写真で1番大切にしたいこと
私が最も大切にしているのは、近しい人たちとの飾らない日常だ。カメラを手にしても、その優先順位は変わらない。
写真を撮ることが目的ではなく、その瞬間を楽しく、共に過ごすことが何よりも重要だと感じている。
写真は、単なる記録にとどまらず、シャッターを切る瞬間、そこには被写体との関係性やその場に流れる空気が映し出される。
距離感のある初対面の写真、長年の絆を感じさせる親密な写真。言葉や音がなくても、その関係性が写真に刻まれる。
そういう意味では、写真はただの一瞬を切り取るものではなく、その一瞬がどれだけ大切か、どれだけ愛おしいかを、私たちに思い出させてくれる存在だ。そして、その瞬間を形に残せたという感動は、その関係性の証でもある。
ファインダー越しの世界に夢中になるのは簡単だ。しかし、私が本当に求めるのは、そのレンズの向こうにいる人との、レンズを通さないコミュニケーションだと思う。
写真に収めること以上に、大切にするべきは、共に過ごす時間と、その時間の中で築かれる関係性である。写真はその証を形に残す手段であるとともに、この先も大切にする意志のようなものだ。