろんなジャンルが揃っているので、好みの映画を自分で発掘するのも映画祭の楽しみの一つ。
観客の“映画を見る目”も試される、少しドキドキな観客賞、ぜひあなたの一票を投じてください!


映画ファン歓喜!世界の一流映画人による映画好きのための映画トーク「アジア交流ラウンジ」

いまや“世界のコレエダ”となった、是枝裕和監督が企画し満を持して開催される目玉イベント!世界中の映画祭をその目で見てきた是枝監督が東京国際映画祭に足りないと思ったこと、それは「世界の映画人との交流」。海外の映画祭ではパーティーやイベントなどにふらっと映画人が参加し、そこでの縁をきっかけに「今度映画撮ろうよ!」という話が生まれるんだとか。
そういった場を作ろうと企画を進めていたラウンジですが、これがまたまたコロナウイルスの打撃で、映画人が日本にやって来れない状況に…。それでも諦めるのは悔しいので、“今年ならでは”の形、つまり、オンラインでのトークセッションを行います!Zoomのシステムを使い、世界中のだれでも参加&質問ができるとっても貴重な機会です。
個人的には、女優・橋本愛さんと『はちどり』のキム・ボラ監督の対談は外せない!『はちどり』がとっても素晴らしい映画だったので、いつかキム・ボラ監督作品に橋本さんが出演するなんてことがあったら…、なんて妄想繰り広げながら楽しめます。『台北暮色』のホアン・シーといい、人選がまた絶妙。



おすすめ作品挙げだしたらキリがないので、新作から昔の名作までとりあえず抑えておきたいヤツ!!

部門ごとにあげていくととても長文になってしまうので、あとはM的「チケットとれるなら意地でもとりたい」作品をザーッとご紹介します。

●TOKYOプレミア2020
『アップル』
ベネチア映画祭の審査員長を務めたケイト・ブランシェットが映画祭で鑑賞してからエグゼクティブプロデューサーとして名を連ねることを決めたという作品。ギリシャ出身の新人監督&奇妙なストーリーがヨルゴス・ランティモスを連想させるので絶対に見たい…!

●特別招待作品
『ノマドランド』
これはもう言わずもがなですね。観とかなきゃいけない説明は不要。

『燃ゆる女の肖像』
ようやく日本にやってきてくれた…!すでに12月4日の公開が決まっていますが、1ヶ月だって早く見たい。

●ジャパニーズ・アニメーション
『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』
昨年3DCGのリバイバル版が公開となりますが、今回はオリジナル版を上映。アニメ苦手といいつつ、これは子供の頃に衝撃を受けた数少ない思い出の映画です。原点であり最高傑作の名作がスクリーンで見れるなんて~。

●日本映画クラシックス
『丹下左膳餘話 百萬両の壺[4Kデジタル復元・最長版]』
『無法松の一生[4Kデジタル修復版]』
この2本が4Kに修復されて、大画面で上映されると聞いただけでどれほどの映画ファンが涙するのか…!山中貞雄や稲垣浩についてなんの知識を持っていなくとも、“映画好き”を名乗るなら黙って見ておきなさい、という貴重なプログラム。

●ユース
『キートンの探偵学入門』
子供用のプログラムとしていますが、大人だって見たい!CGのない時代に笑いのためにここまで体を張る人間がいたとは、と衝撃を受けるバスター・キートン。「一体どうやって撮影しているの?」と裏側が気になって仕方がない。弁士山崎バニラさんに活弁つき上映!



すべての部門をあわせて今年は113本以上の映画が上映されますが、そのすべてはここで紹介しきれないので、ぜひ公式HPでチェックを!気になる作品が必ず1本は出てくると思いますよ。チケットの発売は明日10/24(土)10:00から!


東京フィルメックスも忘れずに!


いつも開催時期がニアミスしていたもう一つの映画祭、東京フィルメックス。今年は本格的に提携を結び、同時期開催することで東京を映画一色に染め上げます!こちらも魅力的な作品多数ありますので、二つの映画祭をはしごしてお気に入りの作品を見つけてみては?
https://filmex.jp/


鬼滅もいいけど、映画祭もね☆

今年の映画祭の主役は観客の皆様!みんなで映画祭を盛り上げていきましょう~~!



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