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【気づき】Vol.0988(2011年3月17日発行のブログより)

パソコン。

僕が大学1年生の頃、情報処理の授業はBASICでプログラミングを習った。

このとき教授が言っていたひと言が忘れられない。

「今のままではパソコンはまだ拡がらない。
なぜならまだ複雑すぎるからだ。
普及するためには笑いが込み上げてくるほどお話にならない。
間もなく超シンプルになって小学生でもお年寄りでも使える時代が
到来する」

教授の言うとおり、
その後間もなくマイクロソフトのWINDOWSが登場した。

シンプルになったら世の中に広まるから、単価も安くなる。

世の中に浸透させようとしたら、基準は小学生やお年寄り、
という教訓はこのときに学んだのかもしれない。

素晴らしい気づきだった。

就職活動もインターネットが普及する前だったから、
リクルート社からドサッと送られてくる就職情報誌に付いていた、
ハガキで応募するというものだった。

電話とハガキでの就職活動だった。

今では信じられないかもしれない。

あっという間に世の中は変わった。

進化するというのは、複雑化するということではない。

進化するというのは、単純化していくということなのだ。

難しいということは、まだ発展途上中であり、
改善の余地が山のようにある証拠だ。

理解できる人間だけしか分からない、という学者的発想では、
貧乏人のまま一生を終えることになる。

より多くの人に理解できるように、わかりやすく、単純に、
伝えることができる順番に富んでいく。

最近の若者は、複雑な本を読む力が衰えてきた、とか、
知的に衰えてきた、 という評論家は多い。

でも、こうした現象をあえて肯定するとするならば、
複雑なものを読解する必要性はそもそもあるのだろうか、
という問いが生まれてくる。

ひょっとしたら、複雑でわかりにくいものは淘汰されるために、
必然の流れなのかもしれないのだ。

学力が低下したということで騒いでいる人が多い。

でも、本当に今の学力が幸せに繋がるのだろうか。

考える力は大切に違いないが、
今の教育は考える力をつけることに繋がるのだろうか。

結果は事実である。

20年前のパソコンと現在のパソコンとの⽐較で、
とても同じものとは思えないほどの違いがあるというのは、
紛れもない事実である。

この事実は、そのまま我々人間の本⾳を物語っているのではないだろうか。

追伸.

あなたの夢や仕事を、10歳の⼩学⽣や100歳のお年寄りに、
わかりやすく伝えることはできますか?

追伸の追伸.

最近毎日全国の読者の⽅たちから、
手紙とメールをいただくようになりました。

中でも、『学校で教わらなかった[20代の辞書]』を読んでくれて、
鬱から⽴ち直れそうです、というメールをいただいたのが印象的でした。

元気をもらったのは僕のほうでした。

ありがとう。

 ...千田琢哉(2011年3月17日発行の次代創造館ブログより)

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