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旧公衆衛生院研究 隣接編

旧公衆衛生院の隣には、東京大学医科学研究所本館1号館(旧東京帝国大学附置伝染病研究所)がある。

こちらは旧公衆衛生院の完成一年前の1937(昭和12)年に竣工した。設計は内田祥三、施工は大倉土木、大林組 でSRC造3階建である。
意匠は内田ゴシックでまとめられており、旧公衆衛生院とよく似ている。

しかし、細かく散りばめられたデザインは旧公衆衛生院と異なり、機能の緊張感と和らげる空間づくりを目指したのではないかと考える。
入口エントランスの天井にあるステンドグラスに、象徴的なものを感じる。

日中戦争が勃発した年の竣工。社会情勢が激動する中での設計、資材調達、施工、開所。
内田ゴシックを貫く計画は、想像できない程のエネルギーが必要だったに違いない。


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