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ストックホルム滞在記 #002 交通編

(文: ふるかわりさ)

ひょんなことでスウェーデンの首都ストックホルムに1ヶ月ほど住むことになりました。
前回のスーパーマーケット編に続き、今日は交通編をお届けします。

横断歩道に歩行者がいたら、車が100%一旦停止してくれる

スウェーデンに来て感動したのが、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいたら市内だろうと郊外だろうと100%車が停止してくれること。

首都圏から鹿児島に遊びに来てくれた友人たちが、信号のない横断歩道で車が止まってくれた時に「おおお!」と感動してくれたりしますが、鹿児島なんて比べものになりません。本当に100%止まってくれるのです。(ちなみにノルウェーのオスロも100%止まってくれました)

しかも、多くの運転手がハンドルを握っている手を上げ、ニコッと笑顔で挨拶してくれます。もちろん歩行者である私たちも渡りながら片手を上げて「ありがとう」を伝えます。
街と友達になれたような感覚で、純粋に気分が上がります。

横断歩道同士の間隔も狭い上に歩行者も多いので、結果的に車はそんなにスピードを出せないかもしれません。

ちなみに、歩行者がいるのに横断歩道で一旦停止しなかった場合の罰金は3,000クローナ(約4万円)。ちなみに日本は9,000円だそう。

自転車専用道路

次に目についたのが、自転車専用ゾーンの多さ。ここは自転車だけでなく、市内のあちこちで見かける電動のキックボードでも走れます。

自転車専用ゾーン。郊外も大きな道は基本的に歩行者、自転車、自動車が分かれています。

街中見渡してもガードレールは見当たりませんが、交通事故死の内訳を見ると、日本の1位、全体の36%が「歩行者」なのに対し、スウェーデンの歩行者の死亡率は全体の12%程度ととても低いです。

ROAD SAFETY REPORT 2020 | JAPAN


ROAD SAFETY REPORT 2020 | SWEDEN


街中に行くと自転車と歩行者しか通れない道も多く、ますます車は不便な印象。


歩行者と二輪車のみが通れる道路。
電動のキックボード

電動の自転車やキックボード

電動キックボード

市内でよく見かけるのが、レンタルの自転車やキックボード。いくつかの会社が運営しているようですが、基本的に使い方は同じ。スマホに専用のアプリをダウンロードし、自分の名前やクレジットカードの番号などを登録してサインアップ。
アプリ上で今使える自転車が今どこにあるかが表示されます。

アプリの画面
QRコードを読み込むと鍵を解除できます

車体にプリントされた専用のQRコードをアプリで読み込むと鍵を解除できます。自転車は専用の駐輪場が決まっていてそこに返すシステム。キックボードは街中のどこで乗り捨ててもいいようです(そのお陰で、街のあちこちにキックボードが乗り捨てられてしまっています)

ストックホルムeバイク

価格は以下のとおり。旅行者、住民双方に利用しやすい設定です。

公共交通機関を1社が運営

トラム(路面電車)
券売機はクレジットカードのみ対応。コンビニや有人の改札でも買えます。


これが旅行者にとってはとても便利。
ストックホルムの公共交通機関は全てStorstockholms Lokaltrafik(SL)社が運営しており、市内を走る地下鉄、バス、トラム、鉄道、ボート全て共通のチケットで乗ることができます。

チケットにはいくつかの種類があり、スマホアプリや、日本のSuicaのように繰り返しチャージができるICカード、7日間、72時間、24時間のトラベルチケット、そしてシングルチケットなどがあるのですが、おもしろいのがシングルチケット。

駅の改札

日本のように、乗車駅と降車駅の距離で料金が定められているのではなく、発券から75分間何回乗り換えようが、何に乗ろうが、どこまで行こうが同じ料金(大人が39クローナ:約511円、子どもが26クローナ:340円)です。
正確には75分以内に最後の乗り換えの改札を通過していればOK。

鹿児島でいうと、JR、市電、市バス、桜島フェリーを乗り継いでも最後の乗り継ぎを75分以内に済ませれば1枚のチケットで全て乗れるという感じ。
また、全ての路線が色と数字で示されているのでスウェーデン語が分からない外国人にも移動のハードルが低いです。

例) 黄色の31番に乗ってAlvik駅で緑の17、18、19いずれかに乗り換えて8駅目で降りる(Google maps)

ベビーカーなども移動しやすい

また、地下鉄や路面電車、バスの入口付近に必ずベビーカーや車椅子専用の広いスペースがあります。
全てではないかもしれませんが、バスは停車すると車高が下がり、地下鉄はドアが開くとホームとの隙間を埋めるための足場が出てくるようになっていました。

トラムの車内

番外編:初夏の風物詩?

基本的には穏やかで、車のクラクションの音を聞くことはほぼないストックホルムですが、6月末は少し様子が違います。

高校を卒業した生徒たち

高校を卒業した生徒たちが、貸し切ったトラックに大量のお酒を積み込んで、爆音で音楽を鳴らし荷台で踊り狂い街中をパレード。
トラックだけでなく乗用車から身を乗り出して、出身国の国旗やメッセージを書いた旗などを掲げて走る姿も見られます。
後続の一般車両ではなく、この高校生たちのトラックや乗用車が辺り構わずクラクションや笛を鳴らしながら昼夜問わず走っていました。(しかも何日間も!)

街の人は迷惑がる様子もなく、時には「おめでと〜!」と声をかけたり、写メを撮ったりしながら微笑ましく眺めています。

街で出会った何人かに聞いてみましたが「ええ、私たちもやったわよ。大昔だけど!」と目を細めていました。初夏の風物詩?伝統行事?といったところでしょうか。日本の子どもたちもこのくらい羽目を外す機会があってもいいのかもしれません。

さて、ストックホルム滞在記。次回は街の風景について書く予定です。
お楽しみに。

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