人間の育て方

人間には人間の育て方のコツがあります。「子育てが大変」。確かに大変な場面はいくつもやってきます。ただ、その場面においてお母さん自身がどのように感じ、どのように関わっていくのか?で、「大変」が、「大変だったけど、さほどそこまで」という感じに変わってきます。

1、人間の脳は皮膚にあり

脳は抱っこで育つという著書があるように、「触れ合い」は赤ちゃんにとってとても大切な要素になります。抱き癖がつく。などという言葉を聞きますが、娘を抱っこをしていた私自身は、抱き癖ってなんだろう?と思うことがよくありました。

私の娘は、生後1か月で心臓の病気を診断されました。一瞬頭が真っ白になったのですが、「どうやったら、この子の生命力の可能性を伸ばせるのか?」と、いろいろ研究してみたのです。バーストラウマをなるべく最小限にしたいと思い助産師になった私は、やはりこのトラウマもそうですが生命力の可能性を伸ばすのに「触れ合い」は不可欠だと考えたのです。

ベビーマッサージを始めましたが、裸でオイルを使用してのマッサージはめんどくさかったので、ドライでも簡単にできるマッサージを考え、毎日実施してました。

そして他にも、「触れ合う」ことを多く取るためにはどうしたら良いか?と考え、「頬ずり」が簡単だと思いついたのです。

ふとした時に、頬ずりをする。こんか簡単なのに触れ合いの時間を作れている。これは簡単にできていいなって思いました。

2、子どもの命の力を信頼する

動物のお母さんを見てみると、心配するというよりは「自立を見守っている」という風に感じます。一方で人間のお母さんは心配が先に立ってしまったり、先回りして親が道を作ってあげることもあります。

この心配も過干渉も、失敗しないように口や手を出し道を作るのも、「子どもの命への信頼」がないということになります。

子どもの命を心から信頼しておけば、心配より「見守る」が先に立ちます。もちろん、自分の命や人の命を傷つけるようなことがあってはなりません。そのために親が注意して見守るのは必須です。

ただ必要以上に口や手を出すのは、「私がちゃんとしないと、この子に何かあったら」と子どもの命を信頼していないことになります。

大丈夫。子どもは案外強い。命の危険予測はもちろんしてもらいたい。ただ、必要以上にしなくて大丈夫ということです。ある程度自分で出来るのを見守る。忙しい毎日ですが、この時間をどこかでとってほしいなと思います。人間の能力を上げるのに欠かせないことだからです。先回りしないで、かすり傷ならやらせてみる。


今回はこの2点について書きましたが、「触れる」「心配ではなく信頼する」は、人間の育て方としては外せない要素だと思っています。しかも、簡単にできる。

産後うつや子育ての悩みも多く聞かれますが、子育てのスタートは生んだその瞬間から始まります。「楽する子育て」ではなく、「気づけば楽だった子育て」にしてみませんか?

人間の育て方のポイントを知れば、「大変なときもあるけど、まぁ大丈夫」と笑い飛ばしていける。そう思っています。