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イベントレポート / SELF Transformation Lab #008 ゆっくり いそぐ、街づくり ~これからの時代の、持続可能な経営と街づくり~

(SELF編集部: 小平筆)

全国のカフェ好きには言わずと知れた、クルミドコーヒー。JR中央線・乗降者数最下位の駅で生みだした全国1位のカフェを起点にして、様々な新しい街づくり施策に取り組む影山知明さんをお迎えしたイベントを開催しました。有料イベントとして行われれ大盛り上がりした本イベント。参加できなかった方に一部をレポートとしてお届けします。

影山 知明さんのご紹介

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コロナ禍を機に、大きく変化した社会の形。
一人ひとりの個人も、企業も、社会全体も、新しいあり方を模索しています。
そんな中、影山さんがこれまで時代に先駆けて実践してきた「カフェを中心とした街づくり」や、地域通貨の「ぶんじ」、地域貢献するほど家賃が安くなる共同住宅の「ぶんじ寮」、国分寺市の選挙投票率1位を目指すプロジェクトなど、様々な取り組みに、改めて注目が集まっています。(そして影山さん自身の会社も、業績目標といったものを一切設けない新しいスタイルの経営をされています!)

影山知明さんプロフィール〜1973年、東京都国分寺市生まれ、愛知県岡崎市育ち。大学卒業後、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、独立系ベンチャーキャピタルを共同創業。総額30億円のファンドを立ち上げ、投資先とリスク/リターンを共有した事業開発に従事。2008年、空き家となった生家を建て替え、多世代型シェアハウス『マージュ西国分寺』をオープン。1階に、こどもたちのためのカフェ『クルミドコーヒー』を開業。開かれた場づくりから、一人ひとりが「いきる」社会づくりに取り組む。2015年、NHKテレビ NEWS WEB の第4期ネットナビゲーター(火曜日担当)も務めた。 著書に、『ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~』(大和書房、2015)。

鹿児島からの登壇者

一方、鹿児島でも、これからの時代を見据えた新たな動きが生まれています。
薩摩リーダーシップフォーラムSELFは、鹿児島を舞台にSDGs達成のための活動をソーシャルビジネスとして実践しながら、鹿児島中のリーダーをコミュニティで結び育てていく取り組みを行っています。

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写真: 左から池田さん、影山さん、坂口さん、有村さん

鹿児島からの登壇者は以下の有村さん、坂口さんの2名。そしてADDress池田さんに司会進行をお願いいたしました。

登壇者①有村 健弘(株式会社住まいず 代表取締役)
1981年姶良市生まれの霧島市在住。江戸時代から続く林業の家系の11代目。「霧島を照らす希望の星となる」を企業ビジョンとしており、積極的に地域を盛り上げる活動に取り組んでいる。自社以外ではBBQの団体を立ち上げ、各種イベントやメディアを通して人を繋ぐBBQを普及している。現在海沿いの中山間地域に本社移転を伴うビレッジ計画が進行中。
登壇者②坂口修一郎  (BAGN Inc.代表・Double Famous)
1971年 鹿児島生まれ。1993年無国籍音楽のエスペラント楽団・Double Famousを結成。2010年より故郷鹿児島でクロスカルチャーな野外イベント『GOOD NEIGHBORS JAMBOREE』を主宰。現在はランドスケーププロダクツ内にディレクションカンパニー・BAGN Inc.を設立。ジャンルを越境したイベントのプロデュースに携わっている。
司会進行  池田 亮平(株式会社アドレス 事業開発ディレクター)
東京大学文学部在学中、NPO法人アイセック・ジャパンで 人事責任者。2003年より株式会社リンクアンドモチベーションにてコンサルティングと経営企画業務。 2008年よりソニー生命保険株式会社にてライフプランナーを約10年。 2018年に独立後は、フィナンシャルプランニングと併せて、 非金銭資本を重視したライフデザインを実践しながら提供。 現在は株式会社アドレスで事業開発部長も務める。

利用(take)し合う関係から支援(give)し合う関係へ

まずセミナーは影山さんの価値観の話、くるみどコーヒーのご紹介から始まりました。

その中で特に印象的だったのが、著書の副題にもなっている「人を手段化しない経済」とは何かということです。影山さんが事業計画を作らないのも、目的や基準を作ってしまうと人を目的達成のための”道具”(=手段)として使うことになってしまい窮屈になってしまうと感じられるから。そうではなく、あえて計画を作らないことで、偶然性に準拠する「植物が育つように組織を育てるやり方を実践していらっしゃいます。そのために最も大事してるのは「利用(take)し合う関係ではなく、支援(give)し合う関係を作る」ことだそうです。自分がtakeしようとするとtakeし返される、give するとgiveし返してもらえる、社員やお客さん、街の人の支援をまず行うことで支援をベースにした関係性を作ることができると仰っていました。

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そして感謝の言葉が綴られるようあえてアナログに紙で作った地域通貨「ぶんじ」のお話や、町の寮を建設する「ぶんじ寮プロジェクト」など共助をベースとしたプロジェクトのご紹介をご紹介いただきました。社会は交換の集合体と仰っており、お金に縛られず共助や支援をベースにした無理ない新しい経済の形のお話は非常に面白かったです(もっと詳細を知りたい方は著書をお読みください)。

質疑応答

有村さんの林業、そして建設中の新しい村 "OBAMA village"のご紹介、坂口さんの音楽とグッドネイバーズ・ジャンボリー(GNJ)の話が続きます。そして第2部では3名と観覧者の間での質疑応答となり、刺激的な内容ながらも和やかな雰囲気で会は進みました。最後は皆で記念写真(撮影のタイミングだけマスク外してます)。

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ-7

影山さんの進める地域づくりは鹿児島でも大いに参考になると思います。私たちもお互いに支援し合える関係を作っていきたいですね。

今回のイベントのアーカイブをご覧になりたい方は1100円で販売中です。ご希望の方はinfo@self-kagoshima.orgまでご連絡下さい。

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