【TVでも紹介されました】錯視効果を応用!逆走事故を激減させた安全対策とは?
こんにちは。積水樹脂グループ公式note編集部土井です。
日本での交通事故数は2004年は95万件ありましたが、2023年は約30万件と3分の1に減少しています。(資料:警察庁)
そんな中でもここ数年減らない事故、「逆走事故」を激減させた安全対策について紹介します。
重大事故につながる可能性が高い高速道路での逆走は2日に1回以上発生している!
高速道路は一方通行の道路なので逆走は重大な事故につながります。
国土交通省は2029年までに「高速道路の逆走による重大事故ゼロ」をめざしています。
ですが、高速道路の逆走事故の発生件数は、対策を実施しはじめた2017年以降も約190件/年発生していて、横ばい傾向が継続しています。
また、そのうち約2割が事故に発展し、負傷・死亡事故も毎年発生しています。
NEXCO西日本ではこんなキャンペーンも実施しています。
NEXCOでも民間企業からも案を公募して逆走対策をすすめました。
錯視を利用した逆走対策製品「ソリッドシート®」
採用になった当社製品がこちら「ソリッドシート🄬」です。
通常の道路標示に見えますが、これは逆走した人だけが浮き上がって見える錯視効果を利用したものです。
逆走車からだけ気づくしくみ
こちらは高速出口付近の進行側からの写真です。正しい方向に走っていると左側に何かあるなぁくらいにしか感じない道路標示ですが、
これが逆方向から、つまり出口なのに入ろうとする逆走車両からでは、、、
わ!
浮き上がって見えますね!
コントラストがある浮き上がった標示でアクセルを少し離すくらいの「おっ?」を
このソリッドシート🄬製品は通常の白標示ではなく、コントラストがある色目を使い、浮き上がらせて見える錯視効果を利用して運転手が「おっ?」と思ってアクセルから少し足を離すくらいの効果を狙っています。
下の色の違いの比較イメージをご覧ください。
高齢者の方でも40%ほどのコントラストをつけると反応しやすいとのことで一番明度の高い白にこのような複数色を合わせて作成しています。
生活道路の安全対策で多く使われている「ソリッドシート🄬」
当初は大阪府警からの相談から
このソリッドシートですが、さかのぼること1995年、大阪府警より、生活道路で増えている事故を減らす対策はないか?と相談を受けたことがきっかけです。生活道路は歩行者も車も通り、あまり広くないことが多いため、ポールなどを設置すると道路が狭くなってしまいます。
そこでこのソリッドシートを設置し、運転手の注意を喚起し、減速させることで事故を減らすことができました。(人身事故ならびに物損事故ともに40%減)
論文でも発表されました。
見慣れたからと言って事故数のリバウンドはありません
設置後にはドライバーが見慣れてまた事故が増えるのでは?という危惧もありましたが、「この場所は運転を注意するところなんだな」という意識が働くようで事故が再度増えるということはないようです。
現在は全国の様々な道路で採用されています
今一番よくあるタイプは下のような画像のものです。
障害物があるのかな?と思わせて車のスピードを減少させています。
少し変わったものだとこのようなものもあります。
海外でも採用されています。こちらはオランダの例です。
この「ソリッドシート」は愛媛新聞でも紹介されました!
高速道路に117か所設置して、効果のほどは?
高速道路に話を戻しまして、このソリッドシート🄬は2022年度までに高速道路の117か所に設置されました。国土交通省では2023年これまで実施してきた逆走対策の効果を検証されました。
なんと9割減の結果!
結果は、、、
なんと9割減です。
他の対策と比較しても減りが大きいです。
テレビでも紹介されました
今回テレビ朝日のスーパーJチャンネル(毎週月曜~金曜 午後4時48分~)でもこのソリッドシート🄬について紹介されました。
テレビ朝日サイトやテレビ朝日のニュースのYouTube「ANNnewsCH」でも紹介されています。自動車の後ろ側からカメラを回して逆再生すると浮き上がってくる様子がわかりやすいです。
製品に携わった弊社デザイン・マーケティング部の長田も少し登場しています。
「あっ︕」と標示で事故激減…全国にある“謎の道路標示” 高速逆走を防ぐ3D標示も 【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2024年1月28日)
webからは下記をご覧ください
高速道路だけでなく一般道路の交通事故対策として問い合わせが多いです
ソリッドシート🄬は逆走対策で大きな効果が出ていることもあり、通学路や交通事故が多い道路でのお問い合わせや採用が多いです。
これは亀岡市で学生の提案からできた横断歩道と十字路のソリッドシート🄬です。
他のソリッドシート🄬の様々な事例についてはこちらをご覧ください。
海外でも採用されています。
普段無意識に通っている道路にもいろんな工夫があるのですね!
通学路など生活道路のお問い合わせが多いです。
これから春は新入生の登下校の安全に役立ちますように。(土井)