遂行機能障害でGMT(Goal Management Training)って具体的にはどうやるの?例題を元にやってみよう!

高次脳機能障害のリハビリテーションってめっちゃ悩みませんか?

高次脳機能障害のリハビリテーションについては

・何をどのように評価していいかわからない
・評価結果をどのようにアプローチに繋げていいかわからない
・脳機能と症状との関係を捉えにくい
・どのようにADLに汎化すればよいのかわからない

などなど、キリが無いほど悩み相談を受けることがあります。

実際の臨床では、脳画像を確認し、予測される機能障害との一致度を検討し、一致していない部分はどうしてかを考察する。

そして、損傷部位に応じた病態把握を行い、適切な評価手段を用いて評価し、結果を解釈しアプローチにつなげる、という流れが必要になります。

高次脳機能障害のリハビリがよくわからない方の最大の共通点、それは、、、
「高次脳機能障害の各症状におけるエビデンスのあるアプローチを、どのように患者様に適応させていくか」が理解できていない事にあるんです。

高次脳機能障害のリハビリテーションで結果を出せないでいると

まず、自分が提供するリハビリテーションに自信を持てなくなります。

すると常に不安を抱えながらリハビリを行う事になるので、対象者への態度にも自信のなさが表れます。

「なんで私はうまく動けないんですか?」
と聞かれた際に、ごまかして説明してしまいがちになります。

もう悪循環真っ只中です。負のループです。
抜け出し方がわからなくなります。

「注意・遂行機能障害に対する各アプローチ」の出番です

このnoteは、臨床でよく遭遇する注意障害や遂行機能障害に焦点を当てています。

注意・遂行機能障害に対するアプローチにはさまざまなものがありますが、それぞれのアプローチをどのように目の前の患者様に適応させていくかがわかるようになる。

そして、アウェアネスを高めることで、自分で問題解決できるに至るまでの過程を理解できる。

そのようなことを目指して作りました。

もちろん、症状には個人差がありますので、ベーシックな考え方ができるように内容が構成されています。

患者様に、症状の出方やアプローチの考え方を説明する際にも、もちろん使える内容になっています。

マガジンでは遂行機能障害に対する様々なアプローチを確認できます

マガジンでは、遂行機能障害に対するリハビリテーションの理論と具体的方法としてGMT、TPM、自己教示法、問題解決訓練の4つがセットになっています。

マガジンを購入していただくと、4アプローチがセットで 1480円となっています。

専門書はお値段が高く、少しでも皆様のお手元に渡りやすいと思われる値段設定にしました。


マガジンにも掲載されている【タイムプレッシャーマネージメント】の記事においては、リハ系雑誌の執筆を担当する方から、

「CiceroneのReview(2019)でも推奨ガイドラインAとなっています.しかし英文であり,難解です,しかしこのURLでは平易な解説と,具体的な例と言語指示など記載されていて,かなり役立ちます.臨床リハ(医歯薬出版,2022.5.)の回復期における高次脳機能障害リハの項を執筆中ですが,このURLを引用文献として是非,紹介したいのですが,宜しいでしょうか?」

といったような嬉しいコメントもいただきました。

私見も含まれているため、臨床応用する際は慎重にお願いします。

高次脳機能障害のリハでは、アウェアネスを高める事も必要

高次脳機能障害のリハビリテーションでは、アウェアネスをいかに高めて、エラーに対処していくかが、生活をスムーズに送るために重要なポイントになります。

自分の生活のしにくさの原因が知識としてわかり、生じている問題に気づき、そして対処できる。

このようなアウェアネスの段階を通して、日常・社会生活を送れるようになることが、高次脳機能障害を有する方に対するリハビリ戦略になります。

以下のnoteでは、それをどのように考えて、評価し、アプローチを目の前の患者様に適応させていくかがわかるようになります。


今回は特典を追加しました!!

今回、マガジンを購入してくれた方には、特別に特典を用意しました。

臨床相談です。

普段、臨床でどう評価して、どう解釈すれば良いのかわからない。
解釈した結果、どのようなアプローチを行えば良いのかわからない。
そのような悩みを一緒に解決しましょう。

メールでの臨床相談を3往復まで行えます。

bodywork.self☆gmail.comまで連絡してください。
(☆を@に変えてください)
購入した際のnoteでのニックネームを教えていただいた上で、臨床内容について相談を承ります。

GMT(Goal Management Training)の概要

脳卒中ガイドライン(2015)では、エビデンスレベルの高いアプローチの具体例としてGMT(Goal Management Training):目標管理訓練が挙げられています。

スライド54

行動が遂行されるには、目標や目標と下位目標リストによって整理し、まとめられていると考えられています。

Duncanは、前頭葉損傷者が行動を計画的に、効率的に遂行できないのには、目標リストがうまく作れず、その利用もうまくできないと考えました(目標無視=課題から要求されていることが頭からすり抜けること)。

GMT(Goal Management Training:目標管理訓練)は、この考えに基づいてRobertsonが、遂行機能障害のリハビリテーション方法として開発したものです。

GMTは5つの段階に分かれており、ひとつずつ実施されます。

スライド55

第1段階「立ち止まる!」:
オリエンテーションです。参加者には現在の状況を評価・把握し、これからすることへ意識を向けていきます。

自分の状況を把握することで、今自分にどうのような問題点があるのか、どのような点が困っているのか、どのように行動を変えていく必要があるのかといったことに変化を与えるきっかけになります。

この段階はとても重要で、自分が思っていることと周りから思われている状況にはギャップがあるかもしれません。

第2段階 「定義する」:
目標の選択を行ない、主な課題を定めます。

前途しましたが、自分の問題点、改善したい点、これからどうなりたいかというようなキーワードが重要になります。

自分の興味、関心、必要度、重要度といったことに目標設定は左右されます。

第3段階「リストを作る」:
第2段階での目標を下位目標(=ステップ)に分け、ステップのリスト化を行います。

目標を達成するには、それまでに細かい段階に分けることで自分が何を行うべきなのかがわかりやすくなります。

細かい段階に分けることで、できたときに何が一番良かったのか、どれができていないから行動が達成できていなかったのかなどを振り返りやすくもなり、次回の計画作成にも役立ちます。

第4段階「憶える」:
目標と下位目標 (=ステップ)を記憶し、課題を実行します。

段階は細かすぎると大変ですが、自分の記憶、実行できる範囲で設定できると、行動がスムーズに遂行しやすくなります。

第5段階「点検する」:
実施した結果と決めた目標を比較します。うまくいかなければ、最初の段階からやり直します。

具体的にGMTを進めるための注意点

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