ピケティ入門

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1.概要

「21世紀の資本」は非常に話題になったものの、700ページの大作であり、なかなか読破するのは難しい。そこで、要点をつかむための図だけを抜粋し、ピケティの主張の大意をつかもうというコンセプト。

ピケティは過去の膨大なデータを整理して、経済に関する特徴を見出した訳だが、その主張を支える図がひとつひとつ紹介されながらそれぞれがどういう意味なのか解説されている。ピケティの主張がどういうものかを短時間で理解できる。

160ページ、1時間☓4日の4時間程度

2.説明

α(資本分配率)= r(資本収益率)×β(資本所得比率)
β= s(貯蓄率)/g(経済成長率)
∴ 結論式r> g 

「 r > g 」ピケティの本が一時かなり流行ったため、この式は見覚えがある方も多いかも知れない。

簡単に言うと、
長期間の統計を調べて見ると、資産の伸びは労働収入(給与)の伸びよりも大きかったよ
という事。

r>gになるかの数学的証明ができる訳ではないので、過去の統計から、資本主義というのはこうなると示したもの。他の研究との違いは、統計データの期間。これまでの研究は、比較的収集が用意な大戦後のデータを使用しているが、ピケティは第一次世界大戦前のもの収集した点にある。

 ・「r」 資本収益性:資産からの収入や資産の成長率。
 ・「g」 経済成長率:GDPの成長率。人の生産性が増加したものがGDPの成長率であり、経済成長率=労働に対する収入の増加率(労働給与の増加率)。GDPは所得の総計

βに関しても面白く、貯蓄率と経済成長率の関係がいくらかでいつの時代と同じような格差に近づいているのかがわかる(みたい)。

3.示唆

 ピケティは、資本主義を否定しているわけではなく、世界が成長していくにはいい制度という認識。ただ、資産税などを全世界的に課す事で、富の再分配をしようよという点であるが、これをどう抽出しても(政治家でもないので)自分事に落とし込むのは無理な話し。。。

 この本を読んで自分事として感じたのは、労働収入ではなく資産からの収入を持たないと、格差の下層に向かってしまう。投資をしないというのは、貧しさに向かっているのだと改めて感じる本だった。

ピケティが言うように、最も有効な策は、富の再分配が最も良いけども、私の感覚として、実現するとは考えにくい。。。もし仮に、実現するにしてもまだまだ時間がかかるよね。って事は、その間は少なくとも格差は広がるってことよね。

資産収入を得ようと思えば得られる日本に居るのだから、投資しましょうよ。と思いました。

以上です。
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