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【千田琢哉の頭脳】Vol.0344(2010年1月13日発行のブログより)

売上が下がってきたためにコンサルティング会社を使って、顧客満足度調査を依頼しました。アンケート結果は思っていたよりもよく、いったいなぜここまで売上が落ち込んでいるのかわかりません。どれも無難な回答であり、ヒントらしいヒントも浮き彫りにできなかったのが悔しいです。

(静岡県・飲食店経営・Kさん・女性・34歳)

アンケートは顧客調査として有効手段の一つではありますが、
必ず責任者が自分の目で1次情報に触れて
仮説をたてておかなければなりません。

以前関東で宿泊していたホテル近くのカフェで
二日連続で仕事をしていました。

すると店内に女性が二人でアンケートを取っているのです。

30代と40代のスーツ姿の女性でした。

恐らく顧客満足度調査のようなものだと思います。

これが非常に迷惑でした。

私の場合はお断わりしたからいいのですが、
それができなかった人は5分間束縛されてしまうのです。

仮に断ると決めていたとしても、次は自分に話しかけられるのではないか、もし断りにくいトークで誘われてしまったらどうしよう、
と気が気ではありません。

何か目的があってカフェに入ってくる人は多いです。

顧客満足度を調査するどころか
顧客「不満足度」を高めているようにも見えました。

しかもその姿を観察しているとものすごく断りにくい話しかけ方なのです。

まるでひと昔前の保険の勧誘のようでした。

これではお客さんは本音で何か答えませんし、
おまけに時間を奪われるのですからいいことなど何一つありません。

やはりお年寄りが断れていませんでした。

アンケート断った人は逆に居づらくなってしまいます。

アンケートを断った人こそ常連かもしれないのです。

ちなみにこのアンケート調査は
二日間ずっと二人の女性が入り浸っていました。

もし調査会社やコンサルティング会社を雇っているのであれば
単なる自己満足に過ぎません。

お客さん一人ひとりに聞いて回りました、
という一方的過ぎる自己都合です。

ところが実際にはお客さん一人ひとりに嫌がらせして回りました、
の間違いなのです。

カフェには休憩しにやってきているか、本を読むか、
仕事をしているか、話にきているか、必ず何らかの目的があるのです。

他人の時間に土足で入り込んできて仕事をした気になっているというのは、せっかくのエネルギーがもったいないですし、
人件費が大幅マイナスになっていることに気づかなければなりません。

私がオーナーならば自腹でお客さんとして店に入ります。

そこで自分が気になったことや
お客さんの表情や行動を丹念に観察します。

社員に対しても特にマネージャー以上であれば
自ら自社の他店にお客さんとして自腹で入ってみる社風にすることによって本質的問題が見えてくると思うのです。

...千田琢哉(2010年1月13日発行の次代創造館ブログより)

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