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ステンドグラス  その2

埼玉県入間市にあります「旧石川組製糸西洋館」内のステンドグラスが修復された新聞記事が掲載されました。
記事にはこうあります。

「四君子」と呼ばれる蘭、竹、菊、梅が、それぞれ描かれている。
(某全国紙埼玉県版から)

大広間にあるステンドグラスの図柄は、中国 東洋画の画材とされる四君子を基本(蘭、竹、菊、梅の四つの柄)としています。
しかし、展示のステンドグラスは作家独自の遊び心もあり、「竹」「梅」はそのタイトル通りですが、他2枚は別の植物をモチーフにした作品と思われます。
以前の展示では、「蘭」、「茶の花と実」と紹介されていましたが、改修後の説明でどう紹介されているのか、気になるところです。

新聞の記事紹介では、「蘭」、「菊」(「茶の花と実」に該当)、「~が描かれている」という記事内容でしたが、誤解が生じると思われます。
あくまで「四君子」はモチーフと私は考えます。


それから、ステンドグラス作品「茶の花と実」は、ステンドグラスが使われた当時、資料が少なくこんなやりとりがあったのでは、と考えてみました。

依頼主「入間市は狭山茶の特産地なので、茶の花を描いて欲しい」
作家 「茶の花なんか知りませんよ・・・」
依頼主「丸みをおびた白い花で、中央部分が黄色くて・・・」
作家「手元に資料がないので似たような花でデザイン案を考えます」

という電話、手紙のやりとりがあって、他の画集から引用したのでは・・・
と、個人的に考えてみました。
実際はもちろん違うとは思いますが・・・

ステンドグラス作品「茶の花と実」に描かれた花は「茶の花」には近いのですが、どちらかと言えば、「カラー」をモチーフにしたのでは・・・
と個人的に考えてしまいます。

参考 画像右上「茶の花」、画像右下「カラーの花」


■追記
モチーフにした植物がどのような植物なのか、生え方など、そのような事実は無視して、花のイラスト素材を部分的に使用していると考えます。
それは全てのステンドグラス作家が絵心があり、オリジナルを描くことはできなく、そのため、他素材の活用を行っていたと考えるからです。
(他作家の作品でも画集の引用と思われる箇所が見られます。)

個人的には「白玉椿」もデザイン案のひとつと考えています。
ただ、大正当時の国内イラスト素材集の存在を考えると、国内でなく海外の画集を用いたと考え、「カラー」が用いられたと考えます。

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