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【千田琢哉の頭脳】Vol.0009(2009年2月12日発行のブログより)from次代創造館秘書室

オバマ新政権について、どのようにお考えですか?アメリカも大きく変わるのでしょうか?世界はどのような方向へ向かっていくのでしょうか?その結果、日本は?

(岐阜県・建設会社経営・Fさん・男性・57歳)

アメリカはそもそも本格的に四面楚歌状態になってしまいました。

暴れん坊のチンピラが、あまりに度が過ぎると、
徐々に貫目が落ちてきて、周囲は白けてくるのとまさに同じです。

たまに見せる凄味が、月一になり、週一になり、それがほぼ毎日になると、単なるうるさい奴になってしまいます。

かなり前からそういう状態になりつつあったのが、
ブッシュさんの時にピークに達したのがアメリカという国でした。

オバマさんのような人が選ばれるのは、
既に決まっていたのです。

それは、今までにはありえない常識を覆すような条件を
すべて備えていたのが、候補者の中で唯一オバマさんだったからです。

従来の延長線上にアメリカの未来があるわけではない、
という世論だったわけです。

オバマさんは、ケニア人の父と白人の母との間にハワイで生まれています。

幼少の頃はインドネシアで過ごし、
ハーバード大学に奨学金で進学しています。

オバマさんが選ばれることによって、
人種は関係なくなったことを証明できましたが、
これは我々日本人が思っている以上に大変なイノベーション(変革)でした。

アメリカの人種差別は日本人にはわかり得ないほど深いものがあります。

政策についても、ブッシュ政権の対極を打ってきています。

まず軍事についてですが、
イラク・アフガンからは今後計画的に撤退すると言っています。

対ロシアでは、ロシアの脅威を受ける国を後方支援し、
相互の利益が共有できる部分については協調してもいいということです。

金融においては、金融機関への監督徹底強化を進め、
1929年の世界恐慌前が思い出されます。

税財政に関しては、ブッシュさんが富裕層を優遇していたのに対して、
オバマさんは労働者世帯の95%に減税するように動いています。

最大の課題として、これらを実現するために財源はどうするのだろう、
という懸念は残りますが、いずれにしてもアメリカが
大きく変わろうとしているのは間違いありません。

ロシアの大統領メドベージェフさんも、
実は前プーチンさんへのバトンタッチを早急に希望しているのではないか、
とも思えます。

従来の4年任期を6年にすると言っていますが、
それは自分の代には適用しない部分からもそれがうかがわれます。

いずれにせよ、世界は今大きく変革しようとしており、
ポスト資本主義から別の新しい時代へのパラダイムシフトの
真っただ中にいるのは間違いありません。

結果として日本に求められてくるのは、
瀕死状態のアメリカ企業を救うことです。

お金を出すのではなく、愚直なモノづくりの姿勢や知恵を提供するのです。

お金の感謝は事が済んだら、一瞬で消えてしまいます。

これが今まで日本の外交が下手だった所以です。

ところが、知恵を提供したら、それは永遠に尊敬されます。

世界が本格的に変わろうとしているこの2009年は、
2010年以降の方向性をすべて決めてしまう重要な年です。

それぞれの国が本当に反省して、それぞれの強みでもって貢献しなければ、
もはや大恐慌は免れないでしょう。

人類全体が地球規模で試されていると言っても過言ではありません。

...千田琢哉(2009年2月12日発行の次代創造館ブログより)

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