滋賀県内の石造物㉓:百済寺宝篋印塔
名称:百済寺宝篋印塔
伝承など:なし
所在地:滋賀県東近江市百済寺町
湖東三山の一つで紅葉の名所としても知られる百済寺は、聖徳太子の開基と伝わる古刹であるが、戦国時代に二度に渡る兵火、さらに織田信長の焼き討ちにあって堂宇は焼失し、現存する建物はいづれも江戸時代以降に建てられたものである。
境内には鎌倉時代後期の作と思われる宝篋印塔があり、この石塔は一見すると塔身が五輪塔の水輪で代用されているように見えるが、実際には塔身の四隅を落として丸く造っている。
そのため乱積みではなく、当初からこのような形であったと思われるが、塔身を丸く加工するのは珍しい事例である。