見出し画像

健築学〜文脈を読み取り物語を創る

一人ひとりに生き方がある。同様に建築にも生き方がある。
「ここにこんなものがあったらどうだろうか」と、考える人のイメージを汲み取り、具現化していくプロセスは、これから何十年とつながっていく物語を書くようなものである。

過去を知り、今を見つめ、未来を描く。どんな人が集い、誰が関わっていくのか。それによりどのような空間が考えられるのか、仮説をたててみる。舞台となる土地の歴史、しがらみを知っておくことも大切である。
そうすることから、大胆な発想、広がる未来が感じられてくる。

最初にストーリーを描くことは、建築物の"人生"を創造することであり、イメージするキーワードをゾーンへ並べてみる。その演出としてデザインやディテールは生まれてくる。

もし"人生"を見つめることなく、流行やアイデアだけで計画したとしたら、人の思い、集いは一瞬で消え、未来へつながらないものとなってしまう。

建築空間との出会いから何が生まれるのか。どのように過ごせば心が豊かに感じられるのか。来てよかった、また来てみたいと思うようになるのか。
人が建築空間を創り、建築空間が人生を育む。

しっかりと文脈を読み取り、物語を創ることは、まさに"人生の設計"である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?