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誰も見たことがない景色を見てみたい/卜部蘭 R[a]n for Future

カメラのファインダー越しに彼女を見た時、
感じた印象が今も忘れられません。

跳ねるように颯爽と走り抜ける姿、
しなやかな脚の運び、美しいフォーム、
その全てに魅了されました。

”走る姿を見るだけで価値のある選手”
そう思ったのを覚えています。

彼女の名前は卜部蘭(うらべ らん)選手。
1500m、800mを主戦場とする中距離ランナーです。

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陸上好きのご両親から、
ラン(=走る)との名前を授かり、
自身も自然と陸上の道へ。

中距離の魅力を体現する彼女は今、
6月24日(木)〜27日(日)に大阪で開催される
日本選手権で、ひとつの目標を実現するべく、
最後の調整を重ねています。

◆長年の目標に向けて

東京オリンピック出場選手の
選考レースとなる、今月末の日本選手権。

長年、夢見てきた舞台に向けて卜部選手は、
春のシーズン開幕からハイペースで
試合出場を重ねてきました。

「例年より多いですし、すごく出てますね。グランプリが前半多かったですし、記録会も入れると5~6本は出場しています」

東京五輪出場のためには、
ポイントを獲得してランキング上位に入るか、
1500mの参加標準記録4分4秒以内の記録を
出す必要があります。

タイムを狙うのは現実的に難しいため、
目指すはランキング入り。
卜部選手が出場を目指す1500mは、
今回ランキングの45番以内の選手が対象。
現在、卜部選手のランキングは47番前後。
入れるかどうか、ギリギリのラインです。

「今シーズン入ったところから、東京オリンピックの出場権を意識してきました。シーズンインは自己ベストに近いかたちで走れたので、駅伝やトレーニングなど持久的な練習がプラスに働いた感触です」

「本当は木南記念と兵庫リレーカーニバルで、もっと良いタイムを出したかったのですが、東日本実業団の手前の合宿後半に脚を(痛めて)…。そこからうまくコンディションや感覚があわせられていない状態です」

「後半2レースで思うような走りができなかったので、この3週間は日本選手権に向けて心身ともに作り直すというか、シーズンインで良かったところを、もう一度思い出しながら日本選手権で良い結果を残したいと思っています」。

そう、ここまでを総括します。

◆陸上界の未来へのきっかけになりたい

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その根底にあるのは、
自身が好きな中距離の文化を、
もっと日本に根付かせたいという想いでした。

「オリンピック女子で1500mの出場者って、まだ一人もいないんです。そういう、誰も見たことがない景色を見てみたい

「ずっと中距離をやってきて日本は、欧州に比べてマラソンや駅伝の注目度が高い。その中で中距離に出場して、積み重ねた先に、中距離人気や認知度が上がればと思っています。中距離は露出の低さなどから、実業団で続けたかったけど続けられなかった人もいるのが現状。中距離が発展することにより、そういう裾野を引き受ける会社や、活動を応援してくれる人々が増えるんじゃないか、そう思っています」

「それが、自分自身が中距離をしている大きな原点。陸上界の未来に向けたひとつのきっかけになりたい。それが、自分の中でオリンピック出場の動機になっています」

トラックの短距離、マラソンなどに比べて
注目度の低い中距離。
海外では試合の最後に中距離レースが行われたり、
人気が高い種目です。

そんな現状に対して、TWOLAPSでの
活動において中距離大会を企画・運営、
市民ランナーの方へ1500mチャレンジの機会を
提供するなど、中距離を“自分ごとにしてもらう”活動を
行ってきた卜部選手。

「卜部選手のここ数年の活躍によって、認知度もあがってきた気がしますよ」と問いかけると、彼女は「いえいえ。まだまだなので」と笑いました。

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続く➡


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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