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毎日読書#206 『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール)

ロアルド・ダールの児童小説。

とても貧しい家庭に暮らす少年「チャーリー・バケット」が主人公。チャーリーの一家は、チャーリーと、チャーリーの両親二人、それに、その両親である四人の老人、あわせて七人暮らし。

こんなに大家族なのに、稼ぎはお父さんの「歯磨きチューブの蓋閉め」のしごとから上る収入のみ。あんまり貧しいものだから、老人4人は1つのベッドで寝ていたりする。毎日キャベツのスープばかりで、育ち盛りのチャーリーはいつも腹ペコ。

そんなチャーリーの好物はチョコレート。毎日、家のそばにあるワンカさんのチョコレート工場から漂う甘い匂いに打ちのめされている。

ワンカさんは世界一のショコラティエだ。彼の経営する、秘密いっぱいのチョコレート工場は、世界一のチョコレート工場で、世界中にチョコレートを出荷している。

だが、ワンカさんは表に出てこない、チョコレート工場には誰も入れない。秘密だらけの工場だが、ある日のニュースで、チョコレートに子供を5人だけ招待すると発表された。

見学をするための条件は、チョコレートに封入された金のチケットを引き当てること。

さぁ、チャーリーは金のチケットをあてるのか(当てる)、工場は見学できるのか(できる)。


この作品は、最初1964年に発表され、日本に紹介されたのはおそらく1972年の評論社版「児童図書館 文学の部屋」シリーズの「チョコレート工場の秘密」が最初。

現在新刊書店で手に入るのは、同じく評論社のロアルド・ダールコレクションに入る「チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)」という本だ。これは2005年に出ている、訳も新訳になっている。

どちらとも妻が持っていて、読み比べてみたのだけど、どちらもそれぞれ面白い。でも、個人的には旧訳が好み。妻も旧訳のほうが好きということで、子供へのの読み聞かせにはこちらを使った。

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うちの本はこんな表紙。なかなか良い。

ただ、古い翻訳なので、平気で「キチガイ」とか「めくら」とか、現在だと放送コードにひっかかるワードが平気で出てくるので「これはクレイジーという意味で使っているけど、今の時代では使っちゃいけない言葉になっているよ」と、いちいち注意を入れながら読んでいる。

ウンパ・ルンパ達の扱いも、さながら奴隷貿易みたいな話なので「結果オーライなのかもしれないけど、酷い話だよねー」なんて言いながら読み聞かせた。

ということで、我が家では読み聞かせで使われていた本なのだけど、最近、親戚からの荷物に、うちの子供にと「チャーリーとチョコレート工場」のDVDが入っていたことで、にわかに再流行となった。

映画は、ティム・バートンが監督し、ジョニー・デップが主演。どう考えてもアクの強そうな映画。私も妻も未見だったということで、4人で膝並べ映画を見たが、原作を忠実に再現していてとても面白かったよ。

原作の良いところを引き出しているし、原作では不足してたところを埋めている。そして、原作のままでは不都合なところは、見事なフォローが入っている。ウンパ・ルンパも安心だ。

この映画を見たあとに、再度本を読むと、とても極彩色な情景が頭に浮かんできて、楽しさが倍増する。映画では、ワンカさんの物語の比重が増えていて、ラストもそれにあわせ少しいじられているけど、それはそれでとても良い。

もし、お子様がいらっしゃって、小説版が未読でしたら、手にとってみてください。ルビもしっかり振ってあるので、小学校1年生の娘でも読めました。そして、映画のほうも是非。

オススメ!

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。