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けんこう屋7〜わざわざでなくなる

けんこう屋の常連、70代の男性Dさんは、いつも公共交通機関で1時間かけ来られます。ここに居る時間は約3時間。必要な時だけ話しかけてこられます。

仲間と一緒に何かをされたりすることもありますが、ほとんどはコーヒーを飲みながらの読者。穏やかな表情で静かに過ごされています。

Dさんは定年延長まで会社に勤められ、その後ボランティア活動をされていました。長年、勤務中心の生活リズムが染みつき、家から出かけることで心と体の調整になるようです。

通うのに1時間かかっても、全く苦にならないようで、むしろ楽しみであるらしく、過ごし方のスタイルも決まっています。

基本的に乗り物に乗っている間はスマホと本は見ないで、町の様子を眺める。
帰りは最寄りの停留所の3つ前で降り、自宅まで早足で歩いて帰る。雨の日は、座っていても3つ前から立つ。これは通勤当時からのルーティンだそうです。

コーヒーを飲みながら読者ができる場は自宅の近くにもありそうですが、この時間のあり方が、わざわざと感じない大切なポイントのようです。

けんこう屋に来ることで、帰属意識を持ちながら、自分のペースで健康維持ができることが安心した暮らしにつながっているようです。

※けんこう屋は、筆者がこれまで関わらせていただいたカフェ、ホテル、保健福祉センター、シニアレジデンス、ヘルスコミュニティ、お話会、スポーツクラブなどの場づくりで出会った様子をまとめて描いた、コーヒーの香りがする元気なサロンです。

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