続・時代劇レヴュー㉒:よろずや平四郎活人剣(2007年)

タイトル:よろずや平四郎活人剣

放送時期:2007年4月~6月(全8回)

放送局など:テレビ東京

主演(役名):中村俊介(神名平四郎)

原作:藤沢周平

脚本:古田求ほか


藤沢周平の歴史小説は熱心なファンも多いが、どちらかと言えば暗い作風なので好みが分かれる所かも知れない。

とは言え、作品の精度の高さからこれまでに多くの作品がドラマ化や映画化されている。

私が最初に藤沢周平作品にふれたのは、『用心棒日月抄』シリーズをドラマ化した「腕におぼえあり」(1992年~1993年、三部作)であり、脚本を中島丈博が担当し、主人公の青江又八郎を村上弘明が演じた。

当時面白く見ていた記憶があるのだが、何分随分前の話で、その後再放送やソフト化されたもので確認していないこともあって、こちらでレヴューを書ける状態ではない。

この「腕におぼえあり」と並んで、私が見たドラマ作品に、2007年にテレビ東京で連続ドラマ化された「よろずや平四郎活人剣」があり、こちらは比較的新しい作品のためよく記憶に残っている(なお、上記「腕におぼえあり」と同じNHKにおいて、1998年~1999年に高嶋政伸主演で「よろずや平四郎活人剣」もドラマ化されているが、そちらは未見)。

本作は、江戸時代後期の天保年間、水野忠邦執政時代が舞台で、幕府目付の神名監物の妾腹の弟・神名平四郎(どちらも藤沢が創作した架空の人物)が、ある騒動をきっかけに屋敷を出て長屋暮らしをすることになり、生計を立てるために「よろずもめごと仲裁」という私立探偵のような商売を始め、そこで関わる様々な事件を描いたものである。

基本的に一話完結であるが(ちなみに、本作は全8話であるが、初回と最終回は二時間スペシャルであるため、実質的には10話分の分量があり、原作24話のうちのおよそ半数が映像化されている)、平四郎が随所で監物と政敵で南町奉行の鳥居耀蔵との対立に巻き込まれていき、鳥居一派との戦いが全体を通じての主軸になっており、物語自体はフィクションであるが、随所で天保の改革当時の歴史事件が絡む展開になっている。

主人公の平四郎のキャラクタのせいもあって、藤沢周平の作品の中ではかなり明るい作風で、ドラマも原作もすっきりと楽しめる作品になっている。

本作で平四郎を演じるのは中村俊介で、浪人と言う境遇になりつつも、どこか世間ずれしていない爽やかな好青年と言う平四郎の設定は、中村の当たり役である内田康夫原作の「浅見光彦シリーズ」の浅見光彦と重なり、この平四郎役もうまく中村にマッチしていた。

過去にも沖田総司や千葉周作など、連続時代劇で主要キャストを務めた経験があるだけに、中村の演技も違和感なく、脇を固めるキャストにも兄の監物役の内藤剛志を始め、確かな演技力の面々が揃っていて安心して見ていられる。

原作が良いこともあって、2000年以降の民放時代劇の中ではうまく出来ている一作と言えよう。


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