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「自分で結論を出した!」と可視カフェで思ってもらうための、振る舞いの工夫17個

こんにちは、関美穂子@sekimihokoです。

いやぁ、今年は色々ありましたね。
個人的には「やっぱり私、可視カフェが好きだ。可視カフェっぽい仕事もっとしたいなぁ」と思う一年でした。
(この話はまた今度)

可視カフェといえば、先月「Purpose Carving」という取り組みとコラボレーションをしました。

Purpose Carving
富士通デザイン株式会社(現:富士通株式会社)さんが実施している、その人のストーリーを様々な視点から聴き、“Purpose(パーパス)”を彫りだして(Carving)言葉にしていくプログラムです

経緯や当日の様子はこちら。
松本さんが丁寧に書いてくださいました。感謝。

松本さんにいただいた感想のなかで、印象的だったところはここ。

せきこさんの「聴きながら・場をまわしながら・描く」というスキルもめちゃくちゃすごいんだけど、私が最も「ありがたいな」と思ったのは、「うまく言葉にできない」「なんかわかんないけどちょっと気になる」といった、「自分の中で答えが出ていない状態」を常に歓迎し続けてくれたこと。

「折角聴いてくれているのにちゃんと伝えられなくて申し訳ないな」という想いから、何度も私は「すみません」という言葉を口にしたけれど、その度にせきこさんが「いいんですよ、そこに重要なことが隠れてそうですね!」「可視カフェはモヤモヤしていることをそのまま伝えるところですよ!」と言ってくれて、めちゃくちゃ心がラクになりました。

私が可視カフェで一番大切にしているのは、2時間話して出てきた結論が「関さんが作ってくれた」とならず、その人が自分で出したと心から思えるものであること。
そのために、考えていることをそのまま出せる場を作ること、言葉を紡ぐ主導権を奪ってしまわないことに注意しています。

なので、こちらの感想をいただけてとても嬉しかった…!

▼松本さんが描いてくれた、可視カフェの感想。

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今日はそんな、可視カフェで「自分で結論を出した!」と思ってもらえるようにしている振る舞いの工夫について書いてみます。
(いつも全部しているわけではないよ)

2016年10月から、約200人の方にご依頼いただき、時間を共にしてここまで来れました。皆さん本当にありがとうございます。

初めましての時

初対面の人に自分の頭の中をパッカーン!と出すって結構なすごいことですよね。
なので出来るだけ「この人、話しやすい人だな」と思ってもらえるようにしています。

・お互い呼ばれたい名前で呼ぶ
・目を見て話す、聞く
・私の軽い自己紹介や、天気や共通の知人の話などの雑談から始める
・ちょっと自分の身の回りの話をする。
・相手の普段やっていることや、周りにいる方のことを知って、その人がしっくりくる言葉使いや話題に近づけるよう気をつける

=自分の言葉や話題のバリエーションを増やす。精進…
・同郷、鹿児島の方にはめっちゃ鹿児島弁で話す
話す機会少ないから嬉しくてつい。
・落ち着いて話せる、信頼感のある声色、トーンや所作を心がける

心がけているけど、うまくいっているかはお客様のみぞ知る

言葉を待つ時

相手が何か考えていそうだな、と思った時は沈黙を恐れず待ちます。
待つ時には、気兼ねなく考えて欲しいので相手の特徴や話の状況によって
・白紙とペンを渡す
・飲み物のカップを両手で持って視線を外す
・お手洗いに行くようにして5-10分くらい席を外す
・相手から視線を外して、店内を眺める

といったことを判断して、組み合わせています。

少し言葉が出そうな時は
・一緒に考え、悩む
・いったん描いてみる

それに対する違和感やピンときたことを話してもらう
ということも。


提案する時

・結論を断定せず、柔らかい提案のような形で
提案する 関西の方がよくする「●●ですかねぇ、分からんですけど」と言ったり、「違ったら言って欲しいんですけど」と話し方をすることが多いです。
・偉い人っぽくならない
そもそも全然偉くないんですが、ジャケットは着ないでカジュアルな服装をしたり、「仕事でこんなことを〜」とドヤドヤしないことを心掛けて、出来るだけカフェで友人とおしゃべりするような気持ちになってもらうよう心掛けています。

全体を通して

・話していることを楽しむ
なにはともあれ、これですね
・相手の特徴、自分に一番求められている立ち位置を捉える
話し相手、全体を一枚にモデル化する人、論理的な話を感覚的に捉える人、思考の圧力高めで頭を一緒に絞る人など

同業の方(グラフィックレコーダー)だと、
お互い描いて話すことも多いです

おわりに

「可視カフェは、コーチングなんですか?」
時々そう聞かれるのですが、その後の前進や向上には寄り添っていないので、ちょっと違う気がしています。

その代わり「今」にはめちゃめちゃ寄り添います。
自分の今のモヤモヤを、描いて少しでもすっきりして欲しい。そのあとは、前に2歩でも後ろに3歩でも、あとはその人の道。
なので一番近いのは、インタビュー、もしくは会話だと紹介することが多いです。

そう、インタビューといえば!
西山さんの名note「インタビュー話法:リアクションパターン」。
とても面白いのでぜひ読んでね。

特にここには共感しかない。
やっぱりインタビューに近いんだろうか。

インタビューは「相手の視点、思考を、言葉の力を借りておすそ分けしてもらう行為」であって、こちらの言葉で相手をピン止めする行為ではない。給水所で水を渡すのはOK、ゴールテープを目の前まで持っていくのはNG。


【余談】可視カフェで愛用している文具

可視カフェではzoom×iPadで描くデジタルバージョンと、対面×A4コピー用紙に描くアナログバージョンがあります。
アナログの時の文具には、ちょっとこだわっています。

■マジックインキ ラッションドローイングペン(0.8)

基本的に可視カフェの時は話の内容をシンプルでラフな描き方で、出来るだけポイントを落とさないように全部描くようにしています。
なので、主線の黒ペンは
・すぐ乾いて上から色を濡れるもの
・向かい側の人にも見やすい、けど描き込んでも潰れない太さ
である必要があります。
色々試して、愛用して3年目。ぜひずっと続いてください…

■おだやか色のラインマーカー マイルドライナー

みんな大好きマイルドライナー!
そのなかでも特にチカチカしない色を好んで使っています。
・影をつける時、モヤモヤした話の色つけは灰色
・強調する時はマイルドオレンジ
を使うことが多いです。ぜひずっと続いてください…

■ドキュメントホルダー IDEAL A4

カバンのなかでグニャグニャにならないハードカバーで、A4コピー用紙を15枚くらい持ち歩けるので重宝しています。愛用中。

あとは
・太めのペン(黒プロッキー、サインペン、薄い色のNeuland Bigone)
・白いマスキングテープ (話題が横断した紙を2枚くっつける)
・クリアファイル(終了後、描いた紙8-10枚くらいを入れて渡す)
をよく使っています。ぜひずっと続いてください…

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来年から楽しいことも始まりそうだし、ワクワク。
昨今の状況で、色々とままならないことや、しんどいこともあるけれど、2021年も自分が健やかで、誰かに喜んでもらえる年になったら良いな。


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こちらの記事は、グラフィックレコーディングAdventCalendar2020に参加して書きました。

あ!そうそう。
可視カフェでの具体的な描き方の工夫も色々あるんですが、そこら辺は来年くらいに出る本に寄稿しています。

とっても素敵な本になりそうなので、皆さんにお披露目できる時が今から楽しみ!乞うご期待です。


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