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『脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ』

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『脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ』
(デイヴィッド・J・リンデン)

神経科学者による脳のお話。

脳の進化の流れから、発生、構造、そして様々な機能についての解説となる。目次はこのような感じ。

第1章 脳の設計は欠陥だらけ?
第2章 非効率な旧式の部品で作られた脳
第3章 脳を創る
第4章 感覚と感情
第5章 記憶と学習
第6章 愛とセックス
第7章 唾眠と夢
第8章 脳と宗教
第9章 脳に知的な設計者はいない

ぶっちゃけ読むのが大変なんだけど、4章から面白くなるので、3章までは我慢して読んでみて欲しい。どうしても無理だと思ったら、いっそ1〜3章は飛ばしても良いと思う。

本書では脳科学のトピックを整理して紹介してくれているのだけど、まず、タイトルにもある脳の「いいかげん」さを踏まえつつ、脳の進化の過程や、脳の仕組みに関する科学的な解説に1章〜3章を使って説く。

いい加減というのは、脳の機能を指しているわけではなく、人間の脳は、その発生過程が場当たり的で、燃費が悪く非効率である事を指している。

進化の過程で、良さそうな機能を次々とつぎはぎで増やしていった結果が今の脳の形なのだ。

よって、非効率だし、燃費はすこぶる悪い。

物事を認知する機能も、癖が凄い。

ただ、その不完全なところが我々の人間らしさというものを形作っているようで大変面白い。

本書では、そういった人間の脳の場当たり的な進化で大きく複雑になってきた事実を踏まえた上で、脳と心の機能について、詳細な解説が入る。これが4章から始まるのだけど、このあたりからとてもおもしろくなる。

しかし、ぶっちゃけると、読むのはなかなか大変だと思う。専門的な話題でも説明が少ないし、専門用語も解説も無く、ルビすら無く登場したりする。

でも、苦労して読んだけのものは得られると思う。


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