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ガイア理論

ここ数ヶ月よく思い出すのは、ガイア理論のこと。生命と環境が相互的に影響し合い、一つの自己調整システムであることを提唱している理論です。1960年代に発表された当初は、地球全体が「巨大な生命体」であるという考えはあらゆる方面から批判されたが、時代ととも研究が進み、地球が生命の影響を受けていることは、現在はだれも否定できない現実です。現在、ガイア理論を受け継ぎ、地球環境の自己調整メカニズムの研究を行っているのは地球システム科学という分野です。

地球システム科学から見れば、コロナ禍と地球温暖化の間に関係があるかというと、コロナウィルス感染拡大と地球温暖化の関係性を証明する要素が足りないため、直接的な関係があるとは言えません。

とは言っても、森林破壊をコントロールすれば、動物に由来するウィルスが人間に伝わるリスクを減らせると思われています。

気候変動はコロナ禍と同じ程度に真剣な問題ですが、熱中症や森林火災により毎年死者が出ているのに、地球温暖化はコロナ禍ほど世界中の各国レベルで即急な対策をされていないのが現状です。

地球温暖化には人間の活動が大きく加担していることも、コロナ禍によるロックダウン中に人間の活動が一時的に止まったため、世界中の空気がきれいになったり人類の動きによる地震振動のレベルが小さくなったりしたことも、人間活動による地球への影響の現れです。

地球が自己調整ができる生命体なら、ある種の「知能」があるということです。知能は「意識」とイコールではないが、ずいぶん興味深い特徴です。海に泳いでいるもっとも小さな魚から、鳥や大きな動物までも、全ての生命体に「知能」があります。人間には知能のほかに、意識というものがありますが、意識はどのような条件で発生するかは、引きつづき大きな謎です。

動物も人間も、体調が優れない時は、まずは体を休めますよね。例えば、熱が出たとしましょう。身体の健康を脅かす物がシステム(身体)に侵入した時、免疫機構が反応し、一時的に身体全体がアラート状態(発熱)になる。免疫機構が侵入者を退治するまでは、免疫以外の機能をできるだけ低減させるために、衝動的にまず体を休めることになります。

人間の場合、薬を飲むことで、免疫機構に少し手伝うこともでき、より早く回復できます。野生動物が熱を出したら、ゆっくり休むほかない。熱さを感じたら、冷たい水に飛び込む動物もいます。つまり、熱さを感じた時、生命体は休んだり、薬を飲んだりして、何かしらの「対策」をします。

一つの生命体である地球が自分の存在を脅かす「熱さ」を感じたら、どのような対策を行うでしょうか? 地球が自己調整システムなら、自己のバランス(ホメオスタシス)を保つための対策をするでしょう。人間には意識、知性、そして技術があるのは、一つのシステムである地球を理解するためで、地球の健康を保つためではないかと思います。それはつまり、人間の意識は地球(ガイア)の意識ではないかと。

人類の健康と繁栄のためにも、人間は自分たちの活動が環境にどのような影響を及ぼすかを理解したうえで、環境と調和した形で生きる方法を探ってはいけません。人間活動が無理やり制限された今、さらなるパンデミックや自然災害の発生を防止するためにも、環境を配慮した生活と経済活動にシフトするチャンスではないかと思います。

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